娘が『ハリー・ポッター』の面白さに気付いてくれたので

家にあるDVDを見せているのですが

「死の秘宝」が見当たらず

昨日、『ゴーストバスターズ2』のDVDを借りるついでに

SHIBUYA TSUTAYAへ行きました。


すっかり店舗も減ってしまい

25年は続いた店内放送の映画紹介番組も今年
幕を閉じ

近くで借りられる店舗はここしかなく。


久しぶりに足を踏み入れると

そこにはVHSもずらりも並んでいました。


そうだ、今の若者や娘はこの存在を知らないのだ。


私は映画館とレンタル店が行きつけの10代、20代だったので

VHSの棚を見るのが好きでたまらなかった。


まだ会ったことがない未知の世界の扉のようで

そのジャケットを眺めながら

借りる作品を選ぶのが楽しみでした。


映画公開時とは違うメインビジュアルになっていたり

未公開作品をジャンル別に探せる喜び。


手に取ることでご挨拶程度に出会え、

今の気分とマッチングするか後ろのあらすじを読んで考える。


ここも居場所であり、時間を気にせず

瞬時に異世界へ思考回路がワープ出来る特別な空間。


配信で見ることが出来ない旧作も多々あり、

DVD化していないものなど

宙ぶらりんになった権利をVHSで「ここに居ます!」と言うように

カルトな重鎮たちが存在しておりました。


新しいものに飛びつく心理は分からないでもない。


古いものを懐かしがりたがる心理もよく分かる。


だけど

私は、先輩も後輩も、ベテランも新人とも出逢いたいし

マニアックな方から流行りの方、マイペースな方まで

仕事を続けている限り、話を聞きたいし、見ていきたい。


そうすることで自分の中の世界観が広がっていくから。


そして娘には先人の存在も知って欲しいし

旧作との出会いも味わって欲しいし

大人とも同世代とも年下とも話せる人、耳を傾ける人になって欲しい。


映画を通して人を怖がらず、仲良しだけで集まらず

色んな声を聞いて出会って接して欲しいと

VHSさんたちと再会して気付かされましたわ。



人というものは

幼い頃から自然と思い込みを身につけてしまう。


女の人はスカート、男の人はズボン


という感じで絵を描かせると大体、そう書いてしまう。


だって、私はスカートをここ一年ほぼはいていないし

はいたとしても3ヶ月に一度、しかもロングなのに

「ママをねんどでつくった」

とスカートをはいた女性を作ったんだから。


実に興味深い、

だって一番身近な存在なのに、目の前の私を見ていない。


これはあくまでも彼女が「ママ」という型から

作り出したものなのだろうけど

それでも私の特徴も捉えていない面白さ。


けれど人の心理ってその通り。


近くなればなるほど相手を知った気になり

知り合ってから見直したりしないし

遠くから見ている方が相手に興味を持つし

尊敬も生まれるのに、

気がしれてしまうと小さな成長に気付きづらい。


この人はこんな人、という当初のままの思い込みも多い。


好きなのに。


だから意識的に気にかけていかなきゃ、な。










『ディア・エヴァン・ハンセン』


映画人っぽい感想を言えば

センシティブなテーマを描く上で

細部まで気を配り

若者から大人、子どもから親まで

共感してしまう多角的な視点で

人の弱さや優しさが、思わぬことで掛け違いを起こすこと

けれど誰もが一生懸命生きていることを描いた

脚本の秀逸さに圧巻だった。


さらに役者の伸びやかな歌声や

歌い出しただけで突然魅力を放つ

主演のベン・プラットの才能がスクリーンから伝わり

歌声で誰かを勇気づける力を持っている人であり

今後も注目したいと思った全感情を映画を観ながら味わってしまった傑作でした。


しかも、自殺した少年との関係を頭の中で探究しながら

それぞれが自分と向き合う物語であり

自殺シーンはいっさい入れず、ラストにはしっかりと

「悩んでいるならば近隣のサイトに相談を」

という注意書きまである素晴らしさ。


観るならば音響の整った映画館がおすすめ

と私からは付け加えたところで、、、



ここからは

ひとりの人間として

ひとりの親として書き綴ります。


願いを想像するのが得意で

それについては驚くほど饒舌になるエヴァン。


それこそ他人には真似出来ないことで

ライターや小説家になる才能を秘めている。


歌詞を作るのだって出来るかも。


他人と上手く話せなくたってなれるような職業。


友達なんて無理に作らなくたって

皆と仲良くしなくたって

時々、悩みを話せる人がひとりくらい居たら大丈夫だったりする。


私はそんな人物でいられただろうか?


あの子や彼を思い出して聞きたくなったけどそれもエゴだし

もう会えないところにいる。


私はこのままいったらジュリアン・ムーア演じるエヴァンの母親みたいに

なっていく気がして、彼女の言葉や彼女の態度、

彼女が息子に伝える歌を泣きながら聞いた。


誰かに頼るのも嫌、貧乏と思われるのも嫌

だから子どもの未来の為に一生懸命働く。


それを子どもにいつか気付かれたら

きっと娘はエヴァンのような行動に出るかもしれない。


想像力のすごさも、考えすぎるのも、じっとしてられないのも

感情が爆発するのも、全部、私にはすごい才能に思える。


私は、鈍感力だけは身に付けているし

人の長所を見つけるのだけは多分得意。


だから受け止めるくらいはきっと出来る気がする。


あとは自分に忘れないように、


ディア・サトリ


ほんのちょっとでも話を聞いてあげられる時間と

精神的なゆとりを待ち合わせられる人になりたい。












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