月別アーカイブ / 2021年08月

昨日、娘に保育園を休ませ

劇団四季ミュージカル『アナと雪の女王』

を見て来ました。


彼女なりに映画との違いに気付き

確認したいと言って家で

Blu-rayを取り出し観ながら

歌って踊ってたわけですが

『アナ雪』はそれだけ人の感情をダイレクトに刺激する作用があるんですよね。



しかもミュージカルという生のステージは

最大限のパフォーマンスで

お客さんに想いを届けようとする

エンターテイメント。


俳優皆が魅力的でキャラクターの個性を引き出し

輝きながら私の心に直接話しかけているようでした。


ステージからなのに近いんだよな。


私はそんなステージを作りたいと思って26年も舞台挨拶に立って来た。


出来ているのだろうか?


お客さんと近くて楽しいステージを。


そうそう

昨日、ある出来事があって

気になったのでここに記します。


待ち合わせで

娘と改札前にいた時のこと。


小さな女の子が娘に向かって歩いて来て

頬を指で押し上げて彼女なりの挨拶をして来ました。


娘は突然のことに私の後ろに隠れたのだけど

その子は、コミュニケーションを取りたくて、距離を縮めてくるのです。


「こんにちは」と私が言うと

後ろからお母さんがやってきて

「すみません」

「ほら、お姉ちゃん怖がってるから」

と私に謝ると、2歳だと言う女の子にそう伝えたました。


2歳より5歳に見えるほど身体は成長していた女の子は

たしかに辿々しい言葉で沢山話しかけてくれて

人が好きなんだな、とすぐ分かりました。


「おねえちゃんははずかしいのよ」

と私が娘の気持ちを伝えると、しばらく私と鞄に付いている

キティのチャームのことなど話してくれました。


それでもお母さんは、私に謝り続けるので

「謝らないでください。お喋り楽しいし、うちの子もよく喋るんですが

今、照れくさいだけだから」

と言いました。


コミュニケーションが近いお子さんをお持ちの方の気持ちは分かる。


娘はだいぶ落ち着いてきたけれど他者というより

家でも外でもお喋りが止まらないくらいだったし

好奇旺盛でもっと小さい頃は迷子上等くらいに

堂々と迷子になるから、発達障がいの本も読み漁りました。


どんな親もきっと周囲に迷惑をかけてしまうと思って

つい謝ってしまうのだろうけれど

コミュニケーションを取ろうとする行動において

謝る必要ないと書かれています。


だって人とコミュニケーションを取ろうとすることは

決して悪いことではないのだから。


「怖がらせてるよ」という言葉は

周囲に迷惑をかけていることを親は理解していると

他者に伝えようとしているだけであるし

子供の心に「自分は人を怖がらせてしまう」

と擦り込みを起こしてしまう。


私としては

隠れた娘に対して

「挨拶して来たのだからお返事しよう」

と教えることの方が大事だった。


娘は、やんちゃだから小さい子が寄ってくる。



その後も、ミュージカル終わりにテラスでくつろいでいたら

隣の席に座っていた家族の小さな女の子(歳を聞いたら4歳でした)

「いっしょにあーそーぼ」

と言って来たので、面倒を見てあげてね、と娘に伝えて

かけっこをして遊んでいました。


すごいよ、ちゃーんと

知らないお友達にも声をかけられるその子の勇気。


私は娘がそうしたら褒めることを本で学んだ。


コミュニケーションを取ろうとする行動は良いことなんだよね。


このお母さんは

私や娘にお礼を言って小学生くらいの息子たちと席でくつろいでいた。


それくらいが気持ち良い、そして子供は皆で育てれば

コミュニケーションも上手になり、自由に育つのよね。


うん、改札で会ったあのお母さんの気持ちが楽になると良いな、

距離感が近いのも、ユーモアのセンスもその子の才能なのだから。












仕事に頑張る女性の生きづらさ"にも"刺さる映画であるのですが、

テレビの製作現場や映画祭や映画賞の現場にも

女性審査員の少なさなど問題があるという話しに。

個人的に
映画監督座談会も男性監督がずらりと並んだ図を見ると

運営側は女性が苦手で男性が好みなのか?と思ってしまうし

女性監督の存在を忘れないで欲しいし

映画は男性だけが作っているのではない

と伝えるのもメディアの役目だと感じるのです。


そういった日本映画の未来を願う話も出て来ています。


それと

個人的なことを書きますが

野本梢監督の私的な出来事から映画は生まれたというように

私も野本梢監督と同じ経験を

24歳から29歳の恋愛で体験しました。


仕事やキャリアに夢中で

恋人が結婚を考えているのに逃げ腰で

子供を産んだらキャリアが絶たれてしまうという呪いにかかり

おざなりにしたあの頃が『愛のくだらない』の景そのものでした。
 

だからか、私は景の気持ちが痛いほど分かってしまう。


それからもうひとつ

実は男性にも"気付き"を与える映画なのです。


私自身も、景のような行動を起こす男性にも30代半ばで出逢い

悲しんだことも思い出したりしたから。


こちらが結婚したいと思っても、相手が夢を追っていたり

仕事に頑張っていると結婚を考えてもらえずに歳だけを重ねていき

子供が産めなくなったらどうしよう

この人をいつまで待てば良いのだろう

と悩んで、別れるか待つかを考えてばかりいたことを。


そう、『愛のくだらない』は、

夢を追う男性にも自分ごとに思える映画なのです、きっとね。

相手を好きでも、どこかで自分を好きなら自分のわがままを許してくれるし

受け入れてくれるに違いないと奢ってしまう。


そんな人間の自分勝手で弱くてどうしようもないところを

抱きしめてくれる映画でありました。


野本梢監督は、自分や人の中に生まれた細やかな感情の変化に気付いて

見落とさないように映画として紡ぎあげていく。


その才能が大好きな私は

パンフレットにも応援の文章を書かせてもらいました。


なんだか自分の過去を見ているような映画を作ってもらえ

昔の自分に照れ臭くて、でも愛おしく感じて仕方がなかった、

そしてそんな感情も持てたことで、今があると笑顔になれるのです。




一日中、家にこもって映画を見て原稿を書いて

司会をする映画の台本と睨めっこしながら

宣伝女子と電話越しに打ち合わせをして

気付けば夕方となり

母という仕事をしていた今日。


合間合間に映画監督の友人とメッセンジャーで

チャットのように映画談義をしながら

次は何の映画を一緒に見よう

どんな映画作りをしていこうと話している中で

もはや映画館で会うことくらいしか誘いづらい状況下の今に

少しだけ悲しくなりながら

下戸であり、食通でもない私は、なんだかんだ家でストレスなく

過ごせてしまうんだと気付いていました。


映画を見終わった後、無音の中で猫2匹とダラダラ過ごすのが至福の喜び。


その瞬間を楽しみに

作品を選んで映画コラムのテーマを決めて

脳を絞りながら言葉を見つけ出して書き記していく訳ですが

今月は特に邦画が興味深い。


デイリースポーツWEB「よろず〜」にも書きましたが

明日、8/20公開作品はどれも見てほしいものばかり。


特におすすめしている

『ドライブ・マイ・カー』は

日刊ゲンダイWEBにも、性描写へのこだわりを題材に書いたりしています。

この二つのサイトは新聞系なので

切り口が映画サイトとは少し違うのですが

ここでは、社会問題から映画に興味を持ってもらえたらと

パソコンと向き合っているんです。


さて、どれだけの人が今、映画館に足を運んでいるんだろうか?


私は外食が怖いけれど、映画館はマスクを外さず基本、話さないので怖くない。


人と会うのが怖いなんて思ってしまうコロナから私たちはいつ解放されるのだろう。


そして多くの人が救われる世界になって欲しい。


だからこそ、人に移さない最大限の気配りをしたいと個人的には思っている。


役者や監督の晴れ舞台だから彼ら彼女らはマスクを外すことは良いけれど

MCの私くらいはマスクをしていた方が、

誰もが少しは安心する気が勝手にしている。


そんなことを考えている私は、

明日、いつものようにマスクをして舞台挨拶仕事が終わった翌日に

ワクチン2回目を打つのです。


日曜は猫達とごろんしているかと。






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