昨日はヘアサロンIJK omotesandoの拡張移転パーティでした。オーナーの芝原さんとはプライベートでもよく飲ませていただいています。BULK HOMMEを取り扱っていただいている関係もあり、男同士のくだらないことから仕事についてまで、話の尽きない仲になりました。
まあ律儀な男で、自分が呼んだ席には必ず駆けつけてくれるタイプ。こういうパーティは仲間が集まる稀な機会ですから、パーティが苦手なぼくでもお祝いせずにはいられませんでした。主催の心労もよくわかります。
ということで彼が好きな銘柄を差し入れ。
もともと芝原さんは、歴史のあるコッテコテなヘアサロンでがんばってきたタイプです。
いざ独立してユーザーがついてきてくれるのか、スタイリストの採用はどうすればいいのか、思い悩んでいた時期が長かった。タイミングよく採用できたスタッフが伸び悩むと、
「自分はモデハン(道端で施術の練習相手を探す活動)で美容師として地道にやってきたし、新しいやりかたなんて思いつきもしない…」
と、頭を抱えていました。
ぼくは店舗型のビジネスに明るいわけでもありませんが、ユーザーの行動や見る媒体が変化しているんだから、古いやり方にとらわれる必要はないよ、いまブログでマーケティングに成功している美容師も過去には疎まれていたんだ、みたいなことを話した記憶があります。
それからの芝原さんは吹っ切れたようでした。
2年あまりの経営を通じて集まったスタッフのみなさん、一人ひとりを紹介する場面。
店頭でランジェリーを販売したい。
顧客の靴を磨いて付加価値をつくりたい。
特殊メイクのアーティストとして活動するが、美容師業も好きで続けたい。
気がつくと、IJKさんはそんな個性的な野心とバックグラウンドを持った才能の集団になっていました。
よく会うせいでわかりませんでしたが、芝原さんのこの振り幅の大きさは出会った人物のなかでも圧倒的に感じます。
オールドスクールしか経験していない、ほかの成功体験を持たない彼が、これだけキャパシティを広げられたのは、懐を深く構えることができたからに他ならないでしょう。
ただ誰でもなんでも受け入れるというわけではない。本物の情熱であると理解したときから、彼は100%の力でスタッフのやりたいことを正しいと信じ、自信を持って顧客にプレゼンテーションするのです。
これを出発点として、自分だけのワンマンな組織ではなし得ない価値創造、生き残るための変化がもたらされるのでしょう。
シビアなバランス感覚ですが、付き合いの濃い友人から「必要な懐の深さ」について考えさせられ、学ばせてもらいました。
何回行ってもタレント揃いで飽きないお店です。よかったらぜひ。
芝原お疲れさま!