月別アーカイブ / 2015年01月

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各映画批評家大賞を取りまくっている

「6才のボクが、大人になるまで。」


来月発表のアカデミー賞にももちろんノミネート。


この映画を見た時期

お腹に赤ちゃんが宿ったばかりで

「ああ、子供と生きるってこうなんだ」

とか

「お母さんの気持ち、なんだかすごくわかる」

と思ってウルウルきたりで。


12年の出来事を12年かけて撮った

リチャード・リンクレイター監督の感性に

「感情も人生も時間と共に繋がり、流れてる」

と感じてビリビリしていました。




7ヶ月に入った今


アカデミー賞最有力のひとつ

「アメリカンスナイパー」

を試写で見てきました。


イラク戦争で活躍した米狙撃手の実話を

クリント・イーストウッド監督が映画化。


戦争を体験した人が陥る

外傷後ストレス障害(PDS)は

心理カウンセリング学校で勉強したけれど

この映画はまさにそれが根底に描かれていて

ヒーロー映画でも戦争映画でもなく。


父親に強い男になれ、やられたらやりかえせ

ライフルで狩りをすることを教わり、褒められて

育った男が名狙撃手となり、ヒーロー扱いされ

家族を持ち、子供が生まれても

どうしても戦地へと自ら戻ってしまう姿を描きながら

私は、彼の妻の視点や発言が目の前の現実であり

そこを見られずにどうしても戦地で悪と思う敵から

仲間を守ることが使命だと思い込んでしまった主人公

の地獄を見たことで闇に囚われてしまった精神面に

深い興味を持ったのでした。


仕事を使命と思い込んでしまった男の考えを

植え付けたのはきっと父親。


その後、父親になった主人公も息子にライフルで

ハンティングを教えるのがその象徴。


2時間12分があっという間でした。


この映画はPDSだけじゃなく、教育についても

問題提示していると思ったんですよね。


そして

親になる準備段階からすでに映画の見方が

変わってきていることにも気付いた日でした。



昨日のお騒がせニュースになった

「会見スタート時間の1時間後に会見中止!」

という

ジョニー・デップ来日記者会見ドタキャンが話題の

『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』


司会の私も通訳の鈴木小百合さんも

20年以上仕事をしているけれど

当日に来日会見ドタキャンは初めてだと確認し合い。


ということは戸田奈津子さんに聞かない限り

確証はないけれど、多分きっとおそらく

来日スター史上初の出来事で。


本当に「記者会見中止」と角川の栗原さんが発表する

5分前まで、栗原さん始め角川チームも私も

ジョニー・デップサイドからは

「部屋からまだ出られない」しか聞いてなかったんです。


記者会見中止と同時に、映画配給会社の角川チームは

ジョニデのエージェントと交渉し

翌日に絶対、会見を再開すると約束を成立させ。


そしてレッドカーペットも

ステージの上での挨拶も質問を2つプラスすると

交渉し!




そして、レッドカーペットで待つこと1時間!


1500人の観衆が待ち構える丸ビルに

ジョニー・デップ氏と婚約書のアンバー・ハードは

現れてくれたんですよ~~~~っ!





うちのスタッフさんである環サンは頑張って

写真をいっぱい撮りました!


この模様は

次号の「シネマスクエア」で沢山お見せしますね。


そして翌日の今日

リベンジ記者会見!


遅刻すること無く

ジョニー・デップ氏は姿を現しました。



登場した瞬間

謝っていたジョニー・デップ氏。


今まで何度もジョニデ来日司会で会って来たけれど

こんなにもジョークを飛ばして

テンションが高いジョニデ氏を見たのは初めてでした。


きっと反省して

リップサービス多め

しかも、「次が最後の質問ですよ」と言った私に

あと2人でも答える!3人でも答える!と延長を

自ら口にしたくらい、きっと反省していたわけで。


「いつもはセリフを減らすんだけど

 チャーリー・モルデカイを演じる際は

 逆にセリフを増やしたんだよ」

と言い、役の口調で挨拶までしてくれたのでした。


この映画

ジョニー・デップ演じるモルデカイの用心棒で

執事役のポール・ベタニーもサイコーです!


イギリスのコメディらしい

お洒落でウィットに飛んでてちょっと高尚な笑いが

魅力のキャラクターそれぞれがチャーミングな作品。


ジョニデ曰く

「映画館でおむつを配ることをオススメするよ。

 笑い過ぎてもらさないようにね」

 な映画です(笑)



とっても遅れましたが

先週金曜日は

2・14 バレンタインロードショーの

榮倉奈々ちゃん&豊川悦司さん共演

大人のラブロマンス

「娚の一生」廣木隆一監督と試写会トークショー。


小学館・月刊フラワーズで連載していた西炯子先生の原作は

突然、ギャグっぽくなるところも魅力のマンガで

それを映像で表現してしまうとそれこそギャグになってしまう

という廣木監督の考えのもと

あくまで大人の色香を前編に鏤めながら

名セリフを抽出し、その人となりがにじみ出る部屋の

色合いなどを美術さんにオーダーして

こだわりを部屋を作り上げたそうな。


だからあんなにトヨエツ演じる52才まで独身だった

男の部屋は殺風景で、この男が結婚に囚われず

生きて来たというのが想像出来るんですよね。


そのシーンの意味を表現するのに色にこだわる監督って

フランスを始めとする海外の監督は当たり前なのだけど

日本の監督には多くなく。


だから廣木監督と次の日の土曜日に初日舞台挨拶で

ずっと回った

「さよなら歌舞伎町」

も染谷将太くんと前田敦子ちゃん演じる

倦怠期のカップルが同棲する部屋の中にも目が行く。


部屋の中は、歌手デビューを夢見るあっちゃん演じる

ヒロインのギターなどが並び

染谷くん演じる主人公のものがあまりないのは

彼が彼女の尻に敷かれている的な

肩身の狭い生活を送っていることを意味しているわけ。



主人公の青年が彼女に秘密で仕事をしているのは

ラブホテルの雇われ店長。


夢は一流ホテルに務めることだったのだから

それこそメジャーデビューを夢見続け

曲作りや、レコード会社のプロデューサーと

話がつき始めている彼女には言えない。


細部の美術を見ているだけでも

登場人物の性格や立場が見えて来るのが

廣木マジック。


とにかく登場人物ひとりひとりへのこだわりが

尋常じゃない!


だから、染谷くんもあっちゃんも

「廣木監督と仕事がしたい!!!」で2週間しか

撮影期間が無い映画にも出たわけです。





そして今日。


親しくしている呉美保監督さんと

映画「そこのみにて光輝く」

多くの映画賞受賞祝い&妊娠祝いを

映画コラムを連載してる六本木のレストラン

「CROSS TOKYO」

のオーナー井上さんがしてくれるというので

2人でご馳走になって来ました。







妊婦への食をテーマに

シェフがこだわって用意してくれた

お任せコースは目にも舌にも幸せを与えてくれました!


美保監督さんの新作も初夏公開。


「そこのみにて光輝く」は

彼女の代表作に間違いなくなった作品。


私の中では

「金髪の草原」「ジョゼと虎と魚たち」で

注目された池脇千鶴嬢の女優としての底力を再認識。


そして

今や映画やドラマに引っ張りだこな菅田将暉くんの

脇でしっかり主演を輝かせつつ、存在感もしっかり残す

器用なまでの演技力が特に惹き付けられ。


「こんなに賞を頂けて、いいのかな」


と美保監督さんは口にしていたけれど

いやいや

メジャー映画だけじゃなく

しっかりミニシアター系の映画をチェックしていたら

この結果は、当然と言う人が多いと

うん、思うもの。


新作

「きみはいい子」

楽しみ。


司会、したいな。


産後復帰一作目として!



では明日は

ジョニデの来日


「チャーリー・モルデカイ」

会見&レッドカーペット司会で。

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