〜前回までのあらすじ〜

何だかんだあってズボンの上にズボンを履きました。

前回の記事・派遣アルバイト①はこちら→https://lineblog.me/okudafukuro/archives/533552.html



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集合場所の駅からリーダーに案内されてゾロゾロと現場に向かう派遣アルバイターたち。

ここで軽くそのメンバーの印象を見たままで紹介していきたいと思います。




1人目:どう見ても力仕事慣れしているであろうガタイの良いお兄さん

格が違うとはこのことでした。




2人目:これまた力仕事慣れしているであろう日本語ペラペラのイケメン外国人さん

細身でスタイルが良いのに漂う風格がベテランでした。




3人目:どう見ても力仕事慣れしていないヒョロリとした男の子

後で聞いたらまだ成人していないとのこと。とってもフレッシュです。




4人目:交通費を申請しているのに集合場所まで自転車で来たガタイの良い爽やかお兄さん

爽やかなのにムキムキで羨ましかったです。何よりもこの日はドシャ降りの大雨だったにも関わらず自転車で来たことにポテンシャルの高さを感じました。



このメンバーに、リーダーと誰から見ても役に立たなさそうなヒョロヒョロの僕を加えた6人で今日の現場に向かっておりました。


「さあ!ここが今日の現場ですよ。」


そうこうしている間に現場に到着です。


その現場とは。






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某大企業の大阪本社ビル。







うおおおお…。

今後自分みたいなもんが立ち入る機会なんてないだろうなと思うほどの大企業ビルでした。



ここでリーダーが軽く説明を始めます。


「えー、みなさま今日はお集まりいただきありがとうございます。今日の現場はこのビルで、搬入か搬出かどっちかわからないんですが、まあ荷物を入れるか出すかだと思いますので、そんな感じでよろしくお願いします。」
























説明がアバウト。















「で、まあまだ何も指示がないので、現場から指示があるまでここで待機していましょうか。」



















この大雨の中…?










大雨の中、困惑しながら特に会話もなく立ちすくむ初対面の男たち。

永遠とも感じられる気まずい数分間を過ごした後、ようやく現場から指示があり、屋根のある裏口前の広場に移動しました。

そこには他の派遣事務所から派遣された方々がすでにいらっしゃったので、軽く挨拶を交わし、それが終わった頃、

「そしたらみなさん、この制服に着替えてもらいましょうか。」

とリーダーがおもむろに制服を配り始めました。

























え、外で?
















またしても外です。
しかも今度は全員です。



明らかに困惑している一同。
この日は大雨なこともあり、湿度も気温も高く、かなりの蒸し暑さだったので、みんなTシャツ一枚で現場に来ていました。

Tシャツを脱ぐと外で半裸になってしまう、かと言ってから制服を着ると暑さで灼熱地獄行きになるという苦渋の選択を迫られた我々でしたが、困惑の果てにヒョロリとした男の子がTシャツを脱ぎ始めました。


「これは自分も後に続いてTシャツを脱ぐしかない!」と、Tシャツを脱ごうとしたそのとき。



「あ、外やから裸にはならんといてな。」とリーダー。




















全員灼熱地獄行き決定。

















しかもズボンも2枚履いている僕。














終わった…。

諦めてTシャツの上から制服を着ました。




そして、このタイミングで重要なことに気付きます。



























カッターナイフ忘れた…。
















昨日の派遣事務所の方との電話を思い出してみます。

「明日のお仕事にはカッターナイフとラバーグリップ(滑り止めのついている手袋のこと)を持って17:30に駅の◯番出口に集合してください。」


ラバーグリップは家になく出勤途中で買ったので忘れることはなかったのですが、カッターナイフは家にあったので油断しまくって忘れてしまいました。


「どうしよう…。隙を見て最寄りのコンビニに買いに行くか…。でもこの近辺にコンビニなんてなさそう…。どうしよう…。」


とソワソワしていると、今回のお仕事の総責任者(リーダーより偉い)が到着してしまい、朝礼が始まりました。



「おはようございます。今日は一日よろしくお願いします。今日はこちらのビルの14階にある一室から、荷物を1階に下ろしてトラックに積んでもらいます。荷物は全て廃棄するものなので、トラックに積んで、別の地域にあるゴミ廃棄センターに全て降ろしてお仕事終了です。なので、本日の帰りの駅はここではなく、〇〇駅になりますのでよろしくお願いします。」

















聞いてない…。












その帰りの駅は聞いたこともないような駅で、調べると家まで1時間以上かかるところでした。なんてこった…。



そして朝礼を終えたタイミングで今日のお仕事に必要な資材が積まれたトラックが到着しました。
それを見たリーダーが先陣を切って持っていた荷物やカバンを地べたに置き、トラックから資材を降ろしていきます。

それに続くように他のみんなも荷物やカバンを地べたに置いて資材を降ろすのを手伝います。


























あ、荷物地べたに置くんや…。
















雨で地べたは濡れています。なんてこった…。

しかしそうするしかなかったため、僕も荷物を地べたに置き、トラックから資材を降ろしました。



資材を降ろし終わると「奥田くんか〇〇くん(ヒョロい男の子)、どっちか1階の正面入り口前に立って、人が出入りしそうになったら裏口に誘導する係やってくれへん?」と言われました。


これから重い荷物を運ぶお仕事が待っている中、こんなに楽な係はありません。

正直喉から手が出るほどやりたいです。



しかし、

「あ、じゃあ、俺、いっすか?」


とヒョロい男の子。












とられた。






喉から手が出るほどやりたかったのに10歳ほど年下の男の子にあっさりと取られてしまう僕。


「ブログに書くネタが欲しかったし、何より年下の男の子に楽をさせてあげる方がいいし…。」と自分に言い聞かせてはいましたが、先に手を挙げてさえいれば楽できたのにと引きずる器の小ささです。




そんなこんなでお仕事がスタートしました。

僕と数名が14階に上げられます。



「俺らは荷物をエレベーター前に持っていくから、奥田くんはその荷物をエレベーターに乗せて1階におる人に渡してまた戻ってくるのを繰り返して。」とリーダー。











楽だ。








完全に体つきで判断してくれています。
さっきまで引きずっていたのが嘘のように気分晴れやかです。
(それぐらいしか役に立ちそうにないと判断された自分の情けなさは一旦置いておきます。)


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こちらがエレベーター内の様子です。

重そうに見えますが、楽に動かせるように台車に乗せてくれた状態でエレベーター前まで運んでくれるので、とても軽いです。

僕はそれをひたすらエレベーターに乗せて下に降り、1階で待機してくれている人に渡していきます。

冷房が一切効いていないことは辛かったですが、作業的には簡単で、スイスイとこなしていけました。
ただ問題なのが、一回につき荷物を4つまでしか積めないということです。

ビル内にエレベーターは8基ほどありましたが、それらはビルの従業員用で、荷物を乗せるためのエレベーターは1基しかありませんでした。

さらに、その荷物用のエレベーターを利用するビルの従業員さんもいらっしゃったため、1階と14階の往復だけでは済まず、途中の階で停止したり、地下まで行ってしまったりと、なかなかスムーズにはいきません。


最初は「僕らは作業させてもらってる身やから、エレベーターに乗ってくる従業員さんを優先してあげてね。」と言っていた社員さんも、次第にイライラし始め、しまいには「なんで他にエレベーターいっぱいあるのにこのエレベーター使うねん。」と言い出す始末。


本音を隠せなくなっている社員さんを横目に、やれることをやるしかないと必死にがんばっておりました。


そして作業も中盤に差し掛かった頃。


これまで黙々とこなしてきましたが、ふと我に返ってしまいました。


















なんでスボン2枚履いてるんやろ…。






そうです。ついに暑さが限界です。

冷房が効いていないエレベーター内の暑さは尋常じゃありません。
それなのにスボンを2枚履いている僕。冷静に考えて意味不明です。



一旦エレベーターを降りてトイレでスボンを1枚脱げないかと考えましたが、きっとその間にエレベーター前が荷物で溢れてしまいます。


そこで僕は考えました。
エレベーター内は密室で、基本的には僕しか乗っていません。

1階から14階に上がるまでの間、かなり時間があります。

その間に下に履いているスボンを脱いでしまおうという作戦です。

いける。絶対にいける。

もしかしたら何かに目覚めてしまうかもという不安も頭をよぎりましたが、やむを得ません。

さあ脱ぐぞとベルトに手をかけたそのとき。


















ピンポーン










エレベーターが3階で止まり、ビルの従業員さんが乗ってこられました。





















あっぶねえええええ


















もう少しで奥田大地(27歳・無職・自称アーティスト・公然わいせつ罪)になるところでした。






それ以降完全にビビってしまった僕はスボンを脱ぐことを諦め、早いことお仕事を終わらせてしまおうとテキパキと作業を進めていきました。


その甲斐もあってか、20:30頃には下ろす荷物もほとんどなくなり、部屋に散乱している小物類をダンボールに詰める作業のお手伝いをしておりました。


そして21時頃、このビルでの全ての作業が終わり、あとは移動してトラックに積んだ荷物を降ろすのみとなりました。


他の派遣事務所の方が先に何人か移動して降ろし作業を進めてくれているとのことでしたので、そんなに時間はかからないだろうとのことでした。

残って作業をしていた僕らの派遣事務所の方々と、リーダーよりも偉い総責任者で車に乗り込み移動開始です。

その車内で総責任者が電話で降ろし作業の進み具合を確認してくれていました。


数分後、電話を切った総責任者が、おもむろに「よし、みんな今日はもう終わりにしよか。」と言いました。














あれ、終わり?








電話で確認した結果、降ろし作業はほとんど終わっていたそうで、こちらはもう解散してもいいとのことでした。
棚からぼた餅とはこのことです。


あれほど気にしていたカッターナイフを使うシチュエーションが1mmもなかったことももはやどうでもよくなりました。




そしてビルの最寄駅から1つ隣の駅で車から降ろしてもらい、今日のお仕事を終えました。


意気揚々とみんなで帰路につく中、交通費を申請しているのに集合場所まで自転車で来たガタイの良い爽やかお兄さんがポロリと呟きました。











自転車取りに行くためだけに1駅だけ電車で戻らなあかん…。









悪いことをすると何かしらバチが当たるのだなと思った夜でした。


もしかしたら僕がスボンを2枚履かなければならならなかったのも、何かのバチが当たったのかもしれませんね。
日頃の行いには気をつけようと思いました。




そして、無事に家に帰り、一息ついたところで大変なことに気付きました。














ベージュのズボン返すの忘れてた…(履きっぱなしで帰ってきた)。

















〜完〜