この時期になると、よく「今年は早かった、短かった」という声を聞きます。
ですが自分が今年1年を振り返ってみると、
実に長かったように思います。
1月の出来事はもちろん、12月上旬の出来事でさえ、
遙か昔のことのように思い出されます。
それだけ様々な出来事が立て続けに起こり、
中身の詰まった濃い1年を過ごす事が出来たのだろうと思います。
ありがたい事です。
2013年を一気に振り返ってみる
私にとっての2013年は、1月1日から始まったというよりは、
2012年からの延長という感覚で始まりました。
2012年9月末にはTED登壇が内定しており、
そこから5ヶ月間はひたすら準備・準備・準備の毎日で、
年またぎというタイミングは大きな意味を成していなかったからです。
1, 2月は、
スピーチの最終調整と、
Philippe氏による演技指導の最終局面を迎えていました。
95%を105%へ持っていく作業の楽しさを実感する毎日だったことを
今でも思い出します。
そして2月末の本番を終え、3月に帰国し、
言わばこのタイミングが一つの節目だったように思います。
冷めやらぬ興奮を抱きつつも、
練習漬けの日々からは解放された状態。
すぐさま思ったのは、
「このTED体験は、自分だけの中に抱え込んでいい物ではない。
この体験は、もっと世に広めなければ。自分よりよほど役立ててくれる人がいるはず」
という事でした。
幸いGIZMODOさんに「よかったらうちで書きませんか?」とお声がけいただき、
4, 5月は記事の執筆に注力しました。
とても楽しく、4記事を書かせていただきました。
>> BLACKのTED出演記 : ギズモード・ジャパン
その後は、インドネシア、大阪、札幌と回り、
自身のTED体験についてお話しさせていただきました。
企業様の社内勉強会などにお邪魔させていただいたのもこの頃です。
>> 『株式会社はてな』様にて、TEDについての講演を行ってきました!
そして、そんな国内活動も軌道に乗り始めた7月下旬、
私が10年間待ち望んでいた1通のメールが届きました。
1ヶ月後、私はカナダにいました。
シルク・ドゥ・ソレイユのショーに出演するためです。
10年前、2003年の8月に『ドラリオン』のビデオを観て以来、
私はことあるごとに「いつかはシルクの舞台に立ちたい」と口にしていました。
いわゆる『言霊』を信じ、口にすることで少しでも実現の可能性を高めようとしていたのかもしれません。
が、その実は、心のどこかで「でも、たぶんムリだろうな・・・」
と思っている部分もあっただろうと思います。
私自身が、体が固く運動が苦手であったことも理由の一つですが、
それ以上に、一度はヨーヨーで世界一を取ったからこそ、
その限界を感じ、「ヨーヨーではシルク出演は無理」と決めつけかけていました。
そんな私の元に、本当に出演依頼のメールが届いたことは、
驚き以外の何物でもありませんでした。
いずれにせよ、一つの事実として、
2013年9月、私はシルク・ドゥ・ソレイユ史上初のヨーヨーアーティストとして、
舞台への出演を果たすことが出来ました。
モントリオールの本部、演出家の方による指導、ダンサーの方との共演。
全てが夢に描いていた物そのまますぎて、
今思い返しても、実は本当に夢だったのではないかと思ってしまうこともあります。
>> シルク・ドゥ・ソレイユのショーに出演しました
一方で、浮かれているヒマはありませんでした。
帰国後、同月にはラスベガスへの出張を控えていました。
TED現地にてお声がけいただいた、Zappos社のイベントへ出演するためです。
ヨーヨーで、ラスベガス。
まさかこんな事態が待ち受けているとは。
ラスベガスからは直接帰国せず一旦チコへ飛び、
ヨーヨーの全米大会に審査員として参加しました。
そこで、ナショナルマスターアワードの受賞。
ヨーヨー業界の外へ向かって働きかけていた活動を、改めて業界内から評価いただけた。
自分の古巣、ルーツとなる業界から改めて認めていただけた事は、大変誇らしかったです。
>> ナショナルヨーヨーマスターアワードを受賞しました
帰国後は休む間もなく、濃厚な練習期間のスタート。
11月上旬に開催される、国内最大のパフォーミングアートフェスティバルに向けての練習です。
例年はこの大規模フェスティバルが1年の節目となるのですが、
今年はそうもいきませんでした。
間髪入れず、メキシコ、ワシントンでの出演が続いていたためです。
そのため、4日間のフェスティバル終了後、
他の出演者が打ち上げへ繰り出す中、私は早々にホテルへ戻り、
トランクの中身入れ替えやメンテナンスに励んでいました。
初上陸となるメキシコでは、
マルコ・テンペスト氏やダニエル・ピンク氏といった
TED登壇の先輩方とお話しさせていただく機会に恵まれました。
1年前では考えられなかったような贅沢な時間です。
しかし有意義で楽しい時間ほど早く過ぎてしまう物で、
あっという間にカンファレンス終了、お次はワシントンへ。
ワシントンも、何気に初上陸。
と言いつつも、基本的に観光の時間などはあまり取れないのですが。
こちらはメキシコの時と違い、証券会社様主催のビジネスカンファレンス。
こんな場所にヨーヨーで登壇するというのも、「『場違いの変な人』というポジション」が大好きな自分としては、なかなか楽しい経験でした。
スピーチ、パフォーマンス共に評価いただけた事ももちろん嬉しかったですが、
この怒濤のスケジュールの中、体調を崩さず、全てにおいて満足のいく結果を出すことが出来たというのが、何より嬉しかったですね。
そして、帰国後は、各種ビジネス誌の取材ラッシュ。
>> 東洋経済新報社 Think!(シンク) AUTUMN 2013 No.47
>> 朝日新聞出版 AERA 2013年11月25日号 『人生変える「プレゼン力」』
>> 人生が変わる!読書術 (学研ムック 仕事の教科書4) [大型本]
TV番組収録も数本ありましたが、
一部は放送が来年を予定していますので、こちらもご期待下さい。
そして12月、最近は何をしているのかというと、
絶賛引きこもり中だったりします。
正確には出かけたり、ショーの仕事ももちろんあるのですが、
デスクワークの割合が9割近くを占めている状況。
その理由、詳細はまだ明かすことが出来ないのですが、
来年の2~3月頃には皆さんの目に見える形でお披露目できるのではないかと思います。
そういう意味では、今年もこの年越しのタイミングは、
あまり節目のような感覚を抱いていません。
2013年を一言で表すと
やはり『人』だったかなと思います。
これまでも毎年そうだったし、
たぶんこれからも毎年同じ文字が浮かんでくる気もしますが、
込める意味はそれぞれ違ってくるのかなと。
2013年は、まさに私にとっての『TED元年』であり、
登壇前・登壇後で周囲の環境が一変したのは言うまでもありません。
そんなTED登壇が叶ったのは、きれい事でも何でもなく、
日々支えてくださる皆さんのおかげに他なりません。
改めて、感謝申し上げます。
また、TED登壇を機に、今まではとてもお会いできなかったような、
多くの方々との素晴らしい出会いがありました。
皆さんとの交流から得た経験は、
私にとって新たな知識となり、閃きを生み、
次なる成長への糧となっています。
2014年は、そうして得られた糧を皆さんにお返しできるような、
恩返しの年にしたいと思っています。
(実は、昨今注力しているデスクワークも、それに関係しています)
2014年も、温かい応援の程お願いできれば幸いです。
それでは皆さん、よいお年を!