いつもの音楽に、刺激足りていますか?
新学期も始まりましたし、新たな音楽ジャンルに挑戦してみてはいかがでしょうか?
本日のV.I.P. Pressでは、「とことんとがった音楽」をご紹介します!



エッジのきいたゾクゾクするサウンド。ダンスミュージックとロックの生演奏を融合させた独自のスタイルをつらぬく4人組ロックバンド「MOP of HEAD」

気になるけど、ちょっとハードル高そう……という方々に向けて、今回は、初心者でも楽しめる おすすめ3曲の聴きどころ を、メンバー直々に解説していただきました!

攻撃的でとがりまくった音をあやつる彼らの素顔とは一体?
某プロ野球球団との意外なつながりや、苦労話も必見です!

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(左より)Hitomi(Bass)、Kikuchi(Guitar)、George(Machine)、Satoshi(Drums)



野球部から音楽へ ―MOP of HEAD 結成秘話―


――皆さんが、バンドを結成されるきっかけは何だったんですか? 


George「僕とKikuchiは 高校の同級生 で。高校3年生くらいのときに『何か音楽やりたいね』ってなって。最初はバンドと言えるものではなく、暇つぶしみたいな感じで遊んでいるところからはじまりました」

Kikuchi「ふたりとも野球部だったんですけど、高校3年で部活がなくなって学校行く意味もなくなっちゃって」

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――野球部から音楽の道というと、結構大きなシフトチェンジですね。 



George「そのあと、大学でHitomiに出会って、そのあと、別のバンドで演奏していたSatoshiのドラムを見て、『いいドラマーだな』と思って誘って……なので、一気にかたまって始めたというより、徐々にメンバーを増やしていった感じですね」


――曲づくりは主にGeorgeさんが担当しているとのことですが、音楽ルーツはどこからきているのでしょうか?


George「10才上の兄の影響で、小学生の頃からテクノのCDを聴いてたんです。そのときに『ケミカルブラザーズ』というアーティストを知って。『むちゃくちゃかっこいい!』と思って聴いてたんですけど、ライブ映像を見たら、ふたりが機械をいじっていただけだったんですよね。その見た目がショックで」

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――たしかに、バンド形式とはちょっと違いますもんね。



George「そうなんですよ。今だからこそ、そのかっこよさもわかるんですけど、当時は バンドでやったほうが絶対かっこいい! と思って。だから、その時描いた、テクノとかエレクトロの音楽をバンドで再現したらどうなるのか っていう実験的な構想がMOP of HEADのはじまりです」


――その構想をそんな若いときから思い描いていたというのがすごいですね! 当時まだそこまでエレクトロが普及していたわけではないのでは?


George「僕らが学生の頃って、いまと違って、コンピューターで音楽をつくるってまだそんなに実感がない時代だったからね。ドラムの練習に漫画雑誌を叩いてたりしたでしょ?」

Satoshi「やってた、やってた」

George「まだギリギリそういう時代だよね。今だったら、ドラムのゲームから入る人とかもいるんだろうけど」

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――普段のライブでは、どのようなファンが多いんですか?


George「お客さんはじっくり見るというよりも、体を動かして見るようなイメージですね。お酒飲みながらの人も多いですけど、最近は 高校生も増えてきた  」

Hitomi「MCをするようになってから、若い子増えましたね」 


――ファン層のほかに、結成当初と最近とで、大きく変わったと感じるところはありますか?


George「当たり前だけど、ちょっとおとなになった よね。人に評価されたくて音楽を始める人なんて、あまりいないと思うんです。みんな、自分でやりたいことをやるのが楽しくてはじめる。そして、続けていくうちに『やりたいことを続けるのって大変なんだなあ』となる。僕も最近気づきました(笑)」

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――ほかの皆さんはどうですか?



Kikuchi「酒が弱く なってきました」

Hitomi「体力 とかもなくなってきました」

Satoshi「本当に 老けた と思いますね」

George「なにこれ? 健康診断?

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一同「(笑)」





『Retronix Symphony』

さて、ここで。メンバー直々に、これまでリリースしたアルバムから、代表的な3曲を振り返っていただきました!
まずは1曲目は、2011年のファーストアルバム『RETRONIX』より「Retronix Symphony」




――こちらの楽曲は、どのようなコンセプトで作曲されたんですか?


George「曲のイメージは『宇宙』でした。男女が駆け落ちして、宇宙に飛んでいく イメージです」

Kikuchi「え。そんなん初めて聞いた。聞いたことある?」

Hitomi「ない」

George「うそ!? 何回も言ってるよ!」

一同「……」

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George「まあ、いいや。話すすめよう」


――こちらの曲は、2012年度、プロ野球球団『オリックスバファローズ』の、スタメン発表時に流れる音楽として使用されていたんですよね! 


George「これね。ぜんぜん知らなかった んだよね」

Hitomi「Twitterで知った よね」

Kikuchi「そうそう。『オリックスのスタメン発表の曲がMOP of HEADだった』というファンのつぶやきをTwitterで見つけて。実際、動画を探して見たら本当に使われていてびっくりしました」

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――たしか、スタメン発表曲は、ホームゲームでしか聞くことができないんですよね。実際に、オリックスの試合に足を運ばれたことは?


George「まったく一度も」

Hitomi「見てみたかったよね」


――それはもったいない! 周囲の反響も大きかったんじゃないですか?


George「関西のライブで、MCの時に言ったこともあるんですけど、ファンは『へぇ~そうなんだー』みたいな薄いリアクションでしたね。『なに? みんな阪神ファンなの?』とか言っても、微妙でした(笑)」

Kikuchi「あのときは、野球自体にあんまり興味ない感じだったよね」


――「野球」と「音楽」って、ファン層があまりかぶらなかったりしますもんね。



George「そうなんですよね……まあ、 野球部、坊主だしね!

Kikuchi「自分たちがそうだったからわかるんですけど、坊主っておしゃれの幅がせまい  じゃないですか。それで引退した後、みんなちょっと変な方向行くんですよね。サッカー部と違って」

George「ムダにピアスあけてみたりとかね。野球しかやってこなかった人間の末路だよねぇ……」

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『Breaking Out Basis』

そしておつぎは、2013年に発売された2枚目のアルバムからは、タイトルにもなっている『Breaking Out Basis』。




――先ほどのMVとガラッと異なり、実写のダンスシーンもはさまれ、より“踊る”という要素が色濃く出ている印象を受けますが、こちらは、どのようなコンセプトをもとにつくられたのでしょうか?



Kikuchi「これは“ジューク/フットワーク”というシカゴで生まれたダンスミュージックがあるんですけど、そのビートを基盤に演奏しています」


――今の日本では、あまり耳なじみのないジャンルのように思うのですが……



George「そうですね。今の日本で“ジューク”という音楽ジャンルを、バンドスタイルで演奏しているグループは他にいないんじゃないかと思います。1枚目のアルバムを出したあと、『何か新しいことをしなくちゃ』という勝手な使命感があって。バンドのスタンスで、今いちばん新しいものを取り入れようと思ってつくりました」


――皆さんが、このダンスに出会ったきっかけは何だったんですか?


Kikuchi「ダンスのバトル動画を見つけたことがきっかけです。そこから、少ないながらも日本で活動をしている人がいるのを知って。次のアルバムをつくろうってなった時に、『じゃあ、あれやってみよう!』という流れになりました」


――では、ダンスありきで生まれた音楽ということですね? 遠く離れた海外の文化をいち早く目をつけて取り入れるってすごいですね!



Kikuchi「ただ、あれが純粋な“ジューク”かというと、本場の人から見たらきっと違うよね」

George「外国から入ってきたものをそのままやるのではなく、日本人ならではのフィルターを通して、新しいものをつくっているつもりです」


――“ジューク”という新しいジャンルに挑戦するぞ! となった時に、他のメンバーさんは、戸惑いなどはありませんでしたか?


Hitomi「ジュークはGeorgeがTwitterにあげていた動画を見て知りました。それでCDを借りて聴いて、『ほぉー、なかなか難しそうだな……』と思った覚えはありますね」

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『Fresh』

そして3曲めは、『Fresh』。今年の7月にリリースされたばかりの最新アルバム『Vitalize』に収録されている楽曲です。




――約2年半ぶりのアルバムということで、いろいろな思いが詰まったアルバムになっているのではないでしょうか?



George「そうですね。この2年間いろいろありすぎて。マネージャーが逃げたり とか」

Satoshi「一気に老け込みましたね」

George「いちばん痛感したのはあれだね! 『お金ってこんなに簡単になくなるんだ』っていうね(笑)」

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――先ほど、「おとなになった」と言っていた理由がここにあったんですね。


George「今回、曲のタイトルのほとんどがそうなんですけど『自己啓発』なんです。アルバム自体『Vitalize』というタイトルで、『生命力』とか『活力』という意味ですし。沈みかけていた僕たちを奮い立たせてくれた人たちと心機一転がんばっていこうという意味がこめられています」


――前回のMVとはまた異なったイメージですね。



George「MVのコンセプトが『再生』なんです。僕たちのこの2年間を知っている方が監督をつとめてくれたので、自分たちの今までをくんだ脚本を書いてくださいました」


――途中、Georgeさんが頭から黒いドロドロをかぶられていますが、こちらは一体……?


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George「あれは ヨーグルト に色をつけたものなんですよ。バンドが危機のところからよみがえっていくイメージ で、泥から抜け出しているという演出です」


――あれだけ思いっきりかぶると、リテイクがきかなかったのでは? 一発撮りですか?


Kikuchi「いや、何回か作り足したよね。実際にかけたら『あれ? なんか足りなくない?』ってなって(笑)」

George「『 場所が変わっちゃうから動いちゃダメ!』とか言われて、ヨーグルトだらだらになりながら待ちました


――アーティスティックな映像の裏側にそんな苦労があったとは……!!


George「撮影が終わって家に帰ったあとは、あまりにも疲れてそのまま寝ちゃいました。次の日起きたら、髪がバキバキに固まっていて。枕もヨーグルト臭がすごかったし……」

Satoshi「移動の車の中でさえすごいヨーグルト臭になってたよね」

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――そんなさまざまな苦難を乗り越えての作品だったんですね。そしてこれから、たくさんのライブが控えているようですが、心境はいかがですか?


George「実は年内に新しいアルバムをもう1枚つくろうとしていて。その事実がいま、いちばん重たいです。そのことで頭いっぱい(笑)」


――普段、曲づくりは、おひとりで行うことが多いんですか?


George「最近はメンバーを家に呼んでつくることが多いですね。でもみんな、自分が曲つくっている時に、うしろでゲームしてたりする んですよ」

Kikuchi「この前も彼(Satoshi)はずっとパワプロをやっていました」

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George「そうそう。『これどう思う?』って聞いたのに返事ないなあと思ったら、必死でゲームやってたんですよ。でも、そういう奴がたまに、『あ。これいいじゃん』とか言って曲をつくりはじめると、それまでの型が破られて、いいものができたりするんです。だから、サボっていても怒れない んですよね……」


――そんな大忙しな「MOP of HEAD」ですが、これからの野望はありますか?


Hitomi「今年は一度も海外に行っていないので、台湾にもう一度、MOPとして行きたいなっていうのはあります。ヨーロッパにも行ってみたい」

Satoshi「インストバンドというくくりから抜け出しつつあると思うので、曲も前より聴きやすくなっていると思います。なので、もっといろいろな人に『MOP of HEADいいよね』と言ってもらえるように、どんどん広まっていってほしいです。いろいろなフェスにも出たいですし」

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――特に意識している層はありますか?



Satoshi「とにかく幅広い年齢層の人に『いいな』と思ってもらえるようなものをつくりたいですね」

Kikuchi「女子高生から熟女まで?」

George「『Seventeen』から『Oggi』まで!」


―― Kikuchiさんはどうですか?


Kikuchi「特にないです! 地道に頑張ります!!」

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――では最後に! Georgeさん!!



George「僕たちが、お茶の間に行ける隙間のない音楽をやっているっていうのは自覚があるんです。でも、そうじゃない音楽が盛り上がる瞬間は絶対にくるはず。その時には、中心になっていたいですね。自分たちのかっこいいと思っているものをつきつめつつ、わかりやすく伝えていきたいです。音楽自体がとがっちゃってるので、いい意味で丸くなっていきたい です」

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――ありがとうございました!


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凶暴な音をあやつる彼ら。素顔はとても人当たりのよい気さくな方々でした!
インタビュー後の記念撮影では、こんなユニークなポーズをキメてくださるなど、サービス精神旺盛!

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年内、新アルバムの発表や、たくさんのライブ出演も決まっており、Georgeさんいわく「あっという間に終わりそう」なのだとか。これからグイグイ来るであろう彼らの今後の活動も要チェックです!

MOP of HEAD 公式ブログ


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(撮影/クマ、取材・文/キャロラインタニガワ)