時計を見る。時刻は深夜、二時四十分。
瞼を閉じて、暫く。また開いて時計を見る。今晩、こんな事をもう何度繰り返した事だろうか。
まずい、早く寝なければ、と、また目を閉じる。しかし眠る事に対し焦りが滲むと眠りに落ちる事はもう容易くない。
結局この後、僕は4時まで眉間に皺を寄せながら寝返りを繰り返し続けた。

空腹で目が覚める。不思議と目覚めが良い。妙に目が冴えている。時刻は朝、七時四十分。
八時丁度にかけたアラームを見て、あと二十分寝れたのに、と悔やむ。しかし今からもう一度眠りに付く程の眠気は、もうこの目玉の奥には残っていなかった。僕はアラームを解除した。

九時三十分。車内。
宇多田ヒカルの新曲を聴きながら首都高の渋滞と格闘。ここでようやく寝不足が祟り睡魔が僕の睫毛にぶら下がる。眠い。眠い。

十一時。会場入り。
既に多くのスタッフが準備を始めてくれている。今日という日を作る為にこんなに多くの人が携わってくれているんだという事実に、感謝と責任を混ぜ合わせたような、混沌としたエネルギーが身体を駆け巡る。

十五時。遅めの昼食。
今日のケータリングはチキンソテー弁当。おいしい。
ちなみに、僕の中のお肉カーストは、魚肉に次いで、鶏肉、牛肉、豚肉。

十六時。リハーサル。
優秀なオペレーターさんが居てくれるお陰で、とても歌いやすい。
映像のサイズやタイミング、照明機材の確認、特に問題無く済ませられた。良かった。

十七時。THE LITTLE BLACKのリハーサルを見学。
これをガレージロックと呼ぶのか。これまで聴いてこなかったジャンル、しかしむちゃくちゃカッコイイ。気だるげでグルーヴィなサウンドにあの歌声。ずるい…。

二十時。楽屋。
本番前、流れの確認。メンバーと気持ちを高め合う。その後、Aimerのポラリスを聴く。身体の中の時間がゆっくりになって、強張っていた身体が穏やかになっていくのを感じる。
いつも通りの本番前。

二十時三十五分。舞台袖。
照明が落ちると会場から拍手が聞こえてきた。これを機に身体に纏わり付いていた最後の緊張が一気に消え去る。
メンバーと円陣を組む。「良いライブにしよう」とだけ言った。ちょっと前までは円陣を組んで声出しするなんて、恥ずかしくてやれなかったのにな、とまた少し嬉しくなる。
ステージに上がる前、亮に背中を叩いてくれと言った。3回も叩かれた。痛かった。

僕一人では、何も出来ないと思っています。
しかしメンバーと居れば、何か出来るんじゃないかと思えてきます。
そしてみんなの笑顔を見ると、何でもやれると確信できます。

昨日は最高に幸せな一日でした。
みんな、ありがとう。