世の中には二種類の人間がいます。本を読む人間と、まったく読まない人間です。
いま、知り合ったばかりの相手が本を読むタイプなのかどうかは、10分も話せばわかります。

インターネットでは、「情報」には簡単にアクセスできますが、それだけで「知性」を手に入れるのはとうてい無理な話です。
なかには、ぼくがたまに例として挙げる「うつ病の聖杯」のように読者の知性を問うすばらしいコラムもありますが、いまっぽいSNS文化のなかでこうしたインテリジェンスを発見するのはかなり困難でしょう。
できれば、読書の習慣は、中学生くらいのうちに身につけられたい。大人になってからまったく苦に思わず読書の習慣をつくるのは、どうやら難易度が高そうだと感じています。

よく、ツイッターや質問箱でおすすめの本を聞かれます。たいへん難しい質問です。それがビジネス書のことなのか、誰しも本来読むべき教養としての本なのかもわかりませんし、相手の知識レベルもわかりません。
また、おすすめされた本を読むだけではなく、「自分で選んで微妙だったなあと思う読書体験を重ねる」こと自体も重要なことです。日高屋のラーメンも富麗華のラーメンも食べてみないと、その差はわからないのです。


◾︎自己啓発

さて、そもそもぼくは今の時点で、自己啓発本に興味がありません。このカテゴリは、何冊か読んだら酔いしれ、しかし百冊も読むと「どの本にも同じこと書いてあんな…」と気づく浅い分野だからです。
disるわけではなく、自己啓発カテゴリは、読書初心者にやる気を起こさせるためのものなので、構造的に「わかりやすく、浅くなければならない」のです。
本を読み始めて自己啓発本にハマるのは、はしかのようなもの。トレンドは知らないので、古典をいくつか紹介するにとどめます。
めんどくさいので画像やAmazonリンクは貼りません。

『道は開ける』デール・カーネギー
おすすめ度 5/5
難しさ 1/5
コメント:著者のカーネギーは、いまあるすべての自己啓発本の源泉となっている存在です。これと『人を動かす』を読んでおけば、手塚治虫の『火の鳥』と『鉄腕アトム』を読んだようなものです。

『道をひらく』松下幸之助
おすすめ度 5/5
難しさ 1/5
コメント:パナソニック(旧松下電器産業)の創業者である松下幸之助は、実は著作家として和製カーネギーという一面を持っています。現在でも、超大物経営者のほとんどは、この松下イズムの影響下にあります。抑えておくべき本です。

『金持ち父さん 貧乏父さん』ロバート・キヨサキ
おすすめ度 5/5
難しさ 2/5
コメント:断っておくと、ぼくはこの本がとても嫌いです。なぜなら、この本に影響されて「金持ち父さん(=ビジネスオーナー)になる!」と息巻いた多くの人間がマルチ商法に引きずり込まれてしまったからです。
ぼくはマルチ商法を絶対に肯定しませんが、この本の内容の正しさ、資本主義社会をわかりやすく紐解いた説明力は、かと言って失われることがありません。

『ユダヤ人大富豪の教え』本田健
おすすめ度 4/5
難しさ 1/5
コメント:著者が財を成した経験を、ストーリー仕立てで追体験できる本。日本でもっとも影響を与えた自己啓発本のひとつ。本田健はこれだけ読めばオッケーです。


◾︎ビジネス立志伝

ここでは、「実用的・専門的ではない、経営者が書いた、または経営者のことを書いた本」を扱います。

『Den Fujitaの商法』シリーズ 藤田田
おすすめ度 5/5
難しさ 1/5
コメント:藤田田は、米マクドナルドと交渉し、日本マクドナルド社を創業した怪物です。日本のトイザらスも彼です。東大在学中にゴルフ用具の転売で荒稼ぎしたり、とにかく破天荒で豪腕。孫正義が憧れた経営者でもあり、「コンピュータの事業をやりなさい」と助言を受けソフトバンクが設立されたことでも有名ですね。本書は藤田田の思考がわかりやすくズバズバと書かれている。

『渋谷ではたらく社長の告白』藤田晋
おすすめ度 4/5
難しさ 2/5
コメント:渋谷がビットバレーと呼ばれ、もっともITバブルが加熱した業界で「麻雀に溺れた無気力な学生」である藤田社長が成り上がるストーリー。仲間の離反や、先輩起業家との交渉がリアル。かつて小説家を夢見たという藤田社長の文体も迫力を与えている。

『冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見』ジム・ロジャース
おすすめ度 5/5
難しさ 3/5
コメント:世界の三大投資家のひとりとされるロジャースは、何度か世界を一周している。たまに奥さんと車で世界一周したりする。やばすぎ。政治経済の関係を見つめ、ダイナミックに国際市場の動向を予想する本書。古いけど。

遊ぶ奴ほどよくデキる!』大前研一
おすすめ度 3/5
難しさ 1/5
コメント:大前研一は日本一のビジネス書作家だと思う。本当は、『企業参謀』と『チャイナ・インパクト』がケタ外れにすごいのだけど、大前研一のプライベートを垣間見れる本はこれくらいなのでしぶしぶピックアップ。海外出張にいったら家を買うフリして不動産屋をつかうよ、とか、選ぶ時間がもったいないからおなじシャツをたくさん持ってるよとか、そんな内容だった気がする。

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※一気におすすめを思い出すのがむずかしいため、本記事はたまにアップデートします。