月別アーカイブ / 2017年02月

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荻上直子監督の新作

「彼らが本気で編むときは、」

ベルリン国際映画祭で

テディ審査員特別賞(セクシャル・マイノリティーをテーマにした37作品の中での評価)と観客賞をダブル受賞しました。

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日本映画でテディ賞受賞は初であり

LGBTの映画賞ではベルリン国際映画祭のこの賞は最高峰だそう。

初日舞台挨拶の司会を終え、生田斗真さんや桐谷健太さん、柿原りんかちゃん

そして荻上監督の口から

映画の裏話を聞き

改めて

この作品の素晴らしさを実感しております。


「五年前に双子の母になって、ベースとなった実話を知り、母と子をテーマにした映画を作りたいと思ったんです」

そう荻上監督が今日の舞台挨拶で口にしていていました。


生田斗真さんも締めのコメントで

「好きな人がいる人にも見て欲しい。この映画を見て、一歩踏み出す勇気を出してもらえたら」

的なことを言っていましたが

この映画から母という存在についてや、愛することの美しさや強さを感じるんですよね。


私の公式Facebookで綴っている

「映画で心理コラム」で、最近、結婚についての記事を

https://www.facebook.com/satorineiga/posts/1225302814243694:0

映画「ラビング」から書いたばかりですが

この「彼らが本気で編むときは、」では、家族について

ここで書こうと思いました。


「彼らが本気で編むときは、」の劇中でも

身体は全て女性になれたリンコさんが、まだ戸籍が男性のままであることについて

こんなようなことを言いました。

(うろ覚えなので、台詞は正確ではないことをお許しくださいね)

「私の戸籍が女性になったら、マキオは結婚してくれる?そうしたらトモのお母さんになれるから」


リンコは、子供を産めないけれど

トモの実の母のヒロミより

多分きっと、間違いなく

血の繋がりなんて関係なく

トモを愛おしく思い、守りたいと思い、一生、一緒に居たい

と思っているのが強く伝わる台詞でした。


母になって思うのは

我が子は可愛く、憎たらしく、たまらなく愛おしいのだけど

それは誰もがそうだとは限らないことであると

最近のニュースを見て気付かされるのですよ。


家族のカタチに血の繋がりは関係ないのだと。


守りたいと思い合える者同士が、愛情で築き上げていくのが

本来の家族のカタチなんじゃ?って。


それをこの映画は教えてくれます。


ちょうど

アカデミー賞にノミネートされている

実話の映画化

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「LION 25年目のただいま」

この作品も

生みの親から離ればなれになってしまった少年が

オーストラリアの育ての親の元で成長し

自分のルーツについて見つめ直す中で

家族のカタチについて描いているんですよね。


ニコール・キッドマン演じる育ての母の葛藤についても

掘り下げられていて

血の繋がりは果たして重要なのか?考えさせられます。


家族になりたいと思った者同士が愛情を注いで育てていくこと。


子供って、間違いなく、親の愛に敏感。


愛されている自信が、愛を人にも与えられる自信に繋がるんだと思うのです。




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11年前から文化庁が立ち上げ

各、映画関係団体の推薦のもと

映画会社や製作会社が力になり

商業映画で活躍する監督を

皆で育てようと動いているプロジェクト


それが

ndjc若手映画作家育成プロジェクト


今年、選ばれし5名の監督による

30分の作品合評上映会と監督&キャストの

舞台挨拶の司会をしたのですが

それはそれは面白い才能の集まりでした。

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今年の映画賞を席巻している

「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督や

「トイレのピエタ」の松永大司監督も

「合葬」の小林達夫監督も

ここ出身。


なので

私も自動的に

商業映画監督デビューの際に、司会としてお祝いに立つことも多いんですよね。


35ミリで撮る、30分というしばり、の中で

オリジナル脚本で、自由に俳優を選び、本格的な映画を作る。


30分だからこそ、そこに監督の人柄や、映画作りをする上で大事にしているテーマが如実に出る。


面白いですよね。


よく思うのだけど

たわいのない会話と思いきや

一対一で30分話していると

その人の人となりがなんとなく浮き彫りになってくる。


ささいな仕草や、目の動かし方、言葉の選び方

そして話しの落とし方って人それぞれで。


自分と合うかどうかなんて

30分ではわからないけれど

呼吸しやすい相手かはなんとなくわかる。


才能を伸ばす

というのもそれが重要なのかもしれない。


その人と話しをしていて

心地良かったり、共鳴する瞬間があればあるほど

一緒に組んでみると、お互いにとって

お互いのよいところや面白いところを伸ばす出逢いだったりすると。


だから

それぞれの監督と組んだそれぞれの映画製作会社のテイストに似ていて

その作品を好きになる観客も、きっと監督と話したら

その人と馬が会うんじゃないかと。


意外と

良い出逢いというのはシンプルで

その才能に気付く相手って

なんとなく同じ匂いのする相手なのかもしれない。


とにかく

5作品、どれも個性的で面白かった!


3/11から3/17まで

監督のティーチイン付き

上映会が

TOHOシネマズ日本橋であるので、観に行ってみるといいですよ。


今日の感想

最後に

このプロジェクトを運営するVIPOの松谷理事長が言った言葉。

「手塚(治虫)プロで働いていて、手塚治虫が漫画家を目指す若手に言っていたのが

漫画で勉強せずに、良い舞台や良い映画や良い音楽を見なさい。

違うジャンルのものをどんどん体験して取り入れなさい、その経験が良い物語を生み出すきっかけに必ずなるから、でした」


沢山、色々な人と会って話して、良いものを見て、感じること。


その経験が、感性をぐんぐん伸ばす、ということなのですな。





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ずいぶんと

ブログを怠けておりましたが

これは書いておかないと、と思い、LINEブログを開きました。


この頃

自分が司会でなくとも

会いたい人には会いに行こう。


その人の取材をしよう。


と、原点返りをし、重い腰をあげるようになり

大好きなライアン・ゴズリングに続き

会って来ました

マイケル・ファスベンダー!


彼女さんのアリシア・ヴィキャンデル来日時、司会をしていて

実は彼氏のファスベンダーもお忍びで来ていると情報を入手し

裏で会えないかなぁ

と目を光らせていても姿見せず。


ついに来た!


「アサシン クリード」

仕事でファンの前に初登場!

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日本語吹替え版の声を担当した

斎藤工くんよ、ありがとう!


ファスベンダーのチャーミングさを引き出すトークに

もうメロメロでしたが

工くんの面白く謙虚な人柄で

その後、ファスベンダーにご飯に誘われたと聞き

それもまたステキなエピソードでありました。

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ゲーム「アサシン」が好きで

ファスベンダーはこのゲームを映画化しようと

6年前にゲーム会社と話しをしたそう。


「ゲームアサシンがもつDNAの記憶というテーマに興味を持ったんだ。

パルクールというアクションを映像で観たら面白いだろうとも思ったし、

パルクールについては38歳の時から練習を始めたんだ。

僕には合っていると思うけど、劇中の難しいアクション部分はスタントで、彼のパルクールは本当に素晴らしいから観て欲しい」


初めて

TOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン7

プレミアムラグジュアリーシートを体験し

もう一度3Dバージョン、日本語吹替えバージョンで見た「アサシン クリード」

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映画館の環境によって

こんなにも映画の感想が変わるかと驚いた体験に!


ゆったりじっくりと大スクリーンを全身で堪能し

やや難しいストーリーも

日本語吹替えによって映像に集中出来、アクションの素晴らしさに

改めて気付かされたのでありました。


そして

自分が司会をした

映画で大のオススメとなったのは

全米大ヒット、すでに続編の制作も決定した

「ミニオンズ」のスタッフが手掛ける

動物による音楽アニメーション映画

「SING /シング」

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60曲以上のヒットソングが流れ

歌により

それぞれが前に進むというシンプルな物語で

歌の力からの感動と

それぞれの動物(人間?)ドラマもしっかり描かれているので

まぁ、笑って泣けて、感動ブルブル!

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オリジナル版と

日本語吹替え版

それぞれ観たけれど

面白いことに

違う楽しみが見つかったのは

きっと

よく知る曲が、日本語で歌われることの斬新さと分かりやすさもあるからで。


オリジナルは、もちろんすんなり歌に集中して楽しめることでの安心感だったり。


それでも

内村光良さんや長澤まさみちゃんの歌唱力やキャラクターと声のマッチングは絶妙でした。


特に

トレンディエンジェルの斎藤さんのブタのグンターはぴったり過ぎて

笑いが止まらない(笑)


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そんなこの映画で

昨年からよーくご一緒する

宮野真守さんに

連載雑誌「シネマスクエア」(3/10発売)でインタビューしました。


目から鱗の面白い話しが聞けた。


そして

宮野真守さんの声優魂を垣間見た時間でした。


長年、言葉の仕事をしていて気付いたのは

言葉の選び方ひとつひとつに人柄って現れる。


インタビューでは、丁寧に言葉を選ぶ宮野真守さん。


ステージでは短い時間でお客さんを楽しませようと、私の言葉から場を読み取り瞬時に動く。


斎藤工くんは、詩的な言葉をサラリとよく口にするのは

本人も監督をするくらい、言葉遊びも好きな言葉を大切にする人。


言葉を操ることが下手でも

たどたどしくもその人の目を見て

時間をかけて、丁寧に言葉を探す行動や

なんとか態度で伝えようと頑張る人の思いは

ちゃんと相手に伝わる。


最後にちゃんと笑顔も添える

相手への感謝と

一緒に過ごしたひとときに感謝する思いやり付き。


そういう人は

しっかり人を引き寄せる才能を持っている。


と、多くの人を魅了する人々を見ていて思うんですよ。

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