人工的に作られる肉の話を紹介する記事を紹介します。
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食の安全はどうやって守るのか。

食品業界は安全・安心を訴える一方で儲けを優先させれば、人工的に肉をつくることもできる。

廃棄処分するはずの肉を横流しで販売を行う時代では、ありえないはなしではない。
食の安全は自身で守るしかない。
「おいしそうなハンバーグやソーセージに男は手を付けようとしなかった…」
「なぜ食べないんですか?」「雑巾だからです」。食品業界の暗部を描いた相場英雄さんの小説「震える牛」にこんなやりとりがある

▼男は食肉加工会社の元工場管理責任者。目の前のハンバーグなどは同社の製品だった。老廃牛のくず肉や内臓、血液を「マジックブレンダー」という独自の装置でひき肉にし、大豆かすから作った"代用肉"と多量の水を加えて増量。さまざまな添加物や化学薬品で本物らしい味を付ければ出来上がりだ

▼社員が「雑巾」「工業製品」と呼んで決して口にしない代物を、同社は「100%ビーフ」と表示して出荷。安売りスーパーや飲食店に格安で卸してぼろもうけする-という設定だ

▼もうけのために食の安全を無視した悪徳商法が現実にもあった。「雑巾」にも匹敵する、異物混入の疑いのある「廃棄物」と聞けばぞっとする

▼有名カレーチェーンから冷凍カツの処分を委託された業者が横流しし、店頭に並んでいた。他にも多くの廃棄食品を売りさばいていた疑惑も。処理費用をもらった上、食品と偽り転売してもうける。言語道断のマジックだ

▼背景には安売り競争の激化もあろう。小説の会社社長は「半額セールをやると飛び付く連中が味なんか分かるわけがない」と言い放つ。つい安さに目が向くが、安全にも目配りできる消費者でありたい。

=2016/01/22付 西日本新聞朝刊=