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平成29年9月21日に一橋講堂で実施された第4回都民講座「ここまで知れば大丈夫―インフルエンザとパンデミック」(有隣病院院長 工藤宏一郎氏)の講演をもとにお話しします。

インフルエンザとかぜ

それでは、インフルエンザとかぜは何が違うのでしょうか?

まず、病原がインフルエンザはインフルエンザウイルスによって発症しますが、かぜはライノ、アデノ、RS、コロナ、エコウイルスなど様々なウイルスの種類があります。

かぜは比較的ゆっくりと発症して、症状も鼻やのどなど局所的なのに対して、インフルエンザは急激に発症して咳、のどの痛み、鼻水などの局所的な症状に加えて関節痛や筋肉痛、強い倦怠感などの強い全身症状を伴うのが特徴です。

インフルエンザが辛い、とよく言われるのはこれらの全身症状によるものが大きいでしょう。

インフルエンザの病態

インフルエンザで心配されるのが、様々な合併症や基礎疾患の悪化です。

インフルエンザにかかると子供では急性脳症、高齢者では肺炎を伴うなど、重症化してしまうことがあります。

喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のような慢性気道性疾患がある場合、重症肺炎になりやすい傾向があるので注意が必要です。

また、免疫低下疾患の場合はウイルスの増加につながりやすく、糖尿病、心臓病、腎臓病、妊婦などの場合はウイルスが排除されにくいため、基礎疾患が悪化してしまうことがあります。

これまでのインフルエンザパンデミック

それでは、インフルエンザでパンデミックはどのようにして起こるのでしょうか。

これまでの事例から考えてみたいと思います

インフルエンザのパンデミックで、直近のものでは2009年に北アメリカで発生した新型インフルエンザ(H1N1pdm09)が挙げられますが、これは豚を起源とするH1N1の亜型です。

これは日本でも大きな話題となり、累積で198人の方が亡くなりました。

このうち、138人の方が基礎疾患を持っていたことから、やはり基礎疾患がある場合はインフルエンザにより注意を払う必要があると言えます。

この新型インフルエンザは、メキシコで特に多くの感染・死亡患者がみられました。

その理由として挙げられるのは、重症肺炎患者が新型インフルエンザウイルス感染であることがわからず、政府の準備と対応が遅れたことが挙げられます。

インフルエンザ感染であるという認識がなかったことから早期受診行動の意識が欠如し、抗インフルエンザウイルス薬投薬までの日数が平均6.83日と非常に長く、症状の悪化と感染の拡大を招いてしまったと指摘されています。

また、テレビが主な情報源であったにも関わらず、電気の普及が遅れていたためインフルエンザについての情報と注意喚起が行き渡らなかったことも大きな一因と考えられます。

このことから、インフルエンザの流行拡大、患者の重症度には、経済的背景、患者受診行動の影響、医療制度など、様々な要素が大きく関与していると言えるでしょう。

将来のインフルエンザパンデミックへの対策

将来のパンデミックを防ぐためには、医学的対応、政策的対応、個々の人々の対応など様々な視点からの対策が必要になります。

医学的対応としては、過去の経験から学ぶ、抗インフルエンザ薬の開発、ワクチン、診療体制の整備などが挙げられます。

そして、個々の人々が知っておきたい対応として、工藤氏は以下を挙げています。

① 発生時にパニックにならない

② 適正な情報の収集と選択

③ 接種可能になったらワクチンを接種

④ 予防には、手指衛生、マスク

⑤ 感染が疑われたら(急激な発熱)、医療機関を迅速に受診(受診には、医療機関や自治体の指示に従う)

⑥ 他のヒトには移さない行動 (学校や仕事を休む、人込みを避ける、咳エチケット等)

これから寒くなると、インフルエンザの流行が懸念されます。

パンデミックを防ぐためにも、一人一人が日頃の体調管理に気を付けて予防するとともに、感染したらすぐに受診する、他のヒトにはうつさないように留意することが大切です!


(引用終わり)