明日、5月29日(金)にGRISEDGEさんからドラマCD『魔彼〜魔は来たりて彼を堕とす〜 第四巻』が発売されます。
とうとう最終巻ですよ!

約半年の間、この作品のBGMを担当させて頂きました。

この作品、とても気に入っておりまして…本当に素敵なシナリオと声優さんの演技で、楽曲もどんどんイメージが沸くので、すごく作りやすかったんです。

BGMも我ながら改心の出来と思える楽曲が何曲も入っていますので、是非お聴き頂きたい作品です。

やっぱりファンタジー系BGM作るのが一番得意だぜよ…

『魔彼』、今後の展開もあったらすごく嬉しいですね。

去年の夏くらいから製作が進行したんですが、今年になってから作曲環境を徹底的に変えたので、『あ〜!今ならあの曲、もっと良く出来るのに!!』て言う想いも色々あってですね…
(もちろん、作った時はどれも全力なんですが)

『この曲、ギターベースを生演奏で入れたらカッコ良くなるだろうなぁ』って言う曲もあるし、ほんと、色々リアレンジしたい曲がいっぱいで…(´ `)

以下、全19曲所感です。

【M-1 バトル】

ベリアルとシドナイが古龍と戦うシーンで流れる曲。これは魔彼シリーズ唯一のクロちゃん曲で、クロちゃんのデモ音源をぢるが編集・編曲しています。

普段は編曲も全部わたしがやるんですが、『NOAH』の製作と同時進行だったので、物量が多すぎて編曲まで出来なかった…。

【M-2 魔力注入】

ベリアルが魔力でシドナイを治癒するシーン等で使われる曲です。この曲はスレイブコアを出すようなイメージで作ってます。

曲の冒頭は眷属契約の幻想的な雰囲気(状況・場面に対して曲を付けてる)

中盤はお互いの気持ちを表現した切なさ(人物の気持ちに対して曲を付けてる)

最後はスレイブコアを出して永久の誓いの雰囲気を出して終わり(状況・場面に対して曲を付けてる)

こういう構成です。

余談ですが・・・

作曲が出来るのと、劇伴を作るのは完全に別のスキルなんですけど、ほとんどのインディーズミュージシャンは通常、自分の得意な物、自分の作りたい物だけを作っているので、表現の引き出しがかなり狭いことが多いです。

なので、ドラマCDやゲームに数十曲も詰め込むと全部同じ曲になってしまって、作品の緩急を表現出来なかったり。
どのドラマCDやゲームでも似た曲調になっていて、その作品の特色が出ていなかったり。
(人気がある作曲家さんだと、それが味になってユーザーさんにウケてもらえるので逆に武器になってくるのですが)

最低、『1つのお題』に対して

『主役目線なのか/第三者目線(視聴者目線)なのか』
『人物の気持ちを表現してるのか(内的表現)/状況・場面に対して曲を付けてるのか(外的表現)』

この4つ位のアプローチが出来ないと、ゲーム音楽を作るのは難しいだろうな…と個人的に感じています。
この4つ分出せれば、絶対にそのうちのどれかが『本来、製作者さんが望んでいたBGM』に当てはまっているはずなので。

ほとんどの人が『1つのお題に対して方向性の違う4つの曲を揃える』と言うこと自体が結構出来なかったりするので、一度BGMにボツが出てしまうと、もうそのお題に合った曲が作れない人が多いんです…
作ったとしても、初回よりクオリティが劣化してしまう→いつまでもボツを出してメーカーチェックが通らない→締め切りオーバーとか、ほんとよく見る現象で…

この課題をクリア出来る人なら、誰でも劇伴は作れると思う。
でも、ほとんどの人はここでギブアップして投げ出しちゃう。

私も兼業農家で音楽のプロじゃないので偉そうな事言えないんですけど、『何に対して音楽をつけてるのか』が重要だと、最近よく思います。

【M-3 パンデモニウム】

高貴な魔族たちが住む荘厳なお城を表現した曲。
自分で作っておいて何ですが、コレめっちゃ気に入ってますwww力作www

ベリアルの出演シーン等で流れるので、個人的にはベリアルのテーマソングをイメージして作りました。
鬼畜メガネ顔。インテリ。軍服。

ベースラインを凝って作ってありまする。
めちゃベースライン気に入っておりまする。

後半のピアノの『デッデッ デッ デデデッ』って始まるフレーズからピアノに絡むベースが力作。

機会があればアレンジしたいなぁ…(´・ω・`)魔彼でいちばんお気に入りの曲です。

【M-4 微妙な空気】

ピアノ+ヴァイオリンがメイン。
シドナイとベリアルがお互いを根底で思い合っていつつも、距離感があって…と言うシーン等で流れる曲です。

しんみりさせた方がいいシーンでもあるんですが、どうしても台本読みながら作ってると感情移入し過ぎて自分の気分が盛り上がってしまうので、中盤で一瞬、感動超大作みたいな曲の展開をしてしまった…
んですが、CD聴いたら雰囲気に合ってたので良かった(´・ω・`)だってシナリオ感動するんだもの…

【M-5 胸の痛み】

ベリアルの回想シーン等々で流れる曲。
『変化』や『気付き』をイメージした、空間系の曲です。
あまり引き付けるメロディとかは入れてなくて、ドラム中心のミニマム系の楽曲ですが、結構気に入ってます。

時々、小さくシュワシュワ言ってる効果音が入るのは、タイトルのごとく『胸のモヤモヤが込み上げては消えるイメージ』を表現しています。

【M-6 怒りともどかしさ】

モレク等、作中で悪者が登場するとだいたい流れるBGMw
シタールやフレームドラムなどを使った、エキゾチックなリズムを使ったちょっと中東の香り。

パンデモニウムを『西洋風+妖艶』に作ってるので、こっちはエキゾチックにしてみました。
方向性を少し変えた魔性の人々の表現。

ドラマCDなので、あまり声を邪魔する要素は入れてないんですが、この曲もリアレンジしたら面白そう。

【M-7 キス】

ハープがメインの曲。
3/4拍子。

幼少期にピアノをやっていた人だと、多分3/4を作るのが得意だと思うんですけど、自分自身も3/4だと寝ていても作れるのもあって、逆に勉強にならないので普段はあまり曲数を作らないようにしてるかな…なんですが、作中全部4/4でも変化がないので。

重厚で厚みのある曲が全体的に多いので、これは少しラフに作りました。
作中、たぶん出現回数がかなり多い曲。

【M-8 告白】

ベリアルの告白シーンで流れる、ピアノ曲。

『告白』ってタイトルで指定来てるのに、切なすぎてゴメンなさい…
でもヒョイと告白してヒョイとメデタシになってる訳ではなくて、色々な葛藤があってのコレなもんで…

台本読みながら場面に合うように作ってるので、曲作りながら自分で何度も実際に声に出してみて台本読むんですけど、真夜中に『(頬に触られ)っ!!…触るな…!!』とか言いながら作ってるので、世の中に背後霊とか守護霊とかはあまり居て欲しくないなぁといつも思う。
うちのエロゲ並んでる棚とか見てるんだろうか。

低音のコントラバスからヴァイオリンが絡んでく部分などが気に入ってます。

【M-9 ラブシーン】

ラブシーンらしくオルゴールから始まるよ!
でも甘さ全開と言うよりは、やっぱり切ないよね!

『魔彼 第一巻』のBGMを全部作り終わった時点で『いかにも!って言う感じの、解りやすい甘い曲が入って無いな…マズイかな…』と思ったりもしたんですが、ユーザーさんからのレビューがかなり良かったのがメーカーさんにも届いていたので、ほんまにユーザーさんにはありがたく…(´;ω;`)

自分なりの『魔彼』の解釈が受け入れられて、本当に良かったなぁと。。。

オルゴールからハープなどがジワジワ入ってきて、中盤で感動系のめっちゃ切ないピアノがバーン!!って入って来るんですが、ここは『いよいよ結ばれた』と言う表現のバーン!!です。

バーン!!

曲の最後の方でひとつずつ楽器が不在になって、静かに、ゆっくりになっていくのは永久のイメージです。

永久と言うか、『2人の世界だから、ほっとこう』的な感じでしょうか。
エンドクレジットが流れて、カメラが引くようなイメージ。

これもリアレンジしたいなぁ…。

【M-10 甘い遊戯】

ドラマCDのタイトルコールで流れる、メインテーマ扱いの曲です。

一番最初に作った曲です。
イラストがすごく早く上がっていたので、『魔彼』のホームページのトップにあるたかむらさんの絵からイメージを起こして作りました。

本来はメインテーマではなくラブシーン用の曲指定だったんですが、勝手にメインテーマをイメージして作ってしまったと言う…

そして誰にも『実は魔彼のメインテーマのつもりで作った』なんて言っていないのに、ちゃんとタイトルコールにこの曲が来ていたあたり、音監さん恐ろしい…言わないで伝わっている…プロって恐ろしい…

【M-11 妖艶な医者】

マモンのテーマソング!!
これはマモンの妖艶で、謎めいたイメージをうまく表現出来たと思います。メインはフルート。

序盤はマモンのキャラクター自体のイメージ(内的)で、中盤は霧深いロンドンの街をマモンが詰襟立てて歩くようなイメージ(外的)。

ロンドンって曇りや雨の日ばっかりらしいので、その辺を表現出来たらなーと。

【M-12 契約】

蓮見兄弟とマモンのシーン、ルシファーの登場シーン等で流れる曲。

倫やルシファーなど、長くは生きないはずだった細い命が静かに、ゆっくりとではあるが確実に、紡がれて行くような感じ。
ピュアな雰囲気を出したかったので、不安定な、水滴が落ちるようなピアノを使いました。

この曲の後半は、彼らが眷属契約するイメージ。
ベルやシドの時とはまたちょっと曲の表現が変わってきます。

【M-13 治療】

オルゴールがメインの3/4。
理人の、倫に対する気持ちを表現した曲。
マモンの不思議な力もイメージしつつ。

第二巻にメインに使われる楽曲に関しては、蓮見兄弟の若さと言うか、ショタさを出すために高音の楽器が多い。

【M-14 くせもの】

『くせもの』って言う曲タイトル…

ある日、魔界に落ちてきた太一をイメージした曲。
太一のトボケた雰囲気を出しつつも、あまりコミカルにならないように配慮しました。

太一は魔族ではなく人間なので、どういう風な曲を作ろうか迷ったんですけど、異界である魔界に落ちてきた雰囲気も出したかったので…コミカルな主メロにして、その裏に定期的に幻想的な音&フレーズを入れたりしてみました。

ときどき聞こえる金属系の音はL(左)とR(右)で回って聞こえるようにしてあるんですけど、これはルシファーの周囲でまとわりつく太一感を出せたらいいかなと思って左右に振ってみました。

【M-15 日常】

太一とルシファーの日常。

序盤はアコギメイン。
中盤はフルート、ハープシコード。とか。

これ、『何気なく繰り返される日常』を表現していて、同じフレーズを色々な楽器がどんどん弾いていく構成なんですけど、序盤のアコギはのんびりしていて『お昼』、そこから楽器がちょっとずつすり替わって行って、ハープシコードあたりで静かになってきて『夜』と言う表現なんす。

【M-16 愛情】

魔彼に収録して頂いたピアノ曲の中では最高の出来かと(`・ω・´)!!

第三巻の、いちばん大事な大事なシーンで流れるので、何度も何度も台本読んで、そのシーンとタイミング合うようにしました。
本当に良いシーンなので、目の前にその情景が浮かぶように作れてたらいいな。

甘さ全開にしてますが、甘い曲ってどうしても子供っぽくなってしまうので、定期的には切ないフレーズをパンチインさせてみたり。

その辺のさじ加減がとてもうまく行ったと思ってます。

【M-17 天馬の力1】

第四巻はバトルシーンが多いですが、ベルシドと対極にした方がいいかなと思って、敢えて天馬が戦うシーンは『静』で行こうと思いました。
天馬のキャラクターイメージも、結構おっとりしてるので。

和太鼓と尺八、琴しか使ってないです。
和楽器ベンドさせるの楽しす!

まだ四巻聴いてないので、どんな感じになっているかドキドキす。

【M-18 天馬の力2】

天馬の力をブエルに注ぐシーンで使われます。
不可思議な感じを表現した、和風の曲。

台本読んで、あまり声優さんの邪魔をしたくないシーンだったので、基本的には静かな空間系の曲で統一してますが、中盤に一瞬、琴ソロがあるあたりが気に入ってます。

【M-19 ラブシーン】

天馬とブエルが結ばれる最終シーンで使われます。
この曲も『M-16 愛情』くらい気に入っています。

回を重ねるごとに、『魔彼』の世界観を表現するスキルがどんどん身に付いて来たと思ってるので、余計、4巻で終わってしまうのがさみしい(苦笑)

琴や三味線などの和風進行で天馬とブエルの関係を盛り上げて行きますが、最終曲と言うことで『魔彼シリーズの最後を締めくくる曲』だと思ったので、後半は和風の進行を徐々に解決して、ヴァイオリンやストリングスフィルで普通のオーケストラに戻しました。

第四巻は天馬とブエルの物語だけど、ベルシド、マモンや蓮見兄弟、太一・ルシファーの事も思い浮かべて作ったアウトロです。

以上、19曲!

第一巻〜第四巻まで、同じ店舗さんで購入すると『第五巻』がもらえます。

おなしゃす!!

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