空想物語「ドラゴンのエナジーが満ちるまで」の昨日の続き。

写真は、昨日と同じく先日川越に行ったときの花。



ーーー


ドラゴンが出かけた。

空にのぼって行った。

わたしはそれを見送りながら、ぼんやりしていた。

星が見えない真っ暗な空が広がる。


ドラゴンの近くに、黒い影を見た。

思い出した。かつての、彼女たちを。門の中にいる凰家を。ドラゴンくんと出会ったあの雨の日を、あの情景を。


ドラゴンが帰ってきた。

私の周りに円を描くように体を横たえる。

傷ついていた。かつての、鳳くんを思い出した。


そっと触れる。寄り添うように体を寄せる。君がくれた氷の輪が呼応する。


星がひとつ瞬く。

遠くで、不死鳥さんの声が聞こえた気がした。