先日、少しだけ顔を出した、覚えてくださっている方は覚えている、ドラゴンくん。と、その世界。わたしの空想物語の世界にいて、たまに顔を出す。




今もまた。久しぶりに顔を出してから、たまに思い出して、また書こうかなと思う日々。でも、冒頭のシーンで、いつも止まってしまう。
書き始めたら動くだろうか。

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ドラゴンくんと、不死鳥さんが対マンをはるように向かいあっている。珍しい図だ。

「凰ちゃんは、今人間だから」

そんな声が聞こえた。
どちらが探し始めたかはわからない。けれどどうやら凰ちゃんを探しているようで、不死鳥さんは少し威嚇するように羽を広げる。

ふたりの頭を過ぎるのは、鳳くん。

そんなとき、茂る緑が揺れた。高い高い、空の近くで。ドラゴンくんは見上げ、不死鳥さんは羽を一度羽ばたかせる。鳴く声が聞こえた。

「お前は誰だ」

空を泳ぐように一回りする竜の姿に、不死鳥さんの視線は鋭くなって、ドラゴンくんは変わらぬ表情で凰ちゃんの姿をその背に探していた。