ある画家の僕物語11





公募展に出すと決めたのはいくつか理由があったが、その一つが好きな写実作家の多くがその公募展に出品していたからだ。





残念ながら憧れていた多くの写実の先輩作家達は、公募展からは姿を消してしまっている。


理由に関してはそのうち描くこともあるかもしれないが、僕個人の率直な感情としては残念だけど理解できるといったところだ。


大学でプロになる方法が学べない以上、プロになるための道筋は自分で見つけるほかない。


ある程度日本の美術市場で経験を積んだ今だったら色々と方法も思いついくが、当時の何の経験も無い僕が出来ることといったら、下手な鉄砲を数打つしかなしかなかったのだ。


その一発目が公募展に出品する事だったのだが、幸運にもその一発目は的をかすめる事になった。


下手なりに最低限のセンスはあったらしい…笑





奨学金の給付を受け、何とか六本木大学夜間部を卒業出来た僕は、初出品の公募展出品作の制作に取り掛かる。


当時はパネルから全て自作していたので、結局描き始められたのは10月のムサビの芸術祭が終わってからだったと記憶している。(余談だが、ムサビの芸術祭はめちゃくちゃ面白い。そのうちオンラインサロンでも芸祭巡り企画したいですね⤴️ )秋の高い空の下、80号の自作パネルをムサビから電車を乗り継ぎ自宅まで担いで運んで帰ったのは実に懐かしい記憶だ。


当時は常に金欠で、運送会社を使うなどという考えははなから頭の端にも無かったのだ。





何とか自宅アトリエに運び込まれた80号は異様に巨大に感じられた。


普段天井の高い専門的なアトリエで見る80号と6畳一間のアトリエで見る80号、驚く程に見え方が違ったのは、自分にとって初めて大学外の評価に身を晒す事への恐れもあったのかもしれない。





年明けの公募展の〆切までの挑戦がいよいよ始まるのだ。




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充実した一日をありがとうございました⤴️😊‼️
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ライブペインティング後記


 「久しぶりにライブペインティングやりませんか?」 

そう言われたのは世間が10連休を目前ににわかに騒がしくなり始めた頃のこと。

マネージャーの提案の中に



「いつ、どこで」



が抜けていることへの一抹の不安を感じつつ聞き返す。 「いつ、どこで?」 僕の見間違いかもしれないが、ニヤリと怪しげな笑いとともにマネージャーが切り替えす。 

「来週、1日だけ中目黒 蔦屋書店です。」 

「…」 

一瞬の沈黙の間に僕の中で思考が巡る。



僕のような制作スタイルの作家にとっては1日で作品を仕上げるというのはなかなかにハードルが高い、というかあまり現実的とは言えない。

作家としての15年近いキャリアの中で積み重ねた経験値も僕の頭の中で警告音を鳴らしている。



今まで僕が作家として生き残ってこれたのは、そのような警告音に敏感で、負け戦の可能性を最小限に抑えてきたからでもあるし、それ故に僕は結構自分の「勘」みたいなものを大事にしているところがある。



故に普段であればそのような成功可能性の低い事には足を踏み出したりはしない。



だか、今回に関しては頭の中で鳴る警告音の奥に、小さな光のようなものを感じたのだ。



それが何なのか、その一瞬では判断がつかなかったのだが、



その束の間の沈黙の後に出した答えは 

「やりましょう」



だった。



はっきり言ってその段階ではほとんど作品の完成のイメージは出来ていなかった。



それからライブペインティングまでの一週間弱の時間の中で自分なりに何をどうしたらライブペインティングとして作品が成立するのかを考えた。



結局のところ、当日描き始めてもまだその答えが出ていた訳ではなく、まぁ最悪失敗しても、ほとんどの人は中目黒蔦屋書店を通過していく中での一つの風景としか僕を見ていないし、と開き直ることにした。



とにかく描き始めたからには目の前の作品に集中する以外に出来る事はない。



普段何かしら資料なりモチーフなりを用意して制作するスタイルの僕にとって、随分久しぶりにただキャンバスと自分との一対一の対峙だった。



普段制作する「匿名の地平線シリーズ」は常に元ネタが存在する。



今回は僕にとって初めて自分自身の地平線との対話だったのだ。



自身とキャンバスという最小限の空間の中で、自分自身の地平線を描きだす。



否が応でも自身と向き合うことになったその数時間はまさしく自分の画業を振り返る時間で、新たに見出す事が出来た大きな可能性と、自身の未熟さを両面強く意識する事が出来た。



ライブペインティングが終盤に差し掛かり、作品自体が安定し始めた頃、何で自分が今回無謀なチャレンジをする事にしたのか、今までと何が違ったのかを考えていた。



結果自分の中で出た結論はこうだった。 

「そこに新しい可能性がある気がした」



人間何かに真剣に打ち込むと10年も経てばそれなりにはその能力は身についてくるし、場合によっては他人よりその才が少しだけ秀でている場合もある。

反面10年も同じ業界にいる事で、自身の属する業界の現状を冷静に判断出来るだけの知見も同時に手にしてしまう。



登りゆく新しい環境ならいざ知らず、旧態依然とした業界において他人の失敗ほど面白い話はない。失敗話には尾ひれが付き、業界を音速で駆け巡る。そして膨らんだ噂話は執拗に本人の足に絡みつくのだ。



そんな事を10年で沢山見聞きしてきた。

だからこそ、僕は失敗が怖い。

故に不必要な勝負はしないという癖が気がつけば身についていた。



だが、今回は違うのだ。



新しい仲間と新しいサポーターと新たな環境を作り出す為に踠いているのだ。失敗を怖がって、得られるものなど何も無いのは、初めて画家として個展をした当時の僕は知っていた。



あぁ、そうか

警告音の奥に感じた光のようなものはかつての僕だったのだ。



闇雲にがむしゃらに。



美術業界で少しばかり中堅気取りな今の僕に、最も必要な姿勢だったのだ。



マネージャーには見透かされていたのだろうか?



あのニヤリと笑った表情の奥に一体どんな感情を隠していたのか、それはわからないが、



結果平成最後の一日、僕はまんまと令和を迎えるにあたって新たな「ブルーオーシャン」を描く事になってしまった。



4月とは思えない寒空のライブペインティングの結果、僕は今風邪をひいています。

平成の間に溜めた悪い物を令和の最初にデトックスという事でしょうか…





皆様もGWのお疲れが出ませんように。




新作版画が追加されました


サロン限定ブログ連載中



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