作り手が本を売りたいタイミングと、買い手が本を買いたいタイミングは必ずしも合致するわけではないでしょ?
本屋さんに平積みされている時に欲しい人もいれば、制作途中に欲しい人もいる。

それなのに、発売から1~2週間、本屋さんに平積みされ、まもなく縦に置かれて、まもなく売り場から姿を消し、
「それならば、前もって…」とAmazon先生に頼りたいところだが、さすがのAmazon先生も、3ヶ月前からしか予約を受け付けていない。
発売3ヶ月前から発売後の1~2週間…本は、この期間内に売らなければ(結果を出さなければ)ならないのだ。

これって、売る側の都合でしかなくない?
買いたい人が、そのタイミングで欲しいとは限らないのだもの。

僕の絵本の場合、制作に数年かかってしまう。
制作初日に「買いたい」と思ってくれる人もいるわけだ。
そして、僕は「どのタイミングでもいいので、売りたい」と思っている。
それが、たったAmazonの都合や、たった本屋さんの都合で《届かない》なんておかしいじゃないか。

そう思って、『えんとつ町のプペル』は予約販売サイトを自分で立ち上げ、かなり前段階から販売した。

※販売サイトはコチラ↓
絵本『えんとつ町のプペル』(サイン入り・送料込み) | おとぎ商店 on the BASE
※入金確認後まもなく、システム上「商品を発送しました」というメールが届きますが、商品は発送の手配が済み次第のお届けとなります。くれぐれも、ご了承いただいた上、お申し込みください。※商品のご購入から5日以内に入金が確認できないとキャンセルとなります。尚、領収証は出せません。ご了承ください。※書店やAmazon等でお買い求めいただいた方が(サインは入りませんが)お安くなりますので、そちらもご検討ください。こちらの売り上げは、『えんとつ町のプペル』の海外普及に使わせていただきます。【あらすじ】煙突だらけの『えんとつ町』では、そこかしこから煙が上がり、頭の上はモックモク。黒い煙でモックモク。黒い煙に覆われた『えんとつ町』の住人は、青い空を知りやしない。輝く星を知りやしない。そんな町に生きるゴミ人間と、親を亡くした少年のもとに起こる奇跡の物語…・・・・・現在制作中の西野亮廣の最新作『えんとつ町のプペル(サイン入り)』です。
nishino.thebase.in

クラウドファンディングのリターンでも絵本を出して、事実上の予約販売をした。


絵本は1万部でヒットと言われるような小さな世界で、出版社も「初版は1万部」と言ってきたので、「僕が1万冊買って、発売日までに1万部売るので、初版は3万部にしてください」と、かけあった。

そんなこんなで、結構なハイペースで、これぐらいの絵本が自宅に届いた。
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自分で立ち上げた販売サイトで予約を受け付け、連日、数百冊にサインを入れて、レターパックに詰め込んで、送った。
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『えんとつ町のプペル』は本気で売ってやろうと思って、初版部数を上げる為に、個人で1万冊以上を買い取り、そして発売日までに1万冊以上の予約をとりつけ、1万冊以上を売り切った。

領収書の一部がコチラ↓
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(キングコング西野のInstagramより)

1725万8724円というバカみたいな数字だ。
ちなみに、この後に、650万円ぐらいの領収書が続く。

1万冊売れる確約がとれていたわけじゃないんだけれど、まず「1万冊買い取ります」と言ってみた。

覚悟だよね。
絶対に売ってやろうと思った。

そのことをFacebookに書いたら、日刊スポーツさんがすぐに反応して、『自作自演』という記事を出された。
………………………
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……………………

「作られたヒット」というミスリードだよね。
レコード会社とかが、たまにやってる『自社買い』という同じように扱い、ネット民を煽ったわけだ。

自分で販売サイトを立ち上げて、自分で売ったことを、『自作自演』と表現しちゃったわけだ。

リテラシーのない人は、見事に真に受けて、「なんだよ!自分で買って、『ヒットした』とか言ってんのかよ!西野サイテー!」とギャーギャー反応する。

そんなことをしても、
僕にしてみれば絵本が取り扱われた時点でプラスでしかないし、
何より、
事実をねじ曲げて、
誤解が生まれるようにリードをして、
ネガティブ葉を混ぜで、
少しでもPV数を稼ごうとする日刊スポーツの浅ましさよ。

「西野はサイテーだー!燃やせ燃やせー!」という偏差値ゼロの2ちゃんねらーみたいなことをするんじゃなくて、プロの記者なんだったら、「こういう、本の売り方もある」という選択肢を面白がった方がいい。

ネガティブ記事でPV数を稼ぐのは、そして、そのやり方が癖になってしまうのは、長い目で見た時に損失でしかないから。

もっともっと俯瞰で物事を見たときに、たとえ他人が提示した(他人の手柄になる)ものであろうと、そこに新しい選択肢か生まれ、根付いた方が、巡り巡って、自分にとってプラスになるから。
だから、前に進んだ方がいいよ。

日刊スポーツさん、頑張って。



【Amazon】
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