LINE BLOGでも大人気のロックバンド、シドが9月6日、3年6か月ぶりとなるニューアルバムを発売します。5月に行われたシド史上初のコンセプトライブ、日本武道館2daysのチケットは両日ともにソールドアウトとなり、その人気の健在ぶりを音楽シーンに見せつけました。今回はバンドとしての活動を本格化させたシドが放つ待望のアルバム『NOMAD』についてじっくりお話していただきました!

マオ アルバムが完成して、「これはツアーでやるのが楽しみだな」とまず思いました。制作に入る前から「新しいシドを見せたい」ということを決めて作ってきたので、そこをしっかり表現できて、すごく良かったです。
明希 いつもは、確認のためにCDのサンプルがあがってきたものを聴いたあと、プライベートではすぐには聴かないことが多いんですよ。でもこのアルバムは毎日聴いています。車の中でもずっとかけてたり。自分で言うのも何ですけど、すごく納得のいくクオリティーの高いものを作れたという自負があるんです。だからアルバムが出来上がったときは、すごく幸せな気分になったし、満足感がありました。
Shinji 音の面やプレー面でも挑戦ができた1枚になりました。まだまだやりたいことはありますけど、たくさん新しいことができました。エンジニアさんを変えてみたことも勉強になりましたし。早くライブをやりたいです。
ゆうや 大満足のアルバムになりました! すごくいろいろ考えて、詰め込んだなって感じの仕上がりです。メンバーそれぞれが学んだもの、感じたことが今1番いいタイミングでギュッと詰め込まれたアルバムになったと思います。
ゆうや かなりボリューミーですよね。1曲1曲の色が濃いです。
マオ コンセプトが「新しいシド」でしたけど、新しいっていうのも「取りあえずやっていないことをやろう」ということではなく、刺激的なアルバムにしたいというのがありました。聴いた人に刺激を与えたいし、やっている本人たちもしっかり、刺激を吸収しながらやっていくというのをすごく心がけました。
エンジニアさんも、今までは大体ひとりの同じ方とずっとやってきたんですけど、あえて4人の方とやってみることにチャレンジしました。初めてご一緒する方もいたので、もしかしたらやっていく中でやりづらかったり、こっちの都合が伝わらなかったりすることもあるかもしれないので、大変なんだろうと思いましたが、その大変を「今やんなきゃダメだな」っていうのはあったので。どちらかと言えば、音を変えてみたい、ということよりも刺激を受けるために入ってもらった感じです。“やりづらさ”を1回入れてみたかった。
マオ そうですね。そういうことが活動していく中で、今必要かなと思ったので。
マオ 全然違いました。不安もあったけど、その不安もちょっと楽しかったり。いつもの安心感がなくて、「なんか俺ら、ギリギリでやってんな今回」っていうのがすごくあったので、ミュージシャンとしてもそれぞれ成長できたのかなと思っています。
明希 そうですね。今まではメンバーそれぞれの録り方があったんですけど、それをエンジニアさんを変えてみたりという中で、新しい風が吹いてくるわけです、いろんなところで。そういう新しい人たちと2人3脚で音を作っていくと、やり方っておのずと新しくなっていくというか。
そこで自分の培ってきたものがあって、「こうしたい」というのを、メンバーみんなそれぞれいつもの環境で表現していたのを、今回変えた、というところでは、初めてのレコーディングと似てると言ったらちょっと言い過ぎですけど、「憐哀-レンアイ-」を録ったときと、マインドが似てるんじゃないかなとは思いました。ただそのときの気持ちに立ち戻ったということではなくて、あのときの感覚をちょっと思い出したな、という意味ですね。それは新鮮でもあったし、出来上がりは「これでいいや」って思うことがなくて、「こうじゃないとダメだ」と思ったことを表現できた感じです。
明希 あのときは本当そうでしたね。何も知らない。とにかく全てが初めてだったので。ブースでベース弾くのも初めて、というくらいの気持ちでした。実際にはその前にもやったことはあったんですけど、気持ち的にはそれくらい。また4人で一緒に新たなところに飛び込んでいくというところは、今回似ていたのかな。
マオ そうですね。『NOMAD』はこれを1曲目に持っていきたいなとライブを思い浮かべながら歌詞を書きました。テーマとしては、みんなと再会して1つになって、ツアーを通してこのアルバムの世界観を一緒に育てていきたいなと。ラストの『普通の奇跡』でまた別れを迎えるんですけど、その別れというのは前と違って、次の約束がしっかりある別れだから、そういう安心感を与えてあげられるようなアルバム、そしてツアーにしたいなというのをすごく考えながら歌詞を書きました。
マオ そうです。
マオ そうですね。久しぶりに会ったみんなで1つの集団になって、また新しい旅に出る、という意味も込めています。

明希 この曲は1回聴いただけでも耳に残るメロディーを自分の中で追求した結果、できた曲です。自分の中ではポップスを作るという意味合いが強くて。仮歌を歌うとき、デモメロディーを聴いて歌うんですけど、1回聴いてすぐ歌えたんです。1回聴いて、Aメロをバーンと歌って、1回聴いて、Bメロをバーンと歌って。確かそんな感じで、これはいいぞ、と思ったんです。
作曲中は出来たものをそぎ落して、そぎ落として、複雑だった部分を全部なくして、これでどうかな?ってやってみたときに、スススッと録れたので。これは聴いてもらったときに、引っ掛かりがあって、耳に入ってくる曲になったんじゃないかなと思いました。1度聴いたら耳に残って、リフレインしてくれるだろうなと。出来上がって、これ、何かの表題曲になってくれたらいいなっていう思いは自分の中にあったので、アルバムの1曲目になってくれてうれしかったです。これは一番直近で作った曲なんですよ。
明希 俺はそんなつもりじゃなかったんですけど、マオ君が「これ1曲目にしたら絶対いいよ!」って言ってくれて。聴き返してみて、ありだなと思ったんです。これ1曲目にしたらカッコイイなって。俺はアルバムの真ん中へんくらいにくるイメージだったんですけど。これがオープニングって新しくていいんじゃないかなって思いました。
マオ すごく歌っていて気持ちいい曲で、メロディーからも明希が表現したかったことがいっぱい伝わってきました。テーマの『再会』は作詞している途中で出てきたワードですけど、書いてみて、最近の俺らもそうだし、これいいなって思って歌いました。
明希 これは自分が10代のときにこういうハードロックを好きになって、バンドを好きになった、というのを象徴するような曲です。10代で聴いていたハードロックをそのまんま出しました。ロックに触れたきっかけみたいなものを。
曲が出来て、録り音とかをやっているときに、こういう、80年代のハードロックな曲が自分がよく行き来していたライブハウスでかかっていたなと思い出しました。
明希 『スノウ』はみんなで話していたときに、こういうジャジ―な雰囲気の曲を作ろうよってなって。マオ君の歌い方の中の、優しくずっといく感じを想像しながら作ってました。声は張るんだけど、出過ぎない。でも声を抜き過ぎてボソボソ言ってる感じではなくて、ちゃんとメリハリがある。サビならサビの中だけでも、メリハリがちゃんとある声になるようなメロディーを考えて作った曲です。
マオ そうですね。当たり日が増えてきましたね。良くないときもあるんですけど、いい日が確率的にはかなり出てきました。
マオ いい感じでしたね。
明希 この曲はすんなりいったよね。
マオ うん。サクサクっとやってたよね。他の曲も、3人とも俺のスタイルを意識して曲を書いてくれるので。歌いづらいとかもほぼほぼないです。
マオ どうしてもね、最初幸せな曲書こうかなって思っても、途中から幸せにしたくなくなっちゃうというか。『スノウ』は始めからそのつもりで書き始めましたけど、そういう癖がありますね、俺は。いつか、10曲ともハッピーな曲しかないアルバムもいいかもしれない。
マオ いいですね。いつかやりたいな。

明希 俺のことを放っておいて、普通に書かせるとこういうのが出来るという。
明希 よし!ヘビーならヘビーに徹したのやるか!って感じですね。元々のアレンジとはまたちょっと違ってるんですけどね。アルバムにこの曲が入るって決まったときに「だったらもう、すげえ振り切ったラウドミュージックにしよう」って思って。割と元の曲のアレンジはストリングスとか入って、キレイな感じの方向だったんですよ。でもアルバムに入れるんだったら、もっとエグく、ギターで全部成立するようなサウンドで、ゴリゴリにやりたいなって思って、いろんなアレンジを加えて、この形になりました。
Shinji これ、めっちゃ難しかったんですよ。いろんなギターが入ってて、7弦とかアコギとか、6弦も入ってるので、まず覚えるのが大変でした。単純に弾いていて楽しかったのは『XYZ』のほうです。そっちはオリャーって感じでいけましたけど、『躾』はすごい頭を使って頑張りました。
Shinji リフとかも結構、明希とやり取りしながらやりました。もうちょっとこうやったほうがライブで弾きやすいんじゃないか、とか。
明希 そのほうがテンションが上がるんじゃない?とかね。ずっと下向いて弾いてる感じだとつまんないよね。だったら、バーッって激しく(上を向きながら)こうやってエネルギーが出たほうがライブっぽいから、とかそんな話をしました。
ゆうや 僕もわからなかったです(笑)
ゆうや 本当に僕の中の僕じゃない人が作っている感覚だったんですよ。そうでもしないと、自分の中で別のものってなかなか生まれないなって、すごい思いながら曲を作っていた時期で。「難しいな、新しいって」って思いながら…俺じゃない感覚で作りました。
ゆうや ねえ、そうですよね。俺もそう思います。真面目に、いつも通りの自分の作り方でやっていたら、たぶんこの曲は出てこないと思います。本当、夢の中で作ったみたいな感じ。
マオ しました。へえ~すごいなと。ドラマーなのにドラム入れない曲作るのもすごいし。潔くていいかなと。
ゆうや あれやこれややります(笑)
ゆうや いやそれはないです(笑)笑っちゃう絶対!もうちょっとカッコいい感じでいけるものを考えます(笑)
マオ いや、結構ノリで録りましたね。曲も短いし、すぐ終わっちゃったので、わざと何回も録り直したりしました。
ゆうや いろんなパターンをマオ君と試してみたんですけど、マオ君、遊び始めて(笑)もしかしたらこういうのがいいかも?みたいな歌い方してみたり。
マオ で、ああ、やっぱり違った、みたいなことも。
ゆうや 俺の真似して歌ったりもしたよね(笑)デモの仮歌は作曲した人が自分で歌ったのを入れてるんですけど、結構クセ強めで歌ってたんですよ。そしたらそれをわざと真似して歌ってくるんですよ。
ゆうや あれは勘弁してほしいな(笑)
マオ もうバシバシです。タイトルの『低温』でも表現しているようにあまり感情的にはなりたくないなと思った曲で、だけどサビでだけ感情が分かるようにする、っていう。そこを意識して歌いました。
マオ これのあと、「イエー!」って歌ったりするの、大変そうだよね(笑)

Shinji 何か、テクニカルな曲にしたかったんです。かと言って、自慢するような感じではなく、大人っぽいニュアンスを持って、すごいことをやっている、みたいな曲にしたかったです。「コピーしてみろ!」みたいな(笑)
Shinji 何なんでしょうね。自分もいろいろなバンドの曲をコピーしてきたので。子どものころ、こんな曲を聴いてもたぶんコピーできないだろうなって。でもやってほしいです。
明希 具体的にこうなってほしい、というのはないけど、ベースで言うと、テクニックって絶対必要なものなんですけど、俺はそれよりもロックのカッコイイところって、佇まいとか、その人が出している音色とか、その人が魅せるグルーヴ感とか、そういうところが大事だと思っていて。そして、そういうものを表現するのには、テクニックがきっと必要で、っていう自分の中での思いがあります。そういうのは伝わっていたらいいなって思いますけどね。
マオ そうですね。男限定ライブとかもやってたし。最近は50歳、60歳ぐらいの男性の方もけっこういらっしゃるので、その層にも今回のアルバムは刺さるんじゃないかなって思っています。刺さる部分があればいいなというか。

明希 これ、原曲を作ったのは、本当に何年前だろう?っていうぐらい前なんです。そのときは日の目を見るか見ないか、という感じで、いろんなアレンジをしてみてました。そのまま楽曲のストックの中にあったんですけど、このアルバムのタイミングで引っ張り出して聴いてみて、もう1回ちゃんとアレンジを自分で考えて、1回大元をガッチリ作ってやったらいいんじゃないか?って思って。みんなで話したときに誰かが「4人せめぎ合うようなバラードになったらいいよね」ってキーワードを出したんです。それ、いいなと思って。
ストリングスとかの音も入ってるんですけど、4人のマンパワーでの演奏というか。この曲、ライブで重くなる気がするんですよね。でもそういう重たい感情が入ってこそ、その曲がどんどん成立するようなアレンジバラードになったらいいなっていうのはイメージとしてありました。それが出来たんじゃないかな。
明希 『光』は割と、ストリングスの世界とバンドの温度が融合して作り上げる曲だと思うんですけど、『普通の奇跡』は4人のグルーヴがあってのメロディー、楽曲であるというとらえ方だったので。プリプロのときにちょっと苦労したのが、『光』になっちゃダメだなっていうのがすごくありました。バラードって何曲も作ってきてるから、そういうところで『光2』が出ても意味がないしね、っていうのはShinjiと話しました。ここで最後に泣きのギターソロがきちゃうと同じになってしまう。
明希 そうそう。そんなふうにはしたくなくって、もっとエモっぽい感じにしたかった。じゃあリフだよね、ってなって。みんなのアイデアで、アレンジのタイミングや構成も変わって行って、最終的に曲の印象がガラッと変わりました。デモテープの段階でも元々の感じから変えてはいたんだけど、すごく良く化けたなって思います。
明希 そうですね。最初、俺と真逆のことを考えていたのがゆうやで。ちゃんと構成から何から、起承転結がある感じのバラードにしようよって。ゆうやが一番いじったかもしれない。
ゆうや この曲は苦労しましたね。明希が言ってるとおり、いつもどおりの正解のほうに持っていきすぎると、今まであったものになっちゃう。“いつものもの”になってしまうから、そうじゃなくて、すげえいいものにしたいなって。アルバムの最後に入れる曲になることは何となく決まっていたので、すごくいい、感動するものにしなきゃ、っていうのはすごいあったんです。だから、構成に関しては、ああして、こうして、というのをすごい話したよね。ね、明希。
明希 そうだね。
ゆうや だから、明希もさっき言ってたけど、ストリングスとか何とかありきで、進んでいくバラードで感動させる曲は、うちには結構あって。そういう場合だとアレンジも装飾だけで良かったりするパターンがあるんですよ。サビまではずっと、ほぼ装飾だけでいいんですけど。今回の曲は裸に近い感じでAメロとかすごい静かです。 それって、1音1音が良くもなるし、悪くもなる可能性があるから、そこの足し算引き算をすごく考えて。メロディーが盛り上がっていく感じも、今じゃねえな、行くときは、っていうときにはちゃんと行かずに。行くタイミングでガーッと行くっていう。僕的にはすごく欲しかった部分です。
ゆうや だってこれ、本当にすごい前に(原曲を)作ってたもんね。
明希 原曲はたぶん『星の都』あたりで作ってたんじゃないかな。
ゆうや なんだかんだ、3回ぐらい変わってんだよね、この曲。
明希 3、4回は変わったね。みんなにこねくり回されて(笑)
ゆうや あれがああでダメだから、じゃあこうしようか。で、次こうしようか。って何度もやって、また1個前に戻ったやつが今回のバージョンの元で。それをさらにちょっと構築して…と思いっきり変えたので、すごい良くなったよね。今のシドにマッチしているなと。
マオ 俺も書いててうるうる来てました。
マオ うん。これの歌詞は夕方くらいから書いてて。夜、日が暮れて暗くなった部屋の中で、パソコンの明かりだけで書いていた記憶があります。
マオ そうですね。これは本当にストレートな曲にしたいなというのがまずあって。アルバムやライブの最後の曲にもしたかったので、それも意識して書きました。そういう書き方って今まであまりしていなかったんですけど。
マオ そのへんもありますね。あとは、誰にでも重なることでもあるというか、みんなこういう経験をしたことがあるだろうし。いろんなとらえ方が出来る歌詞になっていると思います。
マオ 「奇跡」って「普通」の逆じゃないですか。俺たちが出会ったのは奇跡だし、お客さんと出会ったのも奇跡なんですけど。14年やってきて、それはある意味、長くやることにより、普通になってくるんですよね。それって長くやった人にしか味わえない感情だと思うんですけど。それなのに、奇跡を感じるっていうバランス感がすごく今、いいなって思うので。本当に今、幸せだなっていう気持ちを書きました。

マオ レコード会社のスタッフさんなんですけど、もうこれはちゃんと店員さんになりきって、撮ろうって話しました(笑)
ゆうや ほんとですか。いそうですよね(自身の髪の毛を指して)この感じ。夢追っかけてる感じね。
Shinji あえてです(微笑)
明希 安定っていうか、引き出しがあれしかないんです(笑)
マオ バイトしてるような気持ちでなりきりました。
全員 ないです。
マオ アルバムのツアーが久しぶりなので、まずはアルバムの世界観をしっかり伝えて回りたいです。あと、曲で言えば、とはいえ、初めてシドを観る方もいれば、ずっと待っていてくれている方もいっぱいいるので、定番の曲も人気の曲も織り交ぜながら、やっていきたいなって思います。そして何より、一番は「待っててくれてありがとう。これからもよろしくね」っていうのをひとりひとりに伝えて、次の会場に行く、どんどん回っていくっていうツアーにできたらと、4人とも思っています。
ゆうや 全部、これは本当に嘘なく、全部です。ツアー自体、久しぶりだし。
明希 俺、京都。
ゆうや 京都は確かに長らく行ってないよね。
マオ (ボソッと)京都はうどんがうまいよ。
ゆうや うどんね(笑)
マオ おいしいお店知ってるよ。
ゆうや 行こうか。新潟も久しぶりだから楽しみですね。でもアルバム的にはすごい詰め込んだアルバムだから、「楽しみ!」って言えるようにちゃんと準備して臨もうと思います!
3年6カ月、それは長い期間だったかもしれませんが、それだけの意味がある、メンバーにとっても、おそらくファンにとっても素晴らしいアルバムが世に送り出されます。9月末からはホールツアースタート。シドの新章がいよいよ幕を開けます!
会いたい “あのひと” を身近に ―― LINE BLOG。
残暑から秋へ…残りの季節を楽しみましょう!
それでは、また。
(撮影/木村直軌、取材・文/藤坂美樹)
── ニューアルバム『NOMAD』聴かせていただきました! まずは今回のアルバムが完成した感想をおひとりずつ教えてください。
マオ アルバムが完成して、「これはツアーでやるのが楽しみだな」とまず思いました。制作に入る前から「新しいシドを見せたい」ということを決めて作ってきたので、そこをしっかり表現できて、すごく良かったです。
明希 いつもは、確認のためにCDのサンプルがあがってきたものを聴いたあと、プライベートではすぐには聴かないことが多いんですよ。でもこのアルバムは毎日聴いています。車の中でもずっとかけてたり。自分で言うのも何ですけど、すごく納得のいくクオリティーの高いものを作れたという自負があるんです。だからアルバムが出来上がったときは、すごく幸せな気分になったし、満足感がありました。
Shinji 音の面やプレー面でも挑戦ができた1枚になりました。まだまだやりたいことはありますけど、たくさん新しいことができました。エンジニアさんを変えてみたことも勉強になりましたし。早くライブをやりたいです。
ゆうや 大満足のアルバムになりました! すごくいろいろ考えて、詰め込んだなって感じの仕上がりです。メンバーそれぞれが学んだもの、感じたことが今1番いいタイミングでギュッと詰め込まれたアルバムになったと思います。
── 収録曲は10曲ですが、通しで聴くと世界観が濃くて、もっとたくさん曲が入っていた気がしました。
ゆうや かなりボリューミーですよね。1曲1曲の色が濃いです。
── 全体的にダークで大人なロックだなという印象を受けました。さきほどマオさんが「新しいシドを見せたい」というのが制作前からあったとおっしゃっていましたが、最初に皆さんで話し合われたことについてもうすこし聞かせてください。
マオ コンセプトが「新しいシド」でしたけど、新しいっていうのも「取りあえずやっていないことをやろう」ということではなく、刺激的なアルバムにしたいというのがありました。聴いた人に刺激を与えたいし、やっている本人たちもしっかり、刺激を吸収しながらやっていくというのをすごく心がけました。
エンジニアさんも、今までは大体ひとりの同じ方とずっとやってきたんですけど、あえて4人の方とやってみることにチャレンジしました。初めてご一緒する方もいたので、もしかしたらやっていく中でやりづらかったり、こっちの都合が伝わらなかったりすることもあるかもしれないので、大変なんだろうと思いましたが、その大変を「今やんなきゃダメだな」っていうのはあったので。どちらかと言えば、音を変えてみたい、ということよりも刺激を受けるために入ってもらった感じです。“やりづらさ”を1回入れてみたかった。
── 環境を変える、ということですね。
マオ そうですね。そういうことが活動していく中で、今必要かなと思ったので。
── 環境を変えてみて、やはり違いましたか?
マオ 全然違いました。不安もあったけど、その不安もちょっと楽しかったり。いつもの安心感がなくて、「なんか俺ら、ギリギリでやってんな今回」っていうのがすごくあったので、ミュージシャンとしてもそれぞれ成長できたのかなと思っています。
── 前回のインタビューで明希さんが、今回のアルバムはファーストアルバム『憐哀-レンアイ-』のときの初期衝動を思い出した、とお話されていました。それは、今回やり方を変えてみての刺激があったことも原因なんでしょうか。
明希 そうですね。今まではメンバーそれぞれの録り方があったんですけど、それをエンジニアさんを変えてみたりという中で、新しい風が吹いてくるわけです、いろんなところで。そういう新しい人たちと2人3脚で音を作っていくと、やり方っておのずと新しくなっていくというか。
そこで自分の培ってきたものがあって、「こうしたい」というのを、メンバーみんなそれぞれいつもの環境で表現していたのを、今回変えた、というところでは、初めてのレコーディングと似てると言ったらちょっと言い過ぎですけど、「憐哀-レンアイ-」を録ったときと、マインドが似てるんじゃないかなとは思いました。ただそのときの気持ちに立ち戻ったということではなくて、あのときの感覚をちょっと思い出したな、という意味ですね。それは新鮮でもあったし、出来上がりは「これでいいや」って思うことがなくて、「こうじゃないとダメだ」と思ったことを表現できた感じです。
── それが「やりきった」という感覚ですね。「憐哀-レンアイ-」制作時はそれこそ、右も左もまだ、というところがあったでしょうし。
明希 あのときは本当そうでしたね。何も知らない。とにかく全てが初めてだったので。ブースでベース弾くのも初めて、というくらいの気持ちでした。実際にはその前にもやったことはあったんですけど、気持ち的にはそれくらい。また4人で一緒に新たなところに飛び込んでいくというところは、今回似ていたのかな。
── 曲順もものすごく考えて決められたんだろうな、と聴いて思いました。通しで聴くとストーリーになっている感じがして。1曲目の『NOMAD』はまさにライブのオープニング!という感じの始まり感がありますね。
マオ そうですね。『NOMAD』はこれを1曲目に持っていきたいなとライブを思い浮かべながら歌詞を書きました。テーマとしては、みんなと再会して1つになって、ツアーを通してこのアルバムの世界観を一緒に育てていきたいなと。ラストの『普通の奇跡』でまた別れを迎えるんですけど、その別れというのは前と違って、次の約束がしっかりある別れだから、そういう安心感を与えてあげられるようなアルバム、そしてツアーにしたいなというのをすごく考えながら歌詞を書きました。
── ファンに向けてのメッセージなんですね。
マオ そうです。
── アルバムタイトルも1曲目と同じ『NOMAD』ですが、マオさんの中でシド再開と今後への決意という感じなのでしょうか。
マオ そうですね。久しぶりに会ったみんなで1つの集団になって、また新しい旅に出る、という意味も込めています。
テーマは『再会』、4人で作り上げた音の結晶
── では新曲に関して、1曲ずつ聞いていけたらと思います。『NOMAD』は明希さん作曲ですが、いかがでしょう?
明希 この曲は1回聴いただけでも耳に残るメロディーを自分の中で追求した結果、できた曲です。自分の中ではポップスを作るという意味合いが強くて。仮歌を歌うとき、デモメロディーを聴いて歌うんですけど、1回聴いてすぐ歌えたんです。1回聴いて、Aメロをバーンと歌って、1回聴いて、Bメロをバーンと歌って。確かそんな感じで、これはいいぞ、と思ったんです。
作曲中は出来たものをそぎ落して、そぎ落として、複雑だった部分を全部なくして、これでどうかな?ってやってみたときに、スススッと録れたので。これは聴いてもらったときに、引っ掛かりがあって、耳に入ってくる曲になったんじゃないかなと思いました。1度聴いたら耳に残って、リフレインしてくれるだろうなと。出来上がって、これ、何かの表題曲になってくれたらいいなっていう思いは自分の中にあったので、アルバムの1曲目になってくれてうれしかったです。これは一番直近で作った曲なんですよ。
── そうだったんですね。すごくオープニング感があるので、1曲目として作ったのかなと思っていました。
明希 俺はそんなつもりじゃなかったんですけど、マオ君が「これ1曲目にしたら絶対いいよ!」って言ってくれて。聴き返してみて、ありだなと思ったんです。これ1曲目にしたらカッコイイなって。俺はアルバムの真ん中へんくらいにくるイメージだったんですけど。これがオープニングって新しくていいんじゃないかなって思いました。
マオ すごく歌っていて気持ちいい曲で、メロディーからも明希が表現したかったことがいっぱい伝わってきました。テーマの『再会』は作詞している途中で出てきたワードですけど、書いてみて、最近の俺らもそうだし、これいいなって思って歌いました。
── 『XYZ』はいかがですか?
明希 これは自分が10代のときにこういうハードロックを好きになって、バンドを好きになった、というのを象徴するような曲です。10代で聴いていたハードロックをそのまんま出しました。ロックに触れたきっかけみたいなものを。
曲が出来て、録り音とかをやっているときに、こういう、80年代のハードロックな曲が自分がよく行き来していたライブハウスでかかっていたなと思い出しました。
── では『スノウ』については。
明希 『スノウ』はみんなで話していたときに、こういうジャジ―な雰囲気の曲を作ろうよってなって。マオ君の歌い方の中の、優しくずっといく感じを想像しながら作ってました。声は張るんだけど、出過ぎない。でも声を抜き過ぎてボソボソ言ってる感じではなくて、ちゃんとメリハリがある。サビならサビの中だけでも、メリハリがちゃんとある声になるようなメロディーを考えて作った曲です。
── マオさんの歌声がとにかくキレイですよね。5月の武道館のときにも思いましたが、喉の調子がすごくいい状態なんじゃないかなって感じました。
マオ そうですね。当たり日が増えてきましたね。良くないときもあるんですけど、いい日が確率的にはかなり出てきました。
── 今回のレコーディングも。
マオ いい感じでしたね。
明希 この曲はすんなりいったよね。
マオ うん。サクサクっとやってたよね。他の曲も、3人とも俺のスタイルを意識して曲を書いてくれるので。歌いづらいとかもほぼほぼないです。
── 『スノウ』は歌詞もとてもキレイな、でも悲しい恋愛の歌ですね。
マオ どうしてもね、最初幸せな曲書こうかなって思っても、途中から幸せにしたくなくなっちゃうというか。『スノウ』は始めからそのつもりで書き始めましたけど、そういう癖がありますね、俺は。いつか、10曲ともハッピーな曲しかないアルバムもいいかもしれない。
── ライブもハッピーな曲しかやらないとか。
マオ いいですね。いつかやりたいな。
── 『躾』はライブでの光景がバーッと浮かぶハードロックです。
明希 俺のことを放っておいて、普通に書かせるとこういうのが出来るという。
── 何も考えずに作るとこうなると(笑)
明希 よし!ヘビーならヘビーに徹したのやるか!って感じですね。元々のアレンジとはまたちょっと違ってるんですけどね。アルバムにこの曲が入るって決まったときに「だったらもう、すげえ振り切ったラウドミュージックにしよう」って思って。割と元の曲のアレンジはストリングスとか入って、キレイな感じの方向だったんですよ。でもアルバムに入れるんだったら、もっとエグく、ギターで全部成立するようなサウンドで、ゴリゴリにやりたいなって思って、いろんなアレンジを加えて、この形になりました。
── ギターはShinjiさん、このゴリゴリな感じ、すごく演奏されていて気持ちよかったんじゃないかなって思いました。
Shinji これ、めっちゃ難しかったんですよ。いろんなギターが入ってて、7弦とかアコギとか、6弦も入ってるので、まず覚えるのが大変でした。単純に弾いていて楽しかったのは『XYZ』のほうです。そっちはオリャーって感じでいけましたけど、『躾』はすごい頭を使って頑張りました。
── どう弾こう、表現しよう、みたいな…。
Shinji リフとかも結構、明希とやり取りしながらやりました。もうちょっとこうやったほうがライブで弾きやすいんじゃないか、とか。
明希 そのほうがテンションが上がるんじゃない?とかね。ずっと下向いて弾いてる感じだとつまんないよね。だったら、バーッって激しく(上を向きながら)こうやってエネルギーが出たほうがライブっぽいから、とかそんな話をしました。
── ライブでの見せ方まで考えてのレコーディングだったと。そして『低温』は、ゆうやさん作曲だと、最初聴いたときわからなかったです!
ゆうや 僕もわからなかったです(笑)
── それはどういう(笑)
ゆうや 本当に僕の中の僕じゃない人が作っている感覚だったんですよ。そうでもしないと、自分の中で別のものってなかなか生まれないなって、すごい思いながら曲を作っていた時期で。「難しいな、新しいって」って思いながら…俺じゃない感覚で作りました。
── いったいどの引き出しからこの曲が出てきたんだろうって思いました。
ゆうや ねえ、そうですよね。俺もそう思います。真面目に、いつも通りの自分の作り方でやっていたら、たぶんこの曲は出てこないと思います。本当、夢の中で作ったみたいな感じ。
── これをゆうやさんがメンバーに持っていったとき、結構みなさんビックリされたんじゃないですか?
マオ しました。へえ~すごいなと。ドラマーなのにドラム入れない曲作るのもすごいし。潔くていいかなと。
── 潔いですね。ゆうやさん、この曲のときライブは…。
ゆうや あれやこれややります(笑)
── ダンスとか!
ゆうや いやそれはないです(笑)笑っちゃう絶対!もうちょっとカッコいい感じでいけるものを考えます(笑)
── 楽しみにしています(笑)マオさんの歌に関しても、すごく試行錯誤されたのではと思ったのですが、いかがでしょう?
マオ いや、結構ノリで録りましたね。曲も短いし、すぐ終わっちゃったので、わざと何回も録り直したりしました。
ゆうや いろんなパターンをマオ君と試してみたんですけど、マオ君、遊び始めて(笑)もしかしたらこういうのがいいかも?みたいな歌い方してみたり。
マオ で、ああ、やっぱり違った、みたいなことも。
ゆうや 俺の真似して歌ったりもしたよね(笑)デモの仮歌は作曲した人が自分で歌ったのを入れてるんですけど、結構クセ強めで歌ってたんですよ。そしたらそれをわざと真似して歌ってくるんですよ。
── それ聴きたいです!
ゆうや あれは勘弁してほしいな(笑)
── マオさんの中の新しい歌い方をゆうやさんから引き出された感じですか?
マオ もうバシバシです。タイトルの『低温』でも表現しているようにあまり感情的にはなりたくないなと思った曲で、だけどサビでだけ感情が分かるようにする、っていう。そこを意識して歌いました。
── これ、ライブで歌うときはすごくパワーを使いそうですよね。曲が終わったら、客席がシーン…となるパターン。
マオ これのあと、「イエー!」って歌ったりするの、大変そうだよね(笑)
── そしてShinjiさん作曲の『KILL TIME』ですが、これはすごくShinjiさんらしい曲だなと思いました。
Shinji 何か、テクニカルな曲にしたかったんです。かと言って、自慢するような感じではなく、大人っぽいニュアンスを持って、すごいことをやっている、みたいな曲にしたかったです。「コピーしてみろ!」みたいな(笑)
── バンドキッズへの挑戦、的な?
Shinji 何なんでしょうね。自分もいろいろなバンドの曲をコピーしてきたので。子どものころ、こんな曲を聴いてもたぶんコピーできないだろうなって。でもやってほしいです。
── みなさん、結構意識されてます?音楽をやっている男の子たちにこんなことを伝えたい、とか。
明希 具体的にこうなってほしい、というのはないけど、ベースで言うと、テクニックって絶対必要なものなんですけど、俺はそれよりもロックのカッコイイところって、佇まいとか、その人が出している音色とか、その人が魅せるグルーヴ感とか、そういうところが大事だと思っていて。そして、そういうものを表現するのには、テクニックがきっと必要で、っていう自分の中での思いがあります。そういうのは伝わっていたらいいなって思いますけどね。
── 明希さんの体現されている「ロックのカッコよさ」はライブでの演奏からすごく伝わってきます。ライブでは、男性ファンが本当に増えましたよね。
マオ そうですね。男限定ライブとかもやってたし。最近は50歳、60歳ぐらいの男性の方もけっこういらっしゃるので、その層にも今回のアルバムは刺さるんじゃないかなって思っています。刺さる部分があればいいなというか。
「俺たちが出会ったことは奇跡。それが普通になっていることが今、とても幸せ」
── ラストは『普通の奇跡』。これは『微熱』や『光』に並ぶバラードになりそうですね。
明希 これ、原曲を作ったのは、本当に何年前だろう?っていうぐらい前なんです。そのときは日の目を見るか見ないか、という感じで、いろんなアレンジをしてみてました。そのまま楽曲のストックの中にあったんですけど、このアルバムのタイミングで引っ張り出して聴いてみて、もう1回ちゃんとアレンジを自分で考えて、1回大元をガッチリ作ってやったらいいんじゃないか?って思って。みんなで話したときに誰かが「4人せめぎ合うようなバラードになったらいいよね」ってキーワードを出したんです。それ、いいなと思って。
ストリングスとかの音も入ってるんですけど、4人のマンパワーでの演奏というか。この曲、ライブで重くなる気がするんですよね。でもそういう重たい感情が入ってこそ、その曲がどんどん成立するようなアレンジバラードになったらいいなっていうのはイメージとしてありました。それが出来たんじゃないかな。
──4人での音のグルーヴを大切にされたんですね。
明希 『光』は割と、ストリングスの世界とバンドの温度が融合して作り上げる曲だと思うんですけど、『普通の奇跡』は4人のグルーヴがあってのメロディー、楽曲であるというとらえ方だったので。プリプロのときにちょっと苦労したのが、『光』になっちゃダメだなっていうのがすごくありました。バラードって何曲も作ってきてるから、そういうところで『光2』が出ても意味がないしね、っていうのはShinjiと話しました。ここで最後に泣きのギターソロがきちゃうと同じになってしまう。
──確かに『光』みたいな曲きた!ってなるかもしれませんね。
明希 そうそう。そんなふうにはしたくなくって、もっとエモっぽい感じにしたかった。じゃあリフだよね、ってなって。みんなのアイデアで、アレンジのタイミングや構成も変わって行って、最終的に曲の印象がガラッと変わりました。デモテープの段階でも元々の感じから変えてはいたんだけど、すごく良く化けたなって思います。
── みなさんのアイデアの結集なんですね。
明希 そうですね。最初、俺と真逆のことを考えていたのがゆうやで。ちゃんと構成から何から、起承転結がある感じのバラードにしようよって。ゆうやが一番いじったかもしれない。
ゆうや この曲は苦労しましたね。明希が言ってるとおり、いつもどおりの正解のほうに持っていきすぎると、今まであったものになっちゃう。“いつものもの”になってしまうから、そうじゃなくて、すげえいいものにしたいなって。アルバムの最後に入れる曲になることは何となく決まっていたので、すごくいい、感動するものにしなきゃ、っていうのはすごいあったんです。だから、構成に関しては、ああして、こうして、というのをすごい話したよね。ね、明希。
明希 そうだね。
ゆうや だから、明希もさっき言ってたけど、ストリングスとか何とかありきで、進んでいくバラードで感動させる曲は、うちには結構あって。そういう場合だとアレンジも装飾だけで良かったりするパターンがあるんですよ。サビまではずっと、ほぼ装飾だけでいいんですけど。今回の曲は裸に近い感じでAメロとかすごい静かです。 それって、1音1音が良くもなるし、悪くもなる可能性があるから、そこの足し算引き算をすごく考えて。メロディーが盛り上がっていく感じも、今じゃねえな、行くときは、っていうときにはちゃんと行かずに。行くタイミングでガーッと行くっていう。僕的にはすごく欲しかった部分です。
── 本当にみなさんで作り上げた曲だったんですね。
ゆうや だってこれ、本当にすごい前に(原曲を)作ってたもんね。
明希 原曲はたぶん『星の都』あたりで作ってたんじゃないかな。
ゆうや なんだかんだ、3回ぐらい変わってんだよね、この曲。
明希 3、4回は変わったね。みんなにこねくり回されて(笑)
ゆうや あれがああでダメだから、じゃあこうしようか。で、次こうしようか。って何度もやって、また1個前に戻ったやつが今回のバージョンの元で。それをさらにちょっと構築して…と思いっきり変えたので、すごい良くなったよね。今のシドにマッチしているなと。
── 歌詞も、今言われるからグッとくるというか、これは絶対ライブで泣きます。
マオ 俺も書いててうるうる来てました。
── えー! 歌詞を書いていて泣くことってあるんですね…。
マオ うん。これの歌詞は夕方くらいから書いてて。夜、日が暮れて暗くなった部屋の中で、パソコンの明かりだけで書いていた記憶があります。
── すごく素直な気持ちを書かれた感じがしました。
マオ そうですね。これは本当にストレートな曲にしたいなというのがまずあって。アルバムやライブの最後の曲にもしたかったので、それも意識して書きました。そういう書き方って今まであまりしていなかったんですけど。
── 苦しんでいたところから抜けたときのことを、書かれたのかなって思いました。
マオ そのへんもありますね。あとは、誰にでも重なることでもあるというか、みんなこういう経験をしたことがあるだろうし。いろんなとらえ方が出来る歌詞になっていると思います。
── 「普通の」奇跡というのがまた印象的なタイトルですよね。
マオ 「奇跡」って「普通」の逆じゃないですか。俺たちが出会ったのは奇跡だし、お客さんと出会ったのも奇跡なんですけど。14年やってきて、それはある意味、長くやることにより、普通になってくるんですよね。それって長くやった人にしか味わえない感情だと思うんですけど。それなのに、奇跡を感じるっていうバランス感がすごく今、いいなって思うので。本当に今、幸せだなっていう気持ちを書きました。
── ツアーがますます楽しみになりました。アルバムのアー写もすごくカッコよかったんですけど、店舗特典のCD屋さんの店員さんの格好をしたポスターがまた良かったです。これはどなたのアイデアなんですか?
マオ レコード会社のスタッフさんなんですけど、もうこれはちゃんと店員さんになりきって、撮ろうって話しました(笑)
── ゆうやさんが似合いすぎでした(笑)
ゆうや ほんとですか。いそうですよね(自身の髪の毛を指して)この感じ。夢追っかけてる感じね。
── Shinjiさんは写真からちょっと照れを感じました(笑)
Shinji あえてです(微笑)
── 明希さんは安定のカッコよさで、マオさんはノリノリな感じ。
明希 安定っていうか、引き出しがあれしかないんです(笑)
マオ バイトしてるような気持ちでなりきりました。
── CD屋さんでバイトされたことは、みなさん?
全員 ないです。
── 初めての経験だったのですね! では最後に『NOMAD』ツアーについて現時点で伝えられることがあれば教えてください。
マオ アルバムのツアーが久しぶりなので、まずはアルバムの世界観をしっかり伝えて回りたいです。あと、曲で言えば、とはいえ、初めてシドを観る方もいれば、ずっと待っていてくれている方もいっぱいいるので、定番の曲も人気の曲も織り交ぜながら、やっていきたいなって思います。そして何より、一番は「待っててくれてありがとう。これからもよろしくね」っていうのをひとりひとりに伝えて、次の会場に行く、どんどん回っていくっていうツアーにできたらと、4人とも思っています。
── 地方はどこも行かれたことがあるかと思いますけど、行くのが楽しみな場所はありますか?
ゆうや 全部、これは本当に嘘なく、全部です。ツアー自体、久しぶりだし。
明希 俺、京都。
ゆうや 京都は確かに長らく行ってないよね。
マオ (ボソッと)京都はうどんがうまいよ。
ゆうや うどんね(笑)
マオ おいしいお店知ってるよ。
ゆうや 行こうか。新潟も久しぶりだから楽しみですね。でもアルバム的にはすごい詰め込んだアルバムだから、「楽しみ!」って言えるようにちゃんと準備して臨もうと思います!
── ライブも楽しみにしております! ありがとうございました!
3年6カ月、それは長い期間だったかもしれませんが、それだけの意味がある、メンバーにとっても、おそらくファンにとっても素晴らしいアルバムが世に送り出されます。9月末からはホールツアースタート。シドの新章がいよいよ幕を開けます!
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残暑から秋へ…残りの季節を楽しみましょう!
それでは、また。
(撮影/木村直軌、取材・文/藤坂美樹)




コメント一覧
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アルバムへの思いがよくわかりました😉💟💟
何かとても感動して泣けました…
新しいシドさんを
インタビューだけでもたくさん感じる事が出来ました!
NOMADのアルバムも素敵でしたし
ツアーがほんとに楽しみです!
今日は私はやっと普通に汗出しできた感じで嬉しいです。
素敵な記事ありがとうございます。確かにひかれないと出会いませんよね👼💓
色々身体によさそうなことで試したり、栄養学、アロマ、病気にいいもの、漢方の栄養剤などやっと毒素排出を飲むアロマで解毒の薬を物質として近しいものと代用し編み出して今日は汗が普通に出ます。
そんな中なんかジーンときます。