父ちゃんは普通のサラリーマンで、僕は4人兄弟の3番目。兄、姉、僕、弟の順だ。
僕の洋服や自転車やアレやコレは全部、兄ちゃんの"おさがり"で、いつも新品のモノを身につけていた長男や長女を羨ましく思っていた。
そして、長男と弟は年が11も離れているもんだから、さすがに"おさがり"というわけにもいかず、弟は弟で新品を身につけていた。
末の子の可愛がられようときたらハンパなく、生誕直後からバブルを迎えていて、これまた羨ましかった。
サラリーマン家庭の4人兄弟なので裕福なわけがなく、『お小遣い』なんぞあるわけがない。
加えて、このような兄弟構成でスクスクと育ったので、いまだに金持ちじみた趣味が得意ではない。
『ギャラリー』もその一つ。
中に入ってみたら、なんてことないということが分かるんだけれど、中に入るのが難しい。
敷居が高くて、なんだかコチラが値踏みされているような気持ちになって、「こんな服装で入っていいのだろうか?」「あそこはお金持ちが出入りする場所ではなかろうか?」と億劫になった。
「額縁に入った絵を光らせられる」という話を聞いた時に、すぐに「ギャラリーを飛び出せる」と思った。
「ギャラリーは自分なんかが出入りする場所じゃない」と思っていたあの頃の自分に届けることができると思って、迷わず「『えんとつ町のプペル』を光らせよう」とスタッフに言った。
他人の本当の気持ちなんて僕には分からないけれど、子供時分の僕が喜ぶか悲しむかは分かる。
「右へ進む・左へ進む」「やる・やらない」のリトマス紙は常にそこで、サラリーマン家庭の4人兄弟の3番目のアイツが喜ぶものはGOだ。
『えんとつ町のプペル展』を光らせてしまえば、照明設備や白い壁などない、トンネルの中や商店街や鳥取砂丘で開催することができる。
さっそく準備にとりかかり、ついに初の屋外展示となる『えんとつ町のプペル 光る絵本展』を青森県・弘前市で開催された。
一発目は、どうしても夜桜とコラボしたくて、選んだのは『桜まつり』真っ只中の弘前公園。
昨日、現場に足を運んだんだけれど、本当にたくさんの親子連れが、「ん?なんかやってるぞ」「なんか光ってるぞ」と、『えんとつ町のプペル展』の門をくぐってくださった。
予定にはなかったけど、即席のサイン会。
何も知らないチビッ子が「これ、オッサンが作ったんか?」とアホみたいな顔で訊いてきたので、「みんなで作ったよ」と返した。
こういう会話をしたくて、ギャラリーを飛び出したのだと思った。
『えんとつ町のプペル展』の動員数は、昨日、10万人と発表したが、最新の情報では、まもなく20万人に届くそうな。
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神戸なんて、最初、誰も来ていなくて、気になったので調べてみると、看板の出し方と、導線の作り方が本当に雑で、そこを直した途端に入場4時間待ち。行列は隣駅までのびた。
こういうことがイチイチ勉強になる。
昨日、弘前公園に入って驚いたのが、プペル展の絵の並べ方。
お客さんの導線に対して、見事に背を向けちゃっている。
"別の用事で来た人をいかに巻き込むか"が大切なので、これは大間違い。
これだと、動員面では室内でやる個展と変わらない。
あと、物販ブースの設置場所も大きく間違っていたので、それも合わせて、すぐに直すように伝えたので、今日には直っていると思う。
「どこに渋滞を作れば効果的か」
この辺りは経験値だろうな。
このあと、オンラインサロンで動画をまじえて説明します。
たくさん経験して、たくさん学んで、
たくさん面白いモノを届けていきたい。
『えんとつ町のプペル展in弘前公園』は5月7日まで。
夜がオススメです。
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