エゴとの約束
「探せよ!されど、見つけることなかれ!」
46.The Quest 探求、探究/探究者
彼は何千もの生にわたって神を探していた。
彼は、はるか彼方に神を見たが、そこに着くころにはすでに神は遠ざかっていた。
それでも探すことをやめずにいた彼は、神の家を探すことにした。驚いたことに、本当に神の家に着いた。そして、その扉にはこう書かれていた。
"God’s Home"
「神の家」
彼は階段を駆け上り
扉をノックしようとしたが、
突然、手が動かなくなった。
「本当に神の家だったら…?」
「扉が開いて神が現れたら…?」
私の旅、私の巡礼、私の偉大な冒険、
私の哲学、私の詩、私のハートの憧れ
「すべて終わってしまう!」
恐怖で体が震えてきた。
彼は靴を脱いで階段をおりた。
「音をたてると神が扉をあけるかもしれない」
そして下に着くやいなや駆け出した。
決して後ろを振り返らなかった。
それ以来
何千年もの間ずっと走りつづけている。
彼はまだ神を探している。
神がどこに住んでいるのか知っているのに。
「あの家だけは避けなければならない…」
「なのに脳裏を離れない。完全に覚えている。」
「もし私が偶然あの家に入ったら…」
「すべて終わってしまう!」
希望という罠
47.希望 Hope
外側から助けが来るという考え
相手があなたを満たすことはない
希望のわなに堕ちてはいけない
成就は内側にある
ジャングルで道に迷ったハンターがいた。三日もの間、彼は抜け出す道を聞こうにも誰にも出会えなかった。そしてますますパニックに陥った。
食べるものがない
まわりは野獣だらけ
彼は眠れなかった。襲われるのを恐れて、ある木の上に坐ったまま起きていた。
四日目の朝早く、彼は木の下に坐っている人間を見つけた。彼の喜びは想像できる。彼は駆け寄ってその人を抱きしめるとこう言った。
「うれしいよ!」
すると相手の人も彼を抱きしめた。ふたりとも途方もなく幸せだった。
そこで、彼らは互いに同じことを尋ねていた。
最初の人が言った。
「なぜあなたはそんなに喜んでいるのですか?私は道に迷ってしまい、誰かに会えたらなと願っていたのです」
すると二番目の人が言った。
「私も道に迷ったんです。それで誰かに会えればと願っていました。」
「でも、私たちふたりとも道に迷っているのですよね…ふたりして道に迷っている?!」