地球上に在る泣いている人間の割合が、それ以外の人間の割合より多いとき、空が泣くのだ。
という話をどこかで聞いたなあと思いながら、まだ小雨の街路を足早に行く。
じゃあお前はきっと、少数派なんだなあ。だって、機嫌が良い日にゃ雨が降るし、嵐がきたって怒っちゃない。
そんな全世界の憂いと反比例する曲者が口を曲げながら今日は珍しく
「雨の日は、気分が暗くなるね」
と言った。
やめてくれ、最後の砦よ。どうか多数派に丸め込まれないで。いつもの調子で笑っておくれよ。

でもさ少し、わかるよ。

雨足が随分と大きな足音を立てる頃、僕は潰れた本屋でひとり、雨宿り。
この空が泣き止む頃、お前はずぶ濡れで泣いているのかな。
そうであって欲しいと願う僕は、勝手だね。
どうかせめて、この雨がもう少し止みませんように。