少し前にチラッとだけお話ししましたが、絵本の次回作『チックタック ~約束の時計台~』の制作にあたり、事務所が「制作費を出すよー」と声をかけてくれたのですが、丁重にお断りしました。
またクラウドファンディングで作ります。

お断りした理由は2つ。

一つ目は、僕の活動理念が「全員クリエイター、全員オーディエンス」であること。
僕と吉本興業で作品を完成させてしまうと、クリエイターとオーディエンスがキッパリと分かれた旧来型のエンタメになってしまいます。
そこで、どれだけ完成度の高いものができようが、個人が発信することに慣れてしまった現代において、「作ったから、お前らは黙って見ろ!」という作品は、いささか退屈です。
「作品の完成度=エンタメのクオリティー」と僕は考えておりません。

ついでに言うと、作り手が減ると、リアルに売り上げも落ち込むと思います。

制作費のお誘いをお断りした二つ目の理由は、分業制の絵本の制作費を所属事務所に出してもらうと、選ばれた人間しか作ることができなくなり、『絵本を分業で作る』という選択肢が根付かないからです。
事務所に所属している人間なんて一部だし、
事務所がお金を出してくれる人間なんて一部です。
その人間にしかできないことをやっても、あまり面白くありません。

なぜなら僕の趣味が「選択肢を増やすこと」だからです。
「あれもアリだし、こういうやり方もアリだぜ」とお見せして、ことあるごとに「かくあるべし!」と言う世間の皆様の道徳を突破するのが結構好きです。
ちなみに、戦争が始まると、人々の選択肢が極端に減るので、戦争が嫌いです。

クラウドファンディングで制作費を集めて『えんとつ町のプペル』を分業制で作ることを発表した時も、ずいぶん批判されました。

「そんなものは売れない」とも言われましたし、具体的理由は何もなく、ただただ「絵本は一人で作るものである。複数のスタッフで作ったらダメなのである」とも言われました。
僕は僕の友達が面白がってくれたらそれでいいので、世間の声はフルシカト。
おかまいなしにプロジェクトを進めました。

ただ、たった"クラウドファンディングで絵本を分業性で作るだけ"で、批判が発生してしまうような国です。
気持ちの弱い人は、なかなか踏み切れないと思います。

しかし、
『えんとつ町のプペル』に続き、次回作『チックタック ~約束の時計台~』もクラウドファンディングで費用を集めて、分業制で作り、キチンとヒットさせれば、その作り方は市民権を得るでしょう。
絵本制作の選択肢の一つになるでしょう。

その時、僕なんかよりも、もっともっと才能のある若いヤツが、クラウドファンディングでお金を集めて、分業制で、とんでもない絵本を作ってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。

面白いものが見たいです。とても。
面白いものを見せてもらえるのなら、そこに自分が携わってなくてもいいです。

『チックタック ~約束の時計台~』は現在制作中です。
あと2年ぐらいかかると思いますが、背景デザインが仕上がってきたので、特別にお見せします。
コチラです↓
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今日は、これからタイに飛びます。
『えんとつ町のプペル』の個展と、トークショーがあります。
明後日はベトナムっす。
その界隈におられる方、宜しくお願いします。