1年で最も体調管理が難しい季節がやってきた。寒い冬はインフルエンザや風邪だけでなく、「ヒートショック」と呼ばれる脳疾患、心疾患のリスクとも隣り合わせだけに、さまざまな健康対策が実践されている。でも、もしかしたらその習慣は逆効果かもしれない。

_var_mobile_Media_DCIM_107APPLE_IMG_7425.JPG

「ゆっくり温まる」は危険かも。

 例えば、底冷えのする日はお風呂でゆっくり温まりたいが、入浴時には危険も多い。
近年、広く知られるようになってきたのが「ヒートショック」だ。
冷えた体で熱い湯に入ると、急激な寒暖差で血圧が急上昇し、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを高める。

 そのため「40度前後のぬるいお湯にじっくり浸かる」というのが常識になっているが、これが思わぬ不調の引き金になりかねない。

東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身医師が説明する。

「ぬるいお湯でも長時間入り続けていると、肌を潤し乾燥を防ぐ皮脂が流れ落ちてしまう。もともと皮膚が乾燥している高齢者はその傾向が強く、その後に体をゴシゴシ洗ったりすれば、体中に赤みやかゆみが生じる『老人性乾皮症』を発症しやすい。

11月から3月にかけて患者が増える傾向にあり、注意が必要です。

湯船に浸かるのは5分~10分程度で十分です」

 よく温まろうとして、「湯船に肩まで浸かる」のも要注意だ。

冬の入浴は心臓への負担となりますが、肩まで浸かればそのリスクは高まる。

九州大学の研究などによれば、水圧で横隔膜が押し上げられて心臓への『静脈還流が増量し、心機能への負担が大きくなるとされています。

肩まで浸かる必要はなく、半身浴が望ましいでしょう(同前)


冷え性対策として、「靴下を履いて就寝する」人もいるだろう。

しかしこれはかえって睡眠の質を低下させる原因となりかねない。

「深い睡眠を得るため、人体は手足から熱を放出し、体温を下げて代謝を低下させます。

しかし靴下を履いていると放熱が妨げられ、自然と眠りが浅くなってしまう。

このような『睡眠負債』の蓄積は、がんや認知症など様々な疾患リスクを高めることが分かっています」(同前)

 また、冬の時期の健康習慣「乾布摩擦」も「健康に良いという医学的なエビデンスは全くない」(医師・ジャーナリストの森田豊氏)という。

「効果が認められないだけではなく、やり過ぎると皮膚の皮脂や角質をとってしまって老人性乾皮症を招く可能性がある。

 また、冬の早朝のウオーキングも逆効果。

起床後1~2時間は血圧が上がりやすく、医療関係者の間では脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる"魔の時間"と呼ばれている。

寒い中、そのタイミングで運動するのは高齢者にとって自殺行為です!」


(引用終わり)