自由な社会と資本主義は、アダムスミスが言った「神の手」が働いて自動的にうまくいくと今でもほぼそのように考えられているけれど、貧富の差が開いたり、まじめに働いていても金融危機など全く関係ないことで解雇されたりする社会でもある。


そう、お金は人生にとって大したことは無いとは言っても、やはりお金はお金である。

でも、やはり人生にとってもっと大切なものの一つは「健康」だろう。

その健康までもお金に翻弄されている。


一番、危惧されているのは、たとえば高血圧で、血圧の「基準」というのを10下げると降圧剤が4000億円ほど余計に売れると言われている。

だから少しずつ血圧の基準が下がってきた。

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私の若い時代は、正常血圧=年齢+90 だった。

だから70歳の人は160が「正常血圧」になる。

ところが、いつの間にか(高血圧の研究が進んでというのが正しい)年齢とは関係なくなり、150,140,130と減ってきて、2014年に血圧騒動が起こったときには「至適血圧」は120まで下がっていた。


血圧の問題は別の機会に整理をするけれど、お年を召した方で血管がやや硬化している場合、120まで下げると「毎日、ぼーっとしていて、ただ生きているだけ」という状態になる場合もある。

だからといって犯罪としては取り締まられることはない。

もともと刑法はそんな複雑な仕組みを想定していないし、警察は乱暴な犯罪に追われているから、そんなこと医師の方でやってくれということになる。


時々、「降圧剤の効用についての論文に作為があった」というような事件が大々的に報じられる。

もちろん「降圧剤を使ったら、こんなに効果があった」という論文が続くと、その薬の販売量は増えるだろうから、いかがわしい研究者が製薬会社からお金をもらって書くことも、人間だからあるだろう。

でも、それも氷山の一角であり、今の貧弱な刑法では太刀打ちはできない。


血圧ほどはっきりしていなくても、次回に整理する「植物油」問題がある。

なかなか巧みで、まず肉食が主体の欧米の病気の例を大々的に報道し、それに数ある動物実験のなかで都合の良いものを取り出して、これもマスコミに宣伝させる。


それが第一段階で、日本人にはあり得ないような高いコレステロールの患者さんを示して、「コレステロールは悪だ」という宣伝を繰り返す。

それが10年も続くと、日本人の多くが「コレステロールは悪だ。

動物性脂肪をとらない方が良い」ということになり、さらにテレビが「さらさらサラダ」などという番組をやり、日本だけで販売されている「サラダ油」というものが売れる。


ところが、植物油だから健康に良いなどというほど単純ではない。

もともと毒性が強く食用に向かない菜種油のようなものがあるのは昔から知られている。

ただ、食物の歴史をみんなが知っているわけでもないので、主婦はテレビで言っているとおりを信じて、植物油信仰が固定する。


これも犯罪になりにくい。

悪い植物油を食べても、せいぜい不妊、性欲減退、神経症などになるが、急性の病気で死ぬわけでもないし、ある人に子供ができなくても、それをその人がそれまでに食べた食材との因果関係を証明するのは不可能である。

そこで、このシリーズでは「刑法でも、社会的にも糾弾されることはないけれど、食材や食品加工などで危険なものを、「純学問的」に整理」して少しでも毎日の食生活が安全になるように考えていきたいと思う。


「これを食べれば」というものではなく、「こう考えるとより安全になる」と言うことなので、ややまどろっこしいと思うけれど、現代のお金本位の社会で、安全な食生活を送ろうとすればどうしても知らなければならないことを示したいと思う。


(引用終わり)