現在、今秋に出版するビジネス書『革命のファンファーレ ~現代のお金と広告戦略~』の原稿を手直ししているところです。

お金の話と、広告の話をする上で、「『えんとつ町のプペル』の作り方」を踏まえておかねばならないのですが、これについては、前作『魔法のコンパス』でも書いたし、方々で話していることなので、内容をブログに転載しておきます。
もちろん、コピペ&無断転載オッケーです。
フリー素材なので、自由に使ってください。

第1章 メガヒットの作り方

 

『作り方を疑え』

 

絵本『えんとつ町のプペル』はマグレ当たりでも何でもなく、連日会議を繰り返し「ここまで準備したらヒットするしかない」というレベルまで追いこんで、確実に当てにいった。

当初、ウチのチーフマネージャーは「国内で30万部、世界で100万部」と目標を掲げ、現在、『えんとつ町のプペル』の売り上げは国内で30万部を突破し、海外での出版が決まり始めている。

たしかに数カ国での出版は決まっているが、100万という数字はまだまだ遠い。「第1目標の国内で30万部はクリアしたけど、ここから先の具体的な勝ち方はまだ見えていないよね」というのが現状だ。

しかし、まあ、国内で30万部はとりあえず売った。

「5000部売れればヒット」と言われる絵本の世界ではメガヒットだ。

僕らが『えんとつ町のプペル』を、どのように作り、どのように売ったか?

そんな話から始めてみることにする。

 

 

まずは、『えんとつ町のプペル』の制作について。これについては『魔法のコンパス~道なき道の歩き方~』(主婦と生活社)でも触れたが、知らない方もいらっしゃるので、知っている方は"おさらい"として、ここであらためて。

絵本『えんとつ町のプペル』が、これまでの絵本と大きく作り方が変わった点は"超分業制"にしたということ。

一人で黙々と作業をしていて、「そういえば、なんで一人で絵本を作っているんだろう?」と思ったことが全ての始まり。

 

たとえば映画は、監督さんがいて、助監督さんがいて、照明さんやメイクさんや美術さんがいて、役者さんがいていろんな人間が自分の得意技を持ち寄り、分業制で作品を作り上げていく。

監督さんがメイクを担当するよりも、プロのメイクさんにメイクを任せた方が、作品の質が上がるから「ここはお願いね!」と仕事を任せる。

 

会社組織もそう。社長、部長、課長、社員、受付と分業制。

家族も分業制だ。働くことが得意なお父さんが働きに出て、家事が得意なお母さんが家事をする。

アニメーションもそうだし、漫画だってそうだ。『ワンピース』は尾田栄一郎さん一人で作られているわけではない。

 

世の中のほとんどのモノが分業制で回っているのに、どういうわけか絵本は「一人で作る」ということで決まってしまっている。

『絵』と『文』で役割分担している作品はよく見るが、『絵』の分業は見当たらない。

しかし、『絵』ひとつとっても、「空を描く作業」と「色を塗る作業」と「キャラクターをデザインする作業」は、微妙に業務内容が違う。

「空は描けないけれど、色塗りなら誰にも負けない」という人もいれば、

「色は塗れないけれど、キャラクターデザインなら誰にも負けない」という人もいれば、

「キャラクターは生み出せないけど、空を描かしたら誰にも負けない」という人もいる。

 

だったら、いっそのこと、「空のプロフェッショナル」「色塗りのプロフェッショナル」「キャラクターデザインのプロフェッショナル」を集めて、映画のように"超分業制"で絵本を作ってみたら、面白い作品が生まれるのでは?と考えた。

さて、ここで気になることがある。

「絵本を分業制で作る」なんて誰でも思いつく。世の中のほとんどのモノが分業制で作られているのだから「絵本だって…」という考えが出てくる方が自然だ。突飛なアイデアでも何でもない。

 ところが、事実として、超分業制で作られている絵本は世の中に存在しない。

問題は、「これまでたくさん思いつかれたであろう『分業制で絵本を作る』というアイデアが、何故、形になっていないのか?」という点だ。

 

その原因は、すぐに見つかった。

1万部売れれば大ベストセラーと言われる絵本市場。極端に市場が小さいものだから、売り上げが見込めない。

売り上げが見込めないということは、制作費を用意することができない。

制作費がないということは、スタッフにお支払いするギャランティーが用意できない。

つまり、業界の構造上、絵本は『一人で作る』しか選択肢がないのだ。

 

絵本を一人で作らせている原因のド真中に『お金』という問題があった。

ならば、お金さえ集めてしまえば『分業制』という選択肢をとることができる。

というわけで、絵本『えんとつ町のプペル』の制作で一番最初にやった作業は、「資金調達」であった。

ついつい飛ばしてしまいがちな「作り方を疑う」という作業から始めると、何やら人が手をつけていない問題が出てきた。つまり、その時点で他との圧倒的な差別化を図ることができたのだ。あとは問題をクリアするだけ。

さて、『えんとつ町のプぺル』を作る為にはお金を集めなきゃいけないのだけれど、お金ってどうやって集めるんだっけ?

続いてはそんな話をしてみる。

学校じゃ絶対に教えてくれない「お金の集め方」だ。



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