親しい呑み友達が本屋さんを営んでいるので、僕が自分の本を届ける時は、「本屋さんいかに経由して、お客様に届けるか?」を意識しています。

本屋さんから「サイン本を作りに来て~」と連絡があれば、店に行き、サインを書き書き。
サインが入れ終わると、「今、サインを入れたので、是非、○○のお店でゲットしてくださーい」とSNSに店の情報をアップします。
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大阪のスタンダードブックストアさんでいえば『えんとつ町のプペル』だけでも、2000
~3000冊ほどサイン本を作らせていただきました。
1冊【直筆サイン本予約】『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』|西野亮廣(送料込・スタンダードブックストア オリジナルポストカード付) | STANDARD BOOKSTORE on the BASE
※1冊購入の方専用!※表示価格は税込・送料込みです。★スタンダードブックストア オリジナルポストカード付★西野亮廣さんが初めてインスタグラムに登場させた人物画 第一号として、当店代表・中川和彦のポートレイトを描いてくれました。※こちらは、2017/10/4発売商品の予約画面です。発送は、西野さんにサインをいただいてから順次行います。※※別の商品と一緒には購入できません。スクロールで1冊を選択後、そのまま精算画面へお進みください。※お名入れサービスは現在行っておりません。※※代引き・後払い不可※クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を個人で調達し、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた天才クリエイターが語る、"現代のお金の作り方と使い方"と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方。■西野亮廣・著■価格:税込1,500円■出版社: 幻冬舎■ISBN-13: 978-4344031555
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どのみち僕のSNSにURLを添付して、僕に興味がある人に声をかけるのであれば、早い話、自分のネットショップのURLを添付して、そこでサイン本を販売すればいいのですが、本屋さんから声がかかった場合は、自身のネットショップを閉めて、本屋さんで本を売るようにしています。

これは本屋さんに限った話ではなく、出版社や取次さんにしてもそう。
利益だけを考えると、今の時代、クラウドファンディングで"予約販売"をして、流通を介さず、"産地直送"で送ってしまえばいいし、そういう本があってもいいと思いますが、しかし、僕が本を書き、その本を届ける最大の目的は「コミュニケーション」の獲得なので、自分の本はなるべく他人を介するようにしています。

完成した本が、お客様の手に届くまでにかかる(現代では削ろうと思えば削れる)コストを僕は無駄だとは思っておらず、そこに
生まれる「コミュニケーション」の獲得に支払っていると僕は考えております。


一方で、
僕は自分が手掛けるライブのDVDを流通に乗せておりません。
DVDを販売(流通)している知り合いがいないので、スッ飛ばして、基本、手売りです。

工場に直接問い合わせたところ、DVDの原価なんて、たかが知れていて、
何故そんな値段になってしまって、
何故それだけ売れないと赤字になってしまうのか?
その理由は、「DVDが、お客さんの手に届くまでの間にいるスタッフさんのお給料を賄わなければならないから」でした。


2014年の独演会のDVDは、会場限定販売。

流通を通していないので《90枚売れればペイという状態》で、2000枚ほど売れたので、利益分は全額ニューヨーク公演の開催費用に。
利益が予想以上に出たので、独演会のニューヨーク公演のチケット代をゼロ円にしてみました。
本当は、この仕組み(手売りDVDの売り上げをプールして、運営費用に回す)で海外公演は無料で続けることができるのですが、ある時から、手売りDVDの売り上げを吉本がウヤムヤにし始めて、僕はお金にダラシナイのが嫌いなので、ことライブDVDに関しては、吉本とは組まないことに決めました。
今後、やるとしたら、友達か自分の会社でやります。


流通を介さなくても作品が届けられるようになり、
ハコ(場所)を取り上げられてもタレントはお客さんと繋がることができるようになり、「本屋と作家」「事務所とタレント」といった『親と子』の関係は溶けてしまいました。

事務所であろうが、
テレビ局であろうが、
出版社であろうが、
本屋さんであろうが、
個人と対等で、
僕は、「一緒に頑張りましょう」というスタンスの人とは徹底的に付き合いますし、
旧態依然としたオラオラで来られるのなら、人として関わりたくないので「じゃあ、いいッス」とお返します。

ちなみに、『革命のファンファーレ』では、そこそこ大きめの駅看板(駅の広告枠)を個人で買おうと思っているのですが、場所は、「新宿紀伊國屋書店さんから一番近い看板」と決めています。
駅看板はなかなか空いていなくて、発売の時期から多少ズレようとも、それでも、新宿紀伊國屋書店さんの近くの看板を買います。

数年前、僕が処女作を出した時に、新宿紀伊國屋書店の店員さんが、一生懸命手作りのポップを作ってくださったからです。

お客さんが新宿紀伊國屋書店さんに流れればいいと思っています。


インターネットが親子関係を溶かし、すべてをフラットにしました。
これまで、親には「干す」という権利がありましたが、これからは、その権利を行使すればするほど、単純に付き合う相手が減り、自分の首が絞まります。


その上で、ここからが本題です。

先日、絵本作家の『のぶみ』さんが、SNSで、AmazonのURLを添付して、「Amazonでお買い求めください」と呟いたところ、一部の本屋さん達から、「もう、のぶみの絵本は置かない!」というコメントが届き、炎上しました。

本屋さんの気持ちもすごく良く分かります。
「せっかく頑張って、あなたの本を並べているのに、なんで、お客さんをAmazonに流すんだ!本屋に流せよ!」といったところでしょう。

一方、僕も一応作家をやっているので、のぶみサンの気持ちもすごく良く分かります。

新刊を出すと、「本屋さんを3軒回ったのですが、西野サンの本が置いてませ~ん(涙)」といったコメントが毎日本当にたくさん届きます。
せっかく買いたい人がいるのに、本が届かない作家のジレンマは相当なもので、確実に本を届けることができるAmazonに誘導するのは、道理に反した行為だとは僕は思いません。だって、届けたいんだもん。

本屋さんだって同じことをするじゃないですか。
のぶみサン以外の作家さんをSNSや店頭でオススメすることもあるでしょう。


双方の言い分は分かります。

しかし個人的には、
本屋さんが「干しますよ」という旨のコメントを公の場で発表してしまうのは、あまり得策ではないと感じました。
もう本屋さんは『親』ではないからです。

そして、もう一つ。

スマホによって、すべてのエンタメが同じ棚に並べられるようになった今、その中から、一冊の本を買ってもらうには、
メルカリよりも、
ポケモンGOよりも、
恋人からのLINEよりも、
EXILEのライブよりも、
サイゼリヤよりも、
ゲームよりも何よりも、
まずは『本』を選んでもらわねばなりません。

本屋さんのライバルは「隣の本屋」ではなく、世の中のエンタメ全てです。
まずは、本のファンの分母を増やすことが大事で、隣の本屋さんの売り上げを伸ばすことが大事なので、本屋さんがAmazonと削り合っているところを見るたび、「勿体ねぇなぁ」と思っています。

そういえば、
僕が『えんとつ町のプペル』をネット上で無料公開した時も、一部の本屋さんから「そんなことをしたら、本屋で本が売れなくなるじゃないか!」というお叱りを受けたのですが、その後、無料公開が話題となり、たくさんの本が本屋さんで売れました。
当然、Amazonでも売れました。

少ないパイを奪い合っても未来はありません。
本屋さんの味方は、本を販売している全ての店です。
本屋さん同士で小競り合いをしている場合じゃないし、本屋さんと作家の関係は、どちらが『親』ということはなく、マウントの取り合いをしている場合じゃありません。
この認識のアップデートが済んでいない本屋さんはキチンと時代に潰されると思います。

本に携わる人間がまずやらなきゃいけないことは、「本って、おもしれー」と本に興味を持ってもらうことで、隣の本屋さんがその活動をやっていれば、シェアしてあげればいいと思います。