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新海誠監督の新作「天気の子」


様々な感想が上がっておりますが

私から見たちょっと違う見方での

この映画の楽しみ方をお伝えしたいと思います。


この映画には

晴れ女=稲荷系

雨男=龍神系

というワードが最初の辺りで

占い師により説明されます。


この言葉を頭の片隅に置いて見ていると

面白い視点に変わるんです。


まずヒロインの陽菜が冒頭くぐる

廃墟の屋上にある小さな社はお稲荷さん。


そんな彼女が祈ると晴れ間が見えてくるのです。


そして陽菜の部屋に沢山飾られている

キラキラした沢山の飾りはサンキャッチャーと言い

陽の光を部屋に取り入れるアイテム。


そう陽菜は、晴れ間を心から願っているんです。


しかもこれは遺伝なのか?


陽菜の弟は、稲荷系に多いと解説された「美男子」で、とても魅力的であり

彼が被っているレインコートはキツネの耳が付いているのに気付きましたか?


いっぽう、主人公の帆高くんは

登場した瞬間、スポット的に大雨を浴び

雨を呼ぶ龍神系特有の商売上手の手腕を

陽菜との出会いで発揮します。


でもなんで

晴れ女を探す映画なのに、龍神系にまで

私がこだわるかって?


それは浅草、浅草寺にある天井に龍が描かれたお寺を彷彿とさせるところが

劇中登場したり

小栗旬さんが声を担当し

帆高に雑誌「ムー」の企画ライターという

仕事を与える須賀さんが

龍のイラスト入りキャップを被り

やがて帆高に帽子をあげるシーンまであるからなんです。


須賀という名前、聞いたことがあると思ったら

「君の名は。」で聖地巡りにもなっている

階段の神社が須賀神社。


これが偶然ではなく必然だとしたら

須賀さんも神なわけで

須賀さん=龍神系ということになって来ます。


じゃあなんで東京が舞台なのさ?


東京という日本の中心は

私利私欲が渦巻いていて

特にその象徴である、金欲で人を騙す新宿を舞台にするのは

当然のことで、人間の欲深さを嘆く神様が

東京を沈めようと雨を降らしているという

辻褄が生まれます。


そう考えるとこの映画、実は

日本神話ファンタジーであって

もしかしたら

あの終わり方ではなく

もっと手前のところで終わっていたのかも

知れないと予測してしまいます。


それを

この映画の解説で言うところの

商売上手でリーダーのプロデューサー

「君の名は。」から手を組んでいる

川村元気さんが

もっと地に足のついた、もっと個人的で

誰もが共感しやすい愛の映画に着地させたのかも知れない

と勝手に推測してしまうのです。


新海誠監督は、まさに稲荷系の人なのかも?


人を魅了する神秘的な物語を綴り

「ほしのこえ」からずっと

未知なる宇宙に焦がれ

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「星を追う子ども」のように

死後の世界や違う世界に興味を持っているのだから。

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それもこれも

神社仏閣が身近にある長野に生まれ育ったルーツが生み出した

唯一無二の感性の力もあるんですよね。


才能を開花させるのも

違う感性を受け入れてこそ。


そして欲や邪心で自然を壊すなかれ。



そんな声が聞こえてくる映画でありましたわ。




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こないだ友達と話していて

「酷いこと言われたりしたらどうする?」

論を展開しておりました。


友「連絡方法を遮断」

私「なんにもしない」


アナタはどっちですか?


実はこの話し、オチがありまして

私のことを遮断した2人から

ほぼ同じタイミングで連絡がありました。


年月が経ってのことだったけれど

謝罪めいた感じの内容で

なんだかホッとしたんですよぉ。


関係を断ち切ってしまうと

仲直りしたいと思った時には時すでに遅し

なんて寂しすぎるし

来世にも持ち越しになりそうな議題じゃない?


良かったなぁ、としみじみ。


人間だもの、感情的になっちゃう時もあるさ。


私なんか少しでも誰かを

「なんでこの人が?」思ったら

"まだまだ修行足りぬぞ!"

と心入れ替えるべく反省の日々。


人は人。


どんなことでも、選ぶ人が

何かしらその人を認めるところがあるから

そこに立っているというだけ。


死ぬまでに心クリーンになれるといいなぁ。


とそんなことを思いながら

本日

映画トークライブですよ!


ヒューマントラストシネマ渋谷で19時からですよ!

「映画本音でジャッジ」


 「ペット2 」「ドラゴンクエスト」

「青の帰り道」「存在のない子供たち」

「ニノ国」「神と共に」

「もぎりさん」

などなど

映画サイン入りグッズも

プレゼント抽選会用に頂きました。



ちなみに頂いた映画は個人的に好きだから!


残席17席

当日券も買えるので

映画トークライブでお待ちしてますぞ!


この4人での映画トークライブでは

ゆっくり相手の話を聞いてられないくらい

興奮状態に皆なりますので悪しからずw

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愛に生きる姿ほど

カッコ良いものはないですよね〜。


恋と違うのは、無償のモノを愛というから。


異性への愛でもいいし、親子愛でも

友情という愛でも、師弟関係の愛でも

がむしゃらにその人を思い、助けようとする

姿は、ハッとさせられるものですよね。


実は先日取材を受けまして

それが

来週7/31 発売の雑誌「anan」に

公開中の「さらば愛しきアウトロー」の

ロバート・レッドフォードについての解説が

掲載されます。

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ロバート・レッドフォードについては

記事で読んで頂きたいので

ここでは

「愛に生きる」という意味での

レッドフォード映画の話しをしようかと。


私が一番好きなロバート・レッドフォードは?

というと

映画的には「スティング」であり

レッドフォードの魅力的には

バーブラ・ストライサンドの主題歌も素晴らしい

1973年のシドニー・ポラック監督作

「追憶」なのです。


大学が一緒だった

通常考えるとタイプの違う2人が再会して

恋に落ちるのですが

バーブラ演じるケイティーは

政治に強い関心があり感情的な情熱家。


レッドフォードに演じるハベルは

モテるルックスと柔らかな立ち振る舞いで

言い争いなどを好まない平和主義者。


ケイティーはハベルを心から愛していて

感情をストレートにぶつけるタイプなのに対し

彼女の思想についていけず

価値観の違いからハベルは何度か別れを切り出します。


ケイティーはきっと感情に素直な人間で

ハベルほど人との距離を見ながら

対話できるほど器用ではなく

それでも自分にとって大切なものは何かだけは

しっかり分かっているので

ハベルを失ってはいけないともがくのです。


愛が親密になると

人は時々、傲慢にもなるけれど

それが人間という感情の生き物で

失いそうになるたびに

この愛は本物だ、と気付く浅はかな生き物。


そんな人間の愛に生きる姿が

映画には焼き付いていて

愛おしいのです。


愛に生きる人ってなんて魅力的なんだろう。


でも保身に走ると愛はいつの間にか消えてしまう。


1970年代や1980年代は

愛にもがきながら突っ走る映画が沢山あるの。


利害関係なんて気にしないのが愛よね。


そう教わった。

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