高校を卒業して、芸能界に飛び込んでみて、まず最初に驚いたのは『仮スケジュール』が常習化していたことだ。
慢性化と呼んだ方がいいかもしれない。

クライアント側(タレントでいうところの、テレビや興業主や広告主)が、タレントのスケジュールを仮で押さえるのだけれど、この仮スケジュールがバラシになっても、キャンセル料などが発生しない。
時間は返ってこないのだ。

企画会議で名前があがったタレントの事務所に、「とりあえず空けておいてもらえないですかね?」と予約連絡を入れ、そのタレントよりも、もっと良いタレントがブッキングできた場合は、予約をキャンセル。

つまり、『ドタキャンOK』なわけだ。

これを受け入れてしまうと、極端な話(たとえばね)、365日のスケジュールが仮押さえされて、365日がバラシになり、「丸々1年間何もできませんでした」という可能性が生まれてしまう。
 
タレントのスケジュールをクライアントが握っているという状態は、そういった可能性を含んだ極めて危険な状態なんだけど、何故、そのハチャメチャな条件を受け入れてしまっているかというと、タレント側に『仕事は頂くもの』という常識が深く根付いてしまっているからだ。
明確な上下関係が、そこにある。

今朝、「自分の人生の舵を他人に握らせてたまるもんですか!」という寝言で目覚めた僕は、"レギュラー番組以外の"仮スケジュールの仕事のオファーは全てお断りしている。
べつに、そのことで仕事が激減しても構わないし、そもそも仕事なんて自分で作ればいい。
僕は昔から、このスタンスで、こういうことを言うと「天狗ですか?」という流れになるんだけど、それも構わない。
自分の人生、自分の時間だ。

この変化の時代において、「自分から仕掛けられない」という状態は、もうメチャクチャ危険だ。
起業癖、転職癖は身に付けておいた方がいいし、「時間が奪われる」ということに、もう少し意識をもっていった方がいいと、僕は思う。