1985年に国民的アニメ『機動戦士Zガンダム』の主題歌「水の星へ愛をこめて』でデビュー。以後、バラエティーやドラマ、舞台、ラジオ、CMと幅広く活動されてきた森口博子さん。今回25年ぶりにガンダムシリーズ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』の主題歌に再び抜てきされた森口さんに、主題歌『宇宙の彼方で』について、歌手としての夢をかなえるきっかけをくれたガンダムについて、盛りだくさんにうかがってきました!

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――11月16日にリリースされる『宇宙の彼方へ』は映画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』の主題歌になっていますね。
これまでも『機動戦士Zガンダム(1985~6年)』のオープニングテーマ『水の星へ愛をこめて』や、映画『機動戦士ガンダムF91(1991年)』のテーマソング『ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~』と、ガンダムの曲を歌われている森口さん自身にとって『ガンダム』とはどんな存在なのでしょうか?

人生を変えてくれた、運命の作品ですね! 私は4歳の頃からずっと歌手になりたかったんです。それでいろんなオーディションを受けては落ちていた中で、最後に手をさしのべてくれたのが『ガンダム』だったんです。ガンダムという作品に出会っていなければ、今の「歌手・森口博子」はいませんでした。



――本当に運命の作品ですね。

しかも、10代20代30代で『ガンダム』の曲を歌わせていただいてて、40代でも絶対歌いたいって願ってたんですよ。それで30代の時に『G GENERATION SPIRITS』のインタビューでも「40代でも『ガンダム』の曲を歌うことが私の夢です」って語っていたんです。でもね、実はその時に「歌いたい」じゃなくて「歌う」と心の中で決めてたんです。「絶対歌うんだ!」って。



――「言霊」というか、願いは口に出していたほうがかなうっていいますもんね。

そうです! まさにそれです。4歳のときも、「歌手になりたい」じゃなくて、「絶対なる」って決めてたので、そうやって思っていた仕事は全部現実になってきているんです。『ガンダム』の主題歌も、ずっと「歌いたい」と思っていて。 これだけ時代も変わってきて、新しいレーベルも、新しいアーティストの皆さんも、たくさん生まれる中で、そのポジションをいただけるというのは大変なことだと思うんです。 それでも絶対私は『ガンダム』は運命の作品で、これまで10代からずっと歌わせてもらっていたので、「40代でも歌いたい、歌う!」と強く思い描いていました。だから、本当に今回は「ただいま」という気持ちなんです。



――なるほど!

そしてそれは『ガンダム』ファンの皆さんのブレない想いがあってこそなんですよね。 最初の『機動戦士ガンダム(以下・ファーストガンダム)』は、視聴率の低迷で打ち切りになってしまったのに、ファンの方から声が上がって、『機動戦士Zガンダム』が作られたわけじゃないですか。それからずっと続いてるってドラマを感じますよね! 37年間の歴史は偉大です。

それに今回の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』はファーストガンダム以前の過去の物語なんですが、テーマソングの『宇宙の彼方で』の歌詞の“争い”は37年前の過去のファーストガンダムを意味しているんです。繋がっているんです。その後の『機動戦士Zガンダム』のオープニングテーマで私がデビューしてるじゃないですか。まさか自分がガンダムの歴史の始まりを歌わせていただけるなんて。そのシリーズの奇跡のバトンを受け取るとは思わなくて、そこに気づいた時は鳥肌がたちました。



――すごいことだと思います。

デビュー当時は誰もそんなこと想像していなかったし、歌で10代の私にバトンを繋ぐことが出来るなんて……本当にドラマを感じます。泣けちゃう! 
今回の主題歌を歌うことも、サンライズの方が会議で私の名前を出してくださって、満場一致で決まったそうなんです。うれしいことです。



――『宇宙の彼方へ』は映画にピッタリの雰囲気に仕上がっていますね。

スタッフの方から「森口さんはガンダムの女神なんです。その女神のような存在で、世の中や宇宙を俯瞰でとらえて凛としたポジションで」というオファーをいただきました。作曲の服部隆之先生にも「強い意志を持って」というアドバイスをいただき……、でもその距離感が中々難しくて。
神様のように達観しすぎても伝わらないし、人々に寄り添いすぎても楽曲の大きさが伝わらないし……、この曲との距離感は本当に難しかったです。



――レコーディングでの印象的なエピソードを教えてください。

実はレコーディング当日まで自分の思い描いていたような歌い方ができていなかったんです。そのまま当日を迎えてしまって、どうしようと悩んでいた時に、たまたまリオのオリンピックで体操の白井健三選手のインタビューを目にして。「(オリンピックでメダルを取った技は)練習で一回も成功していない」と話していたんです。でも後悔したくないので挑戦しようって。それで、私も不安いなっていても始まらない、と勇気づけられました。



――本番ならではのテンションがあったんでしょうか。


ありましたね。レコーディングの終盤に、「降りてきた」というか、魂もリズムもメロディも何もかもが一致するテイクがあったんです。それで、私の中で「出来た!」と思ってスタジオの扉を開けたら、スタッフの皆さんが同じ様に感じてくださったみたいで、服部先生も「今のすごいね!」と、作詞の森雪之丞さんも「すごく魂に響いた」と言ってくださったんですよ。

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人が攻撃性を持っている時は、何かの理由があると思うんです


――カップリングの『Day by Day…きっと』はとても優しい曲です。こちらの作詞作曲も森さんと、服部さんのコンビですね。

この曲はララァの「好きな人を守りたい」という淡い想いがすごく込められていて、キュンときますよね。



――女子がキュンとくる曲だと思いました!

そう! キュンとくるんです。それにララァはインドに家族を残して出稼ぎに来ている少女なので、音にもインドのシタールという楽器の音もとりいれているんです。そういう空気感にも服部先生はこだわってくださっています。



――キャラクターの気持ちが投影されて、森口さんも恋する乙女のような感じで歌っていらっしゃいますね。

そうですね、私の曲ってキーが高くて歌い上げる曲が多いんですけど、この曲ではお話するように、純粋な気持ちを伝えるように歌いました。 森さんの“この人の為に生れてきたんだと思える確信めいた強い想い”が響きます!



――この「V.I.P.Press」には10代から20代の女性読者が多いんです。ですので、森口さんから見た10代20代の女の子に向けた『ガンダム』のオススメポイントをぜひ聞かせてください。

そうですね、人がね、心の闇を抱えてたり、攻撃性を持っている時って、何か原因があると思うんですよね。単に「なんで? ムカつく!」だけじゃなくって、「どうしてこうなっちゃったんだろう?」っていうところを考えることのできる作品というか、小さなすれ違いが大きく広がってしまったのが戦争だと思うんですよね。



――確かに『ガンダム』って正義と悪がわかりやすく決まっている作品ではないですものね。この映画に出てくるシャア・アズナブルは『ガンダム』シリーズの中でも人気のライバルキャラクターですが、彼の生い立ちも『THE ORIGIN』でも描かれているように、複雑な事情を抱えていますし。

そうそう、お父様を暗殺されたり、お母様とも引き離されちゃったりだとか……。だからといって、何をやってもいいわけでもないんですけど、じゃあ「なんでそうなったんだろう」ってことを、お互いに考えあう、許しあうっていうことは、絶対忘れちゃいけないということを教えてくれる作品だと思います。



――すばらしいですね!

『宇宙の彼方へ』の歌詞にも「欲望」という言葉が出てくるじゃないですか。やっぱり「欲」というものが、人も、社会も、地球も、宇宙も変えちゃうんだなと。そういうことを考えるきっかけになる作品だと思います。

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デビュー30周年を迎えて

――ありがとうございます。そして年末には毎年恒例のコンサート『Song for you Vol.Ⅻ』も今回は東京と森口さんの地元、福岡で開催されるそうで。

このコンサートは毎年東京を中心にやっていたんですけど、今年は地元の福岡でもやらせていただきます! オリジナル曲に加えて様々なカバー曲もやったりしています。
『ETERNAL WIND』は外せない曲として必ずライブでは歌っていますが、デビュー曲の『水の星へ愛をこめて』は、昨年はデビュー30周年という節目だったので歌ったんですけど、私にとっては大切すぎてそう簡単には手を出せないんですね。



――そうなんですね。

もちろん、どの曲も大切なんですけどね。『水の星へ愛をこめて』は「歌手・森口博子」を生んでくれて、皆と出会わせてくれた曲なので、大切なアニバーサリーの節目でお届けしたいんですよ。 それに『ETERNAL WIND』には2015年バージョンもあるんです。「今の歌声で聴きたい」というリクエストがネットでも殺到して、昨年がデビュー30周年ということもあって、新曲のカップリングとしてリリースしたんです。 『Song for you Vol.Ⅻ』は私のコンサートを知らない人でも、楽しめるような構成を考えていますので、皆さんに笑顔で帰ってもらえるような内容をお届けしたいと思っています。



――では最後に、これは恒例の質問なんですが、森口さんのお気に入りのLINEスタンプを教えてください。

コニーとブラウンです! もう大好きなんです~。この2人は恋人同士じゃないですか~。コニーは大好きオーラを出して、それをブラウンが受け入れてる感じが良いですよね。あのデートしてる雰囲気が理想なんです。 あと、最近は「明るすぎる犬」がお気に入りですし、「うごくまさん2」にも疲れた時に癒やされています。スタンプは本当に大好きでハマっちゃってますね!


DOCO
DOCA 明るすぎる犬

ugoku
(▶︎)うごくまさん。2


――すてきなお話をたくさん、ありがとうございました!

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森口博子 オフィシャルサイト


「願いを口に出すことでかなえてきた」と言う森口さん。お話をうかがっていると、強い気持ちで夢を信じる力をお持ちだからこそ、思いがかなっていっているのだと感じました!

会いたい “あのひと” を身近に ―― LINE BLOG。
どんな人にも夢をかなえる力はあるんだと思います!
それでは、また。


(撮影/玉越信裕、取材・文/藤谷千明)