月別アーカイブ / 2022年10月



10月は映画祭もあり、多くの映画人に会います。


そんな私も映画の仕事しかしない、いわば専門職なので

会う前にもう一度、過去の映画を観たり、新作を観たり

待機作を調べたりするので、更に脳が

容量オーバーになりそうなのが10月。


昨年から関わらせてもらっているトロント日本映画祭in日比谷は

トロントで上映された日本映画を野外上映しつつ

監督を招いてトークショーをするという一週間の企画。


トロント日系文化会館の高畠さんとの年に一度の再会も嬉しく

監督達もたっぷり話してくれたトークショーは

YouTubeでも見られます。 ↓

けれど普段の映画祭や来日舞台挨拶では

通訳という専門職の方のサポートがあって成り立つんです。


私のように来日舞台挨拶の司会や

海外の映画人にインタビューする際に必須の職人の皆さん。


インド映画『RRR』でも、TIFF司会をしていた頃や

『バーフバリ』でも一緒に仕事をした松下由美さんと

ハリウッド映画の来日舞台挨拶でよく仕事をする大倉美子さんで

ラージャマウリ監督もNTR jr.さんやラーム・チャランも

安心して色んな話をしたり、控室でも日本について聞いていたり

まるで言葉の壁を感じない空間作りをしてくれたのでした。



実はこの御三方のインタビューもYouTubeの映画番組でしたんですが

大倉さんが訳す時間の短縮を考えて端的にしてくれたお陰で

通常の英語訳が入るインタビュー時間に出来る質問数より

少し多めに質問が出来ました。


記事ではなく、テレビなので少し捻った質問をしたりと

わりとライトなワイワイした内容に。


字幕をつけている最中で、もう少ししたらYouTubeUP出来ます。


皆さんの笑顔を楽しみにしていてください。


この時期は本当に映画通訳という専門職の人たちに

頭が下がる思いです。


ステージのムードの邪魔にならないよう柔らかい声で

かつ聞き取りやすさを考えて、目立たないようにまで気を使って、

彼らから発せられる映画の専門用語や過去作を

見事に違う言語へと変換していく。


私自身も、映画の記事を書く、映画のインタビューをする

他に映画のことでしか司会をしないのは

(時々、俳優の方とのお付き合いで舞台やドラマ製作発表もしてますが)

映画のことにしか時間を作れず、深く探求出来ないのと

映画のことは語れても、自分はフリーアナウンサーではないから。


昔、映画コメンテーターをしながら、

お付き合いで海外の音楽アーティストの来日記者会見

司会をしましたが

今は、そんなことをよくやっていたものだと我ながら

苦笑いしてしまいます。


若かったあの頃は、欲深かったのかもしれない。


いや、うっかり自信を持ちすぎて自分を見失うというのも

あったんじゃないだろうかと。


そんなことをここで書くのも

ひとつそういった仕事をお断りしてしまったからであり。


専門家とは、そのテーマを突き詰めて学んでいる専門職のこと。


私はそうでありたいと晩年、特に思っています。


とにかく今日はこがけんさんが立つ

映画『アムステルダム』トークショーと

30日は川村元気監督と石川慶監督の対談のお手伝いで

東京国際映画祭での久しぶりなステージ司会。


映画の魅力や映画に関わる人達の魅力を引き出せたらと

思いつつ、映画が好きな人たちとの出会いも楽しみにしています。



子どもは、感情がコントロール出来ないことが多くて

それは大人の中にも脳の構造上、そうなってしまう人もいて

どうすれば上手く伝えたいことが伝わるだろうかと考えながら

言葉を選んだりして、失敗した!成功した!を毎回繰り返してます。


否定されるのを攻撃と思ってしまう人や子どもには

本来は声と表情が分かる状態で

柔らかい口調で、「なぜ、いけないのか?」から端的に説明する。


それでもなかなか通じないもので時間が経って理解されると

あぁ良かった、と胸を撫で下ろすの繰り返し。


色んな若者や子どもとの会話の中で、複雑な感情が見えてきて

自分には簡単なことも、人によっては簡単じゃないと気付き

受け止めることを覚えていくようになりました。


多分、私は器用な方で、空気も読めてしまうし、

自分の心の処理も上手いほう。


それは生育環境からもあるだろうけれど、

それだけではない何かが複雑に作用して形成されている。


だから、人の気持ちが少しでも楽になるようにカウンセリングも

コソコソと行っているけれど、子どもは本当に大変だ。


そして裏には親の対応も影響していることが多い。


せめて、子どもを蔑むのは辞めて欲しいと願う。


言うことを聞かない子に対して、汚い言葉を使うと

学校で連鎖が起こり、誰かが悲しむ。


人の心は小さなことで揺れるから、心無い言葉だと思う言葉は吐かない。


私自身にも約束。



今、タイトルに興味を持ったある対談の本を読んでいるのだけど

テーマが犯罪なのに、ひとりの人からは続々と映画のタイトルと

知識が出てきて、サブカルの本だったっけ?と苦笑。


そういえばある映画を見に行った時、この方が登壇されていて

話を聞きたい人よりもやたらとその方が一方的に話すから

萎えてしまったのを思い出した。


知識は使い方によっては弱点になる。


言葉にもTPOが大事なんだと気付かされる。


その会話の本質からズレ、自分のしたい話を長々とすると

対談ではなく、コミュニケーションが苦手な人の

自己陶酔が薄ら見え、良い印象にならないのだ。


そのテーマの知識が対談相手よりないと思うなら

少しでも知識を得たいと、聞く姿勢を持てばいいだけなんだけれど。


「聞く」時間は大事、そしてバランス良く互いに会話するのが

対談では、観客も本人たちも良い時間だと思えるもの。

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