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「もうやだーーーー! あっち行けーーーーー!わぁーーーーー!」

という女の子の叫び声が坂の上からするではありませんか。


朝に娘っ子に同じくらい吠えられ

萎えていた私は、飴ちゃんをカバンからゴソゴソ出して

その子に渡してあげたらお父さんも楽になるか?

と坂の上に向かうと

そこにあったのは

女子大生くらいの女の子が地面でのたうち回って

男の人がなだめている姿。


周囲の人たちも遠巻きで心配そうに見ていて、それでも

彼女はお構いなしに叫び続けておりました。


男性は恋人なのか? 兄妹なのか?


他人じゃない感じだし、男性から暴行を受けている感じでもないし。


しばらく遠巻きに見て大丈夫そうな気がしてその場を去った。


ストレスで感情が爆発してるみたいに

小さな子供の癇癪みたいに叫び続けていた彼女。


心は大丈夫そうじゃないけれど、どうしてあげれば良いのか分からなかった。


子供の場合は少しは分かる。


飴ちゃんは、癇癪を起こした子供なんかには時々、泣いてる理由を忘れさせ

違う興味を持たせる魔法のお菓子だから。


昔、映画舞台挨拶の大ベテランのおじ様がよく飴ちゃんを

私や周囲のカメラマンに配ってくれた。


怖そうなキャラのカメラマンおじさんが多い世界で

大ベテランカメラマンが私に渡してくれ

そのおじさんがニコニコボソッと話しかけてくれるだけで

カメラマンさん達が仲間のように認識してくれ

その場がほぐれていったなぁって思い出した。


今も忘れない、感謝も忘れちゃいけない。


そのカメラマンのおじさんの姿もよく吠えていたカメラマンさんの姿も今は無い。


カメラマンさんたちの姿はだいぶ減って、

今は記者兼カメラマンの人たちの姿が並ぶ。


カメラの性能が良くなって、誰でも撮れる時代になって

世界が変わっていく。


だけど、撮られる役者は変わらない。


手軽に安かろう、じゃダメなんだ。


だから、otocoto連載コラムは、今月からオフィシャルカメラマンである

プロの奥野和之さんに手伝ってもらうことにした。


その道のプロしか出来ない技ってあって、それは唯一無二。


考えてみれば、舞台挨拶の司会者と舞台挨拶のオフィシャルカメラマンという立場で

私はよく話しかけ、よく飴ちゃんを渡していたなぁ。


大阪のおばちゃんの「飴ちゃん居る?」はさ、私にとっても絶大で

その人と仲良くなりたいという意味を込めてのコミュニケーション。


イベント作りもチームワークが大事で、

オフィシャルカメラマンの人達の意向も知れると

お互いがスムーズに良い仕事が出来ると知った。


母ちゃん業務を始めたら、飴ちゃんやらお菓子って

子供のイライラを忘れさせる魔法のキャンディだと知った。


だからやっぱり飴ちゃんは世界を救う。


少なくとも一時、心を優しくしてくれるんだ。