「20代で死ぬ気で働いた人間だけが、30代で夢の切符を手にする」的な記事がTLに流れてきて、「へぇー、そうなんだー」と思って読み進めていたら、成功事例みたいな感じで自分の名前が出てきて、ひっくり返った。

成功の定義は人それぞれなので、僕が成功しているかどうかはさておき(好感度の面では歴史的大敗!)、自分の20代を振り返ってみた。

あんまり技術もセンスもなかったけれど、売れるのだけはお笑い史の中でもトップ3に入るほど早かったと思う。
デビュー…というかデビュー前(養成所時代)に売れて、最初からスケジュールがパンパン。
梶原が精神的にまいっちゃって、失踪して、仕事が全部無くなるまでは、1日1~2時間睡眠が数年間続いた。  

先輩方のようにネタのストックがなかったので、漫才の新ネタを週に4本、ショートコントを月に20本、とにかく書いて書いて書きまくった。
僕がネタを書いている間は、梶原は睡眠をとったり、そこそこ息抜きなんかもしていたので、梶原が先にパンクをしたことは今でも納得がいってない。パンクするなら絶対に僕の方が先だろ。

まとまった休みなんてもちろんないし、数ヵ月に一度の休みの日にはネタを書きためておかなきゃいけない。
小金を持ち始めた頃、同じような環境にあった仲間の芸人は、ゴルフや麻雀やダイビングやダーツに興じた。
何度も何度も誘われたけど、全部断った。

一番好きなことを仕事にしているのに、それを後回しにして、二番目や三番目に好きなことをやれる構造が理解できなかった。
今考えてみると、今の僕でいう『しるし書店』だったり『おとぎ町』が、それに当たるのかなぁ。「アレも面白い、コレも面白い。いろんな面白いがあってもいいじゃん」なのだが、当時は、そこまで視野が広くなかったのかも。

とにかく朝から、夜に気絶して倒れるまで、ネタを書いて、舞台に立って、バラエティーに出て、会議を重ねて、ネタを書いた。
そして、そこに"我慢"はなかった。

「たまには息抜きも必要だよ」と、それっぽいことを言われたが、今、一番楽しいことをやっているのに、何故それを止めなきゃいけないのか理解できなかった。
カラオケをしている最中に、突然、他人が割って入ってきて、「息抜きも必要だよ」とマイクを取り上げられる感じ。
おい!俺、今、遊んでんだよ。

つまり、まわりから見れば働き者だったかもしれないけれど、当人は働いている自覚がなかったんだよね。
TLに流れてきた記事を読んでいて、働いている(努力している)と思いながら働いている時点で、隙があると思った。

もっとも、これは僕個人の感想なので、
「みんなもそうした方がいいよー」という話ではありません。
ただ、僕は20代は我慢しなかったかな(^-^)