寒い日が続くと、どうも家に引きこもりがちである。最近では布団から出るのさえ億劫で、カーテンを開ける前に、窓の外から聞こえる、道路を走る車の音で外の天気を確認している始末である。ザババババ…とタイヤが水を撒き散らしている音がすれば、大体雨である。特に何の予定もない日、この音を聞いただけで、私のテンションはだだ下がりする。すべてのやる気がなくなり、ベッドから出る前に、もう今日はとことん1日を棒に振ってやろうと決意してしまうのである。そう、今日は「本休日」にするぞ、と。

よく、「花さんは、予定がない日は、本を読んだり映画を見たり、レコードを聴いたりして過ごしているイメージです」と言われるのだが、とんでもない。勿論、そういうことをする日だってある。本や音楽や映画は大好きである。しかし、そういったものに触れて刺激や影響を受けると、すぐに頭が「この世界観からはどんな曲ができるだろうか」「このセリフはあそこの歌詞に活かせそうだ」といった発想になってしまって、全然心が休まらないのである。なので、一口に特に予定がない日と言っても、私の中では、


「曲作りに活かせそうなものにきちんと触れる日」=「準休日」

「考えることを一切放棄して、己の欲求のままに過ごす日」=「本休日」


の二種類をわけて考えている。
そして冒頭に述べた通り、冬になると、この「本休日」の勢力は異常拡大される。そして、その日の私のクズっぷりと言ったら、それはもう清々しいほどにクズなのである。

まず、基本的にはベッドとトイレと冷蔵庫、この三点間しか移動しない。昼過ぎまで寝て、トイレに行きたくなったら起きて、お腹が減ったら作り置きしておいたおかずを食べ、お腹がいっぱいになったら横になる。もうやっていることは牛とか豚とかその類と同じである。皆まで言うな、自覚はある、多少の反省もしている。なので、たまに外に出ることもある。といっても、本屋に行って週刊誌の立ち読みをするか、レンタル屋に行ってお笑いのDVDを借りて来るか、コンビニに行ってブラックサンダー買うか、そんなもんである。

今日は「本休日」だったので、私はいつものようにレンタル屋でDVDを借りた。千原ジュニアさんとケンドーコバヤシさんのお二人のフリートーク番組、「にけつッ!!」のDVDである。そしてレンタル屋からの帰り道、自転車に乗りながらふと思い出した。昔、自転車に2ケツ(ニケツ)することを自分だけ読み間違えていて、友達にめっちゃ笑われた時のことを。

そう、なぜか私は謎のルー大柴さん的発想で、ニケツのことをツーケツと読んでいたのである。

家族や友達にもツーケツ読みをする人はいなかったので、本当にどこかで一人勘違いしたのだと思う。「え、いまツーケツって言ったの?ツーって、ワン・ツー・スリーのツーだよね??え、めっちゃダサいね??」と友達に言われた時、はじめて2ケツはツーケツとは読まないことを知り、結構なショックを受けた。

読み間違いの話で言うと、他にもある。

今でこそiphoneが普及し、当たり前のように皆itunesを使っているが、私が中学一年生の頃なんかは、ipodさえろくに浸透していなかった。その当時、テレビではipodのスタイリッシュなCMが流れ始めていて、MDプレイヤーを使っていた私は、ダウンロードして音楽を入れるという仕組みに、なんだか無性に憧れたものである。そしてそのCMをちょうど家族と一緒に見ていた時、私はこう言った。



「イトゥネスってのでダウンロードするらしいね」




…。


しばらくして、兄が言った。

 

「iTunes(アイチューンズ)だろ」



…。




他にもある。

ある日、父親におつかいを頼まれた。メモ用紙に、整髪料と制汗剤の名前が書かれている。男性用のそういった商品の場所がわからなかったので、私はドラッグストアの店員さんに聞いてみることにした。



「すみません、ガッツバイの商品はどこですか?」


…。


しばらくして、店員さんが言った。




「GATSBY(ギャッツビー)ですね」



…。



これが赤っ恥か、と思った。顔から火が出るほど恥ずかしかった。今でも思い出すだけで恥ずかしい。


しかし、いつもの事ながら、私のこんな失敗も容易に超えてくる人が、わたしの身近なところにいる。そう、母である。

あれは高校生の時、ちょうど「ミネトンカ」のブーツが大流行していた時のことである。

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私はこの茶色いブーツをアルバイトしたお金で買って、気に入ってよく履いていた。学校が休みの日、母と買い物に行った時のことである。




「お母さんね、そのブーツの黒いやつが欲しいの。どこで買ったの?」

「これ?色んなところで売ってるけど、私はユナイテッドアローズで買ったよ」
  

そんな話になり、私と母はユナイテッドアローズに向かった。そして、店員さんを見つけるなり、母はこう言ったのだ。



「すみません、黒いミノモンタが欲しいんですけど」





さすがにこの時は店員さんも私も訂正する余裕もなく、爆笑してしまった。恐るべし、母。






さてさて、話の点と点を結んでいくうちに、最終的に黒いミノモンタの話になってしまった。何も考えないでブログを書くとすぐこれである。他愛もない話から、きちんと毎回最高のオチに持って行く、「にけつッ!!」のお二人とは大違いである。正直、こうしている今もベッドに潜りながらブログを書いているので、眠いやらスマホを持つ手が疲れてきたやらで、もうやめたい。だから、やめる。

本休日、ここに極まれり。