男役と同じく唯一無二の存在
〝娘役〟
宝塚の象徴〝男役〟の隣にいる〝娘役〟

一番心掛けていたことそれは…
相手への思いやり

私は不器用な人間で、、、
歌、踊り、芝居において特化して出来るものがない事が下級生からコンプレックスでした。

もちろんレッスンを重ね、少しでも技術の向上を目指していましたが、元からバレリーナの人、良い声質を持った人に追いつくには、かなりの時間が必要です。

実力がないから相手役さんの足を引っ張ってしまう…。

そんな事ばかりを下級生時代は考えていました。

でも、そんな私の考えを今まで組んだ数々の男役さんが変えてくれました。

もちろん、実力があるに越したことはない。
でも、大切なのは素直なこころ。

私は実力でサポート出来る娘役にはなれないと思いましたが、その分気持ちの面で男役さんに寄り添いサポート出来るようになりたいと思いました。

アドバイス頂いた事はどんな事も素直に聞く。
その事が自分が出来ているか考える。
相手役さんとのコミュニケーションをとり、やりにくい所はないか話し合う。
少しでも男役さんが演じやすいよう、感情を入れやすいよう真っ直ぐな心で向き合う。

でもこれは初めから出来ていたわけではありません。

私も失敗をしながら、学んでいきました。

まだ新人公演をしているの学年の時、自分自身にいっぱいいっぱいで、相手役さんの話が素直に聞けず、相手役さんとの気持ちが離れてしまい、
お互いがギクシャクしてしまった時がありました。

その時…気づきました。

私が自分に必死で自分本位で動いてしまっては、相手役さんは凄く凄く凄くやりにくいはずだ!!
相手役さんが気持ちよく過ごせる環境にする為には今の私じゃダメだ‼️‼️
なんとかして変えなければ。

でもギクシャクし、絡まった糸をどう解くのか。。。

そこで真っ先に感じたのは素直な心
素直に謝り、話せばきっと大丈夫。
そう思い、勇気を出して話しました。

すると…絡まった糸は解けました😌

この出来事をきっかけに、どんな時も真っ直ぐな心で向き合えば必ずお互いにとっていい環境、空気になると気付きました。

そうすると、芝居でも自然と素直な気持ちで動けるようになりました。

心の奥底から相手役さんを、愛し、素敵だと思い、そして感謝する…。
男役さんがいるから、輝ける私がいる。
感謝の気持ちが溢れ出て、それが自然な表情を導いてくれたと思いました。

男役さんを立てる

よく聞く言葉ですが、私はこの言葉を

男役さんを尊敬する

だと思って娘役をしてきました。

男役さんの苦労は計り知れません。
なった事のない〝男性〟を演じなければならない。それも、世の女性を虜にする〝男性〟
なった事のない役を演じるだけでなく、その前に〝男性〟を演じなくてはならない。

その苦労を考えていると、まず女性であり娘役を演じるとは何かが見えてきました。

女性である男役さんに、いかに可愛い、愛おしいと思ってもらえるか

男役さんのファンの方に、いかに心地よく見て頂くか

この2つをとても大切に思って、それはどうすれば表現できるかを考えていました。

それはやはり素直な心

その心を大切にどんな相手役さんにも、真摯に向き合い、何があっても付いて行きました。

退団公演が始まるまでは、自分の娘役精神が正しかったのか分かりませんでしたが…退団を決め色んな相手役さんに

〝わかばと組めてよかった〟

というお言葉を頂いたり、男役さんのファンの方から〝お2人の並びが好きでした〟といったお手紙を頂いたりした時に

今までの娘役精神で良かったんだ。

組んだ相手役さんに愛され、ファンの方に愛される娘役になりたい。

その理想が現実となった気がして、、、
本当に本当に嬉しかったです。

私1人では現実しなかった理想。

今まで不器用な私に沢山の声を掛けてくださった相手役の方々

わかばちゃんの娘役が好きです
と言ってくださった方々

そんなお一人お一人の力のおかげで
娘役 早乙女わかば
が完成し、悔いなく卒業することが出来ました。

そして今、退団して一年を過ぎても、
娘役 早乙女わかばとしての生き方を聞いてくださる方々がいる事は、本当に嬉しいです。

宝塚で学んだ素直な心

どんなに環境が変わっても大切にして行きたいです。

🍀わかば🍀