大変炎上したので御存知の方も多いかもしれませんが、僕の絵本は『えんとつ町のプペル』から分業体制で作っております。

まず、僕がキービジュアルを何枚か描きます。こんなヤツです↓
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同時進行でイメージソングを作って、テキトーに撮影して、曲の仕上げを渡邊崇さんに丸投げ。
こんな感じ↓
そこから、スケッチブックに絵コンテをバババッと描いていきます。
ページの左側には補足情報、右側にはラフ画といった感じで。
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描き上がった絵コンテは株式会社MUGENUPさんに送ります。
絵コンテを眺めながら、今回の作品にはどういったスタッフさんに協力してもらうかを制作統括のペランさん(イケメン)と相談します。
こんな感じです↓
一言で『絵』といっても、「森の絵」もあれば「機械の絵」もあって、絵描きさんによって、それぞれ得意分野は違います。
なので、なるべく作品の世界観に近い絵を普段描かれている方…その中でも今回の企画を面白がってくださる方に依頼させていただきます。

そして、ここはウヤムヤにしておきたくないので説明させていただきますが、この時点でギャランティーをお支払いしております。
つまり給料契約なのですが、ただ、『えんとつ町のプペル』の場合は例外で、大きな結果が出たので、後から「ボーナス」という形で(気持ちばかり)追加でお支払いさせていただきました。
まずはスタッフさんと、スタッフさんの御家族の生活を(給料という形で)保障して、「大きな結果が出れば、追加で分配する」という形です。
これは絵本に限らず、僕が手掛けるその他の仕事も大体この形態です。

『しるし書店』(まもなくリリースします)などを手掛ける株式会社おとぎ町は、代表取締役の僕と、取締役の矢崎さんの給料は(たしか)100円です。 
チームの一番の財産はスタッフさんとスタッフさんの御家族なので、そこが最優先です。

話を戻します。

そんな感じで分業体制で作られていきます。
『えんとつ町のプペル』の場合だと、『町』のチーフは六七質(むなしち)さん。
同じように、『キャラクター』のチーフや、『船』のチーフや、『星空』のチーフが、それぞれ存在します。

そして、各チームが仕上げてきたものを持ち寄り、構図のバランスや、色のバランスを見ながら、ガッチャンコ(合体)させていきます。
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本当はイラストチームが動く前に、「コラージュ」と呼ばれる作業や、その他にもいろんな作業があるのですが、全部話すとバチクソ長くなるので割愛させていただきます。
渡邊崇さんに仕上げていただいた楽曲も世界観作りの一翼を担っており、皆、曲の世界に合うように絵を仕上げていきます。

とにもかくにも、1ページを仕上げるのに、本当にたくさんのスタッフさんの汗が流れています。

…とまぁ、こんな感じで僕の絵本は作られているのですが、次回作『チックタック ~約束の時計台~』からは、ここから作業行程がもう一つ増えます。

今回、増える仕事は『絵コンテの直し』です。

やはり今回も僕がこのように『絵コンテ』を描きます。
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ただ、僕は『絵コンテ』のプロではありませんし、僕よりも魅力的な構図を生み出す人は山ほどいます。
僕の目的は圧倒的な作品を生むことなので、僕よりも優秀な人がいれば、その人に仕事を任せます。 

というわけで、今回は『絵コンテの直し』をしてくださるスタッフさん(MZNさん)に入っていただくことにしました。

昨日、走り描きの(超ラフ段階の)絵コンテのが届いたのですが、「やっぱりプロってスゲーなー」と思ったのが、こちら。


まず、僕が描いた絵コンテはコレ↓
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そして、スタッフさんが直してくださったのが、コチラ↓
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スタッフさんの方は本当に走り描きなので、描き込み量ではなくて、構図で判断していただきたいのですが、この一枚が本当にステキ。

というのも、今回の物語は基本、時計台の中だけで繰り広げられるので、絵変わりが“あまり”ありません。

そんな中、時計台の外からカメラを狙って、ガラスに外の景色を反射させることで、時計台の中と外壁と、そして外の景色を描くことができます。

いやはや、恐れ入ります。

その他にも、ステキな“直し”がたくさん届きました。
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「ほへー!そんなアングルから狙うのねー!」の連続です。

いやはや実に面白いです。


こんな感じで次回作『チックタック ~約束の時計台~』の制作を進めております。
完成は来年か再来年です。
必ず感動させます。
お楽しみに!


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