月別アーカイブ / 2017年08月

僕の友人であり、株式会社SHOWROOM代表の前田祐二さんの処女作(ビジネス書)『人生の勝算』が現在、スマッシュヒットしています。
重版を何度も繰り返し、処女作としてはありえない数字を叩き出しています。
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こんなことを書くと、「ちょっと読みたいかも。でも、買って、ハズレだったらどうしよう?」という方もいらっしゃると思います。
たしかに、時間とお金を割いて、ハズレだったら、そりゃツライですね。

ならば、当たりかハズレかを確認してから、買うか買わないかを決めてみてください。

今から『人生の勝算』の第2章を全文公開します。(※一章は以前、公開しました)

「面白い!続きを読んでみたい!」「全文公開の心意気、買ったぞ!」という方は、良かったらポチってやってください。
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本人も、リスクを背負ってやっているので。

あ、「買うぞ!」という方もシェアしていただけると嬉しいです。

とても面白い一冊です。
2017年を代表するビジネス書であることら間違いありません。

あなたの目で確かめてください。

それでは、どうぞ

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『人生の勝算』 著:前田裕二

【第2章 SHOWROOMがつくる新しいエンターテインメントのかたち】
 
 
 
ファンビジネスの4象限
 
 
僕はSHOWROOMを立ち上げる前から、今のエンターテイメント業界に疑問を持っていました。
 
 
生まれ持ってのルックスや、本質的な表現力とは関係のないコネなどで、その運命のほとんどが決まり、努力や工夫で成り上がることが難しい。僕は、不遇や逆境が、むしろ這い上がるためのバネになるということ、そして、正しい努力が必ず報われるということを自らの人生を通じて証明したいと思っています。
 
 
「人」に負けたくないのではなくて、あくまで、自分に課された「運命」に屈したくない。これが、生きる上での根源的なモチベーションであり、SHOWROOMを立ち上げ成長させる上での原動力になっています。生まれた境遇や人種などの、自分ではどうにもならないハードルを、熱量や努力次第で超えられる仕組みを作りたい。後天的な自分の力で、どこまでも高みに行けるサービスを作りたい。そうやって、SHOWROOMは誕生しました。
 
 
エンターテイメント業界における課題と、これからのあるべきファンビジネスのかたちを整理するために、僕は独自に、今の芸能界を4象限に分類しました。
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第一象限(右上)、第二象限(左上)、第三象限(左下)、第四象限(右下)の4つに分けて考えます。SHOWROOMとしては、芸能人の卵が、第三象限から始まって、第一象限を目指していく、という意味で、便宜上、左下から反時計回りで、A、B、C、Dと呼ぶことにしています。
 
 
縦軸は「偶像 身近」で、横軸は「右・ファンの数が多い 左・ファンの数が少ない」という図式です。特に縦軸が重要で、ファンとの交流の「密度」とも言い換えられます。高い更新頻度で、密度濃くコミュニケーションを重ねると下へ。偶像として一定の距離感を保ってミステリアスな自分を演出すれば、上へ。そういったイメージです。
 
 
インターネットが登場するまでは、芸能界には上半分の、偶像モデルしか存在しませんでした。特別なルックスや才能を持った人だけが芸能事務所に所属する。一般人と芸能人の間には、明確に大きな壁がありました。
 
 
そして、芸能事務所に所属していても売れない子が、Dにいました。その中から、よりルックスをはじめ何らかの芸の才能に秀でていたり、プロデューサーに気に入られるなどのきっかけによって、CMやドラマに引き上げられ、Cのスターへと上っていったのです。Aの右上の最上位Cにいるのが、わかりやすく言えば上戸彩、石原さとみ、綾瀬はるか、桐谷美玲などといったトップ女優。アイドルでは嵐、AKB48 。EXILE TRIBE、サザンオールスターズなどもこの象限でしょう。
 
 
芸能界を俯瞰すると、Cにいられる人たちは限られています。Cにいて一定の認知があっても、それだけで食べていくのが難しい人たちもいます。そして、7〜8割のタレントやアーティストが、Dから抜け出せない、というのが現状でしょう。芸能事務所には所属しているけれど、それほどテレビには出られず、仕事が少なくて収入もない……芸能活動だけで生活できていない人が、圧倒的に多い状況です。
 
 
しかし、インターネットやソーシャルメディアの出現によって、タレントがもはや偶像ではなく、身近な存在に。ファンは芸能人と気軽に交流ができるようになりました。この図で言うと、上から下に降りていくイメージです。その結果、ファンビジネスの4象限の下の部分、AとBというエリアが生みだされました。
 
 
特別なルックスやコネがなくても大丈夫。かつて路上で弾き語りをしていた僕のような少年や、スナックのママであっても、正しい努力をすれば、「食べていける」ところまでは到達できるモデルです。
 
 
A、Bという下の象限では、配信頻度を増やしたり、ファンとのコミュニケーションの工夫次第で、努力量に応じてファン数やギフティング数が増えるという現象が起きます。
 
 
これはSHOWROOMのデータから明らかになっています。頑張った人にはファンがつく。見た目の可愛さや若さ、先天性を乗り越えて、頑張れば報われる世界がここに確かに存在しています。
 
 
例えば、SHOWROOMの人気演者の一人、ちづるさんは、 50 歳のアイドルです。彼女には今、500人以上の固定ファンがいます。ものすごく濃いファンがついていて、彼女の夢を応援している人たちがたくさんいます。この現象は、なかなか、従来のテレビや雑誌といったマスの文脈からだけだと理解できないと思います。
 
 
もし、いきなりテレビでちづるさんを取り上げても「誰この人?」となるだけだと思いますが、SHOWROOMでは彼女の夢に共感して「この人の夢を叶えてあげたい」という人がたくさんいるのです。
 
「スター」と言いますが、同じ星でも太陽だけが明るいわけではない。SHOWROOMでは、どんな星でも頑張り次第で輝けて、それぞれの惑星で、しっかりと生態系が成り立ちます。この現象を見ていて僕は、コンテンツを提供している側が、必ずしも視聴者側が面白いと思うものを知っているわけではないんだなと思いました。ちづるさんは僕らが作ろうと意識しても絶対に作り出せなかったと思います。
 
 
ちづるさんは 30 年前に、おニャン子クラブに入りたかったそうです。その「おニャン子クラブに入りたかった」という夢をあきらめて 30 年間蓋をしていたんだけれども、SHOWROOMと出会って今、失われた 30 年間を埋めるように、夢を叶えているのです。
 
 
SHOWROOMでウケるコンテンツは、「共感」がキーワードです。
 
 
たぶん誰しも、夢をあきらめたとか、「歌手になりたかったんだけれども、才能がなくて今コンビニで深夜のアルバイトをしています」などといった思いを持ちながら生活しています。そういう視聴者のかつての夢の片棒を、ちづるさんが担っているのです。
 
 
歌がうまいとか、芸人で言うとネタが面白いとか、わかりやすく伝統的に「面白さ」と言われていることが、そのままビジネスにならなくなってきている。エンターテイメントの業界構造が明確に変わってきています。
 
 
つまり、消費スタイルが、単なるモノ消費・コンテンツ消費から、ヒト消費・ストーリー消費に移ってきているのです。
 
 
スナックのところでお伝えしたように、花屋さんに行って買うのは花であって、魚屋さんに行ったら魚を買います。そこで求めているのは、純粋に「モノ」そのものです。でも、前章で述べたように、スナックに行ってハイボールを頼んだときに、本当は、額面通り単純にハイボールが飲みたくて訪れたというわけじゃない。ママとの関係性や、いつもいる他の常連客との絡みなど、人間的な繋がりの価値を消費している。
 
 
だから、どんなに経済的に商店街が立ちゆかなくなっていっても、最後に残るのはスナックと、床屋さんと言われます。床屋さんも、モノ消費に本質がありません。「髪を切りに行く」のではなくて、地元のお父さんたちのたまり場になるケースが多く、本質的には、「待ち合わせ場所」を提供していると言えます。待ち合わせ場所を提供し、人間的な繋がりができるコミュニティに、価値が生まれ、人がより多くのお金を、より長い期間にわたって消費する世の中に変わってきています。
 
 
SHOWROOMはまさに、スナックや床屋さんを、バーチャル空間上に無数に作っているのです。
 
 
人は完璧なものではなく、余白を埋めようと頑張る姿に共感しお金を払います。
 
 
SHOWROOMは、芸能界のC象限におけるスターでなくても、配信活動で生活できる演者を次々に生みだしています。
 
 
ちづるさんの他にも、SHOWROOMらしい配信者が目立ってきています。最近ではAKB 48 チーム8のメンバー、大西桃香さんが代表例です。
 
 
彼女は、毎朝5時半から動画配信をしています。自宅や遠征先のホテルなど、どこにいても必ず朝5時半に起きて配信します。たまに完全な寝起きで、顔がむくんでいたり、すっぴんだったりするけれど、それでも配信しています。稀に寝坊して配信が遅れたりすると、ファンから総ツッコミされて、ショックで泣いてしまい、そのことがネット上で話題になってしまいます。
 
 
大西さんはいい具合に抜けているというか、余白の出し方がとても上手です。今彼女は「朝5時半の女」と呼ばれ、コアな常連客をつかみ、支持を上げています。朝5時半に起きて配信をし続けるというストーリー創出・差別化の工夫と、それをやり続ける努力の勝利と言えます。
 
 
努力の熱量では、新潟を拠点に活動するNGT 48 の中井りかさんも負けてはいません。彼女はSHOWROOMの動画配信の更新頻度が、群を抜いています。彼女の努力の根底には、コンプレックスが見え隠れします。そのコンプレックスを原動力に、ファンのみんなに自分のすべてをぶつけます。余白だらけの自分を提示することを厭わない。腹の据わったスタイルが、多くのファンを惹きつけているのでしょう。
 
 
他にもSHOWROOMの動画配信で、人気を高めているアイドルやタレント、アー
ティストの卵は、たくさんいます。
 
 
これらのコンテンツに共通するのは、未完成であること。足りないもの、欠けている部分が見えているからこそ、視聴者がコンテンツを自分事として捉えて感情移入し、共感を寄せます。
 
 
SHOWROOMだけではなく、テレビなどマスメディアを含めた世の中全体の流れはこちらに向いています。不器用でも〝努力を継続する〟演者、個性やストーリーが感じられるコンテンツが人気を得る傾向にあります。SHOWROOMは、美貌に恵まれたアイドルばかりのショーケースではありません。素のままの魅力やリアリティを見たい、というニーズを持ったオーディエンスに溢れる場なのです。
 
 
つまり、特別な才能やルックスがなくても、努力と工夫次第で、ファンを作ることができるのです。その代わり、本当に努力する熱量がない場合や、ファンへの思いやりの心がない場合などは、嘘は、そのまま伝わってしまいます。偽りなく、真にやる気と思いやりがある人が勝つ。良い時代になったと、僕は思っています。
 
 
 
秋元康さんは下の2象限を見ている
 
 
秋元康さんは、右上のC象限にトップアイドルやタレントを数多く輩出、プロデュースしてきましたが、今秋元さんほど、この4象限構造を深く理解し、右下のB象限で濃いファンを抱えることを重要視しているプロデューサーはいないと思います。
 
 
反対に、あるテレビ局の幹部の方は「エンターテイメントにおいては、作り手が作りたいものを作ることこそ至高であり、どこかアート的であらねばならない。ムンクはあの時代、世の中の雰囲気を読み、マーケットインの発想で『叫び』を描いただろうか?
 
 
違う。受け手など関係なく、自分の面白いと思うもの、純粋に内から湧き出るもので勝負する。そこから、たくさんの人の心を打つ名作が生まれるんだ」とおっしゃっていました。とてもよくわかる上に、僕個人としても、そうして生まれた音楽や映画、絵画などの芸術コンテンツは大好きで、自分には到底届かない世界だからこそ、強いリスペクトがあります。
 
 
しかし、ここで考えてほしいのが、消費のマクロ環境や時代の空気感。スナックと高級レストラン、白地図と地図帳、どちらが今、より大きな市場機会を持つのかという観点です。
 
 
秋元さんは、偶像だったアイドルをCから下げて、できる限りB、即ち、ファンの近くに近づけました。本来、偶像的かつミステリアスで、大きなライブやテレビくらいでしか見ることの叶わなかった「遠くにいるアイドル」を、「会いに行けるアイドル」として再定義しました。
 
 
その結果、CDという盤にパッケージされたモノの価値が薄れゆく中でも、アイドルとの近接性や関係性、ストーリーが価値となり、十分な規模のビジネスが生まれました。すでによく分析され、語り尽くされていることではありますが、CDが売れない時代に、AKBグループがほぼ一人勝ちできるのは、この価値の転換に秘密があります。
 
 
テレビがつまらないとよく言われますが、テレビ番組は、高級レストランほどの圧倒的な完成度を持たないにもかかわらず、スナックのような身近さもない。人々が、リアリティと共感に溢れるスナックのようなコンテンツを求め始めている中で、中途半端に編集されたコンテンツを作っても、人が感情移入しないことは自明です。
 
 
 
クオリティとは何か
 
 
SHOWROOMの配信は、素人がただ駄弁っているだけで、質が低いものだと、揶揄されることがあります。もちろん、頑張ってオーディエンスを楽しませようと、歌を歌ったり、ピアノを演奏したり、はたまた、朗読やネタ見せをしたり、コンテンツが面白くなるように一生懸命努力している演者は数多く存在します。
 
 
しかし、ここで考えねばならない重要な問いは、「歌がうまければ良いのか?」「上手にピアノが弾けたらそれがビジネスになるのか?」ということです。それ自体は本当に尊いことですし、自分自身、駅前で弾き語りをしていたとき、人の関心を惹くために、とにかく歌の練習をしていました。趣味として、歌を歌ったり、ギターを弾くことは大好きですし、上手な歌や演奏を聴くのも好きです。しかし、エンターテイナー、クリエイターとして、好きなことをやって食べていく、ということを第一義に考えると、歌のうまさや芸術性などの要素だけでは、決して勝つことができません。
 
 
「クオリティ」の定義が、変わってきているのです。エンタメにおいて人々が「面白い」と感じるものが、一昔前のそれとは、少しずつ違ってきているのです。旧来の伝統的な「クオリティの高さ」で突き抜けようと思うと、有名な演者や監督をキャスティングして、豪華なセットを使って……と、行き着く先は、例えば何十億円もかけて製作するハリウッド映画になります。
 
 
僕が弾き語りをした『白いパラソル』に1万円が払われたのは、そこに確かな絆が生まれたからでした。歌のうまさだけではなく、1週間その人のためだけに練習したというストーリーが質になりました。お客さんは、僕が一方的に歌う曲という「他人のストーリー」ではなく、子どもが自分のためだけに練習してくれた曲を今確かに聴いているという、「自分のストーリー」を消費しているのです。
 
 
SHOWROOMで言う質が高いコンテンツというのは、まさにこの『白いパラソル』を指します。歌のうまさや芸術性が価値になるのではない。コンテンツ供給側と受け取る側が心で繋がって、そこに絆が生まれる。コミュニティが生まれる。感動が生まれる。それがビジネスに転換されていく仕組みが、SHOWROOMです。
 
 
 
第二の自分がコミュニケーションを加速させる
 
 
ただ完成品を買って受け取るよりも、完成品が出来上がるまでのプロセスを消費したい。自分が応援する必要のないトップアイドルのパフォーマンスをテレビでぼーっと見るよりも、まだ名も知れない女の子がアイドルを目指す過程に自分が入り込んで、応援し、貢献したい。昨今のアイドルシーン興隆の裏側には、こういった心理があると思います。
 
 
SHOWROOMにおいて、ユーザーが応援プロセスを最大限に楽しめるように取り入れたツールの一つが「アバター」です。SHOWROOMという仮想のライブ会場においては、視聴者が、「アバター」というバーチャルキャラクターの姿で表現されています。視聴者はアバターを通じて、時には家族や友だちのように、演者と濃い密度で話しています。
 
 
ここで大切なのは、アバターは、「自分であって、自分でない」ということ。ユーザーの個性や性格がバーチャルキャラクターを通じて演者に伝わりますが、あくまで見た目や名前はまったく別の人格。いわば、第二の自分です。
 
 
SHOWROOMの視聴者の中には、もしかしたら、現実世界では女の子と話すことが苦手な人もいるかもしれません。しかし、アバターを通すことで、新しい「別の」自分として、人気アイドルとも堂々と会話ができます。しかもお気に入りの子にはギフティングでダイレクトに応援ができて、「ありがとう!」という返事も、リアルタイムでその場でもらえます。こうして、現実世界よりも簡単にコミュニケーションが成立するのがポイントです。
 
 
アバターというセカンドアイデンティティ(第二の自分という個性)を使うことで、羞恥やら気後れが、いい意味で取り払われるのです。それによって、あらゆるルームにおいて、応援と感謝の温かい連鎖がたくさん生まれ、循環し始めます。
 
 
 
「前向き課金」と「後ろ向き課金」
 
 
SHOWROOMの特徴としてもう一つ挙げたいのは、「プロローグ」で触れたギフティングという、バーチャルギフトを投げてルームを盛り上げる行為が、「前向きな課金」であることです。そもそも課金に前向きも後ろ向きもあるのか?と思われるかもしれません。これは、ユーザーの課金態度の話です。
 
 
動画を無料で見るとき、広告を強制的に見せられることがあると思います。その広告を外すには、お金を払わないといけない。もともと制限がないところに、運営側が制限をかけて、「この制限を外したいのなら課金してください」というやり方です。
 
 
 本来、無料で見られる情報や娯楽にあえて制限をかけて、運営側が自らかけた制限を外すためにお金を払う。そのときのユーザーの気持ちの大半は、「何でこんな邪魔な広告をつけるんだろう」といった、ネガティブなものだと思います。このときのユーザーの課金態度を指して、「後ろ向き」と呼んでいます。もちろん、エンタメコンテンツは本来は有料であるべきで、その価値を守るために、軽率に無料開放すべきでないとも思います。前述の広告モデルも、コンテンツの利益を守るために取り入れていることだとは思います。
 
 
しかし、インターネットが発達し、検索すれば大体無料でコンテンツを楽しめてしまう時代において、そうした課金をユーザーに求めるのは、どこかでビジネス的に歪みが生じると思うのです。
 
 
今の時代に沿ったコンテンツ課金のモデルは、払うかどうかの判断をあえてユーザーに委ねる、前向きな課金だと思っています。SHOWROOMのギフティングも前向きな課金だと言えます。無料で視聴も参加もできるため、有料でギフティングをするかどうかは、視聴者の自由です。
 
 
演者が、全力で情熱をかけてパフォーマンスをする。そこで、誰かの心が動く。感動を受けた人が、感動を与えた人に対して、直接感謝を表現できる。これは、新しいようで、実は古くから日本の伝統芸能にも取り入れられていた手法です。他人に強制されるのではなく自分から行う消費は、そこに主体性があるため、ポジティブで温かい感情が伴いやすいと思っています。これが、SHOWROOMが大事にしている、「前向きな課金」です。
 
 
 
観客がコンテンツになる
 
 
SHOWROOMの画面を見て気付かれる方も多いかもしれませんが、SHOWROOMの配信ルームに入ると、演者側の動画部分よりも、視聴者がアバターで並ぶ観客側のスペースの方が大きく設計されています。本来は皆、演者のことが見たくて集まっているわけですから、これはある意味でユーザー心理の逆をついており、勇気のいるユーザーインターフェースかなと思います。
 
 
しかし僕は、本来脇役であるアバターの反応や動き自体が、SHOWROOMの独自
性であり、面白さだと思っています。チームラボの猪子寿之さんが、「モナ・リザ」の前が混んでいて嫌な気持ちになるのは、絵画が「インタラクティブ(双方向的)」じゃないから、と指摘されています。つまり、インタラクティブ性に乏しいコンテンツの場合は、観客は単なるノイズにしかなりません。
 
 
しかし、ひとたび、コンテンツと観客の間に会話が生まれると、元のコンテンツの持つ価値が拡張され、同じ空間にいる人同士の関係性や動き、発言など、あらゆる要素が相互に影響し合って、それ自体がコンテンツになっていきます。
 
 
具体的には、例えば、自分があるアイドルを応援しているとして、いつもSHOWROOMの中のアバターでは最前列で見ているとします。アイドルに対してコメントをたくさん投げかけて、ギフティングもして、普段は目線がアイドルの配信動画部分に行っています。あるとき、自分の横に、いつも同じ常連客がいることに気付きました。そのファンも、すごく熱心にギフトやコメントを投げかけていて、そんな仲間がいること自体が嬉しくなりました。
 
 
そのアバターに話しかけて、そのアイドルをもっと人気者にするにはどうするか、配信中に二人で話し合ってみます。そうすると、気付いたら、そこでプロデューサー会議のようなものが、大勢の観客の前で、ライブで行われることになります。その二人の熱い応酬を見るだけでも、そのルームの応援の熱量が視聴者に伝わったりして、「この部屋面白いな」と、観客席側で起こっていることが一つのリアルなコンテンツに進化します。
 
 
他にも、あるAKBメンバーの配信ルームでは、観客全員がひよこのアバター姿でルームを視聴して、盛り上げたりしています( 84 ページ)。これは、決して誰かが指示しているわけではありません。最初に誰かがやり始めて、また他の誰かが真似をして広がっていく、というものです。ユーザー側から遊びやルールが勝手に生まれる。その現象自体が、一つのコンテンツとして価値を持つ。そういった状態になっています。
 
 
またAKBメンバーの配信には、たまに秋元康さんがアバターでふらっとやって来ることもあります。そうなると当然、演者、観客含めて場は騒然となって、大盛り上がりします。視聴者側がリアルタイムにそういったハプニングに巻きこまれる感じは、なかなか味わうことがない感覚なので、視聴者としても新鮮で、面白さを感じていると思います。これは、配信そのものではなく、その場の空気や関係性、それが掛け合わさって起きる現象すべてがコンテンツになっているということです。
 
 
 
インタラクションがクオリティとなる価値観を再定義したい
 
 
事業を立ち上げるとき、僕は世の中の人々が、エンターテイメントに何を求めている
のかについて、頭を絞って考え抜きました。その結果、行き着いた結論は、パフォーマンスの質やブランドではありませんでした。
 
 
インタラクション。その一点です。
 
 
例えば、僕がやっていた弾き語りは、インタラクションの理想を体現していました。一方通行に僕が歌いたい歌を歌い続けるのではなく、あくまでお客さんが求めている曲を、僕は頑張って練習して、披露しました。すると、その姿勢自体に感動してストーリーを感じてくれるお客さんが生まれたり、そのお客さんがきっかけで応援の輪が広がり、さらに観客やギターケースに入るお金も増えていきました。
 
 
大切なのは、距離感です。
 
 
僕の場合は、お客さんが求める曲を一生懸命に練習して、歌うことで、距離を縮めました。エンターテイメントでは、原則として、一定のプロフェッショナリズムや、完成度が求められます。しかし、現代においてもっと重要なのは、表現者が、支えてくれるオーディエンスのところまで降りて、しっかりと丁寧なコミュニケーションをすることです。
 
 
観客は、演者と自分との距離の近さを実感できたとき、今までになかった感動を味わい、より濃いファンと化します。  現代のクオリティコンテンツとは、プロがお金をかけて練り上げた完成品ではなく、 その先にあるファンとのインタラクションがきちんと綿密に設計・実行されたものである、という価値観を、SHOWROOMを通して再定義しています。
 
 
このように、質の定義をSHOWROOMが変えていけば、生まれや才能に関係なく、どこの誰であっても、努力や工夫次第で成り上がることが可能になると思っています。
 
 
SHOWROOMを立ち上げて丸3年が経ちました。起業の当初は、国内でナンバーワンのライブストリーミングサービスを目指していましたが、収益面では、現状そこまで到達できています。
 
 
僕は、グローバルレベルで、ソーシャルネットワークの次に「来る」のはライブ配信だと、強く信じています。伸びゆく世界のライブ配信分野でSHOWROOMが圧倒的に一番になり、世の中全体に「正当に努力が報われる場所」を広げていく。これが次の野望です。

『人生の勝算』 ~第2章 完~
 

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明日は『キングコング西野の制作物発表会』

僕が今作っているモノ(これから作ろうとしているモノ)を順番に発表していくだけのイベントなんだけれど、前売り券は発売開始1分で完売した。ありがとうございます。
「チケット、なんとかなりませんか?」という声が届いていたので、昨日、マネージャーと話し合って、当日券(立ち見)を発売することが決まりました。
興味ある方は是非。
昨日から、通貨の制作をスタートさせたのですが、こちらはまだどう転ぶか分からないので、通貨の話題は次回(たぶん半年後とか)の『制作物発表会』に回させてください。

もしくは3月にある『サーカス!』のオープニングで発表します。
ちなみに3月の『サーカス!』は、現段階で、ウーマン村本、オリラジ中田、藤原和博先生の出演は決定していたと思います。
これから、残り2名の先生に声をかけます。
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さて。

毎日毎日あれやこれやと作って、アウトプットを繰り返しています。
「アウトプット」という作業が実に効率的だなぁと思うのは、アウトプットする過程で、インプットすることが山ほどあるところです。

たとえば、今、通貨を作っているのですが、仮想通貨もTポイントカードも、どちらも「お金」として機能しているのに、法的には扱いが全然違っていて、金融庁(財務局)への届け出も変わってくるということを昨日知りました。

通貨を作ろうと思って、行動しなければ、おそらく一生知ることのなかった情報です。

当然、ここを勉強しないとアウトプットできないわけですから、極めて自分事としてインプットすることになります。
「アウトプットしている時の方がインプットしている」という話です。
だから、行動しない人は知識がなくて、知識がないから、さらに行動しなくなるのでしょう。

あと、面白いのは、インターネットの世界は、基本的には自分と似た人達で、自分の半径5メートルの世界が構成されるので、そこには「世間」とのズレが少なからず、しかし確実にあります。

僕は月に最低でも30ステージは寄席(劇場)に立っているのですが、ネットで大炎上しようが、AbemaTVで亀田興毅君の企画が凄まじくバズろうが、寄席に来る大阪のオバチャン達は何も知りません。
「ヒカル君がVALUで…」などと話そうものなら、宇宙人が喋っているような目を向けられます。
おそらく、「ヒカルクンガバリューデ…」と、全てカタカナ変換されていることでしょう。
ネットと世間のズレなんかも、寄席でのアウトプットで知ることができます。

おとぎ町か面白いのは、10代や20代の起業家も集まれば、ゴリゴリのガキも集まっていて、難しい単語や、長ったらしい説明をすると、「ムズい!長げぇ!つまんねー」とガキに容赦なく叩き斬られるところ。
パインアメ1個200円!?キングコング西野さん主催のおとぎ町バーベキューに行ってきたハナシ - コドモモ!
めっちゃ遠かった!そして森の奥!! セルフサービス型イベント キンコン西野さん相手に恐れを知らないこどもたち… そこで商売はじめないで…っ!! お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんのクラウドファンディングのリターンだった「おとぎ町」でのバーベキューに行ってきました! 「おとぎ町」というのは西野さんが今つくっている秘密基地ですが、ほぼただの空き地のイベントスペースですw 現在は物置小屋2軒とトイレ、井戸(トトロみたいなポンプ式!)があります。 排水はないので水を出すとここが川になる…w これからみんなで作っていくわけですね! めっちゃ遠かった!そして森の奥!! 我が家からは電車一時間半+駅…
www.xn--tck1b1da.com
この辺のバランス感覚は狂わせたくないので、定期的に爺ちゃん婆ちゃんや、ガキに、アウトプットしていきたいと思います。

今日はこれから岡山に飛びまーす。
岡山の皆様、宜しくお願いいたします。


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【追伸】
今年の秋は沖縄で講演会。コチラ↓
















芸人は最初、路上からかな? それとも神社の境内かしら?
まぁ、とにかくそんなところからスタートして、活動領域を劇場に拡げ、
そこからラジオに拡げ、
テレビのバラエティー番組に拡げ、
ドラマ、グルメ番組に拡げ、
情報番組に拡げ、
インターネットに拡げた。
いつの世も「面白かったらアリ」の精神で、次から次へと越境を繰り返し続けてきた。

昔から「芸人のクセに…」と苦言を呈してくる先輩方に対して持っていた違和感はそこで、「その言い分が芸人の正義なのだとしたら、今のアンタは存在してないぞ」というのがずっとあった。当然、今でもある。
目に映るもの全てを面白くしたいので、当然、一つの場所に留まるつもりはないのだけれど、ありがたいことに少し年上の友人が宇宙ロケットを飛ばしたり、飲食やファッションで仕掛けたりしてくれているので、そこはお任せして、それ以外の部分をお任せする。

朝起きて、夜寝るまでに、必ず触れているものは何かと考えた時に、「水」と「空気」で、できれば、この二つを面白くしたいのだけれど、なかなかどうして難しい。(※雨なら可能性はあるかも)

水と空気の次に触れているものは、「スマホ」か「お金」だと思った。
スマホを面白くする競争は、これも友人がやっているので、ここもお任せするとして、僕は「お金」を面白くしてやろうと思った。

「お金」は媒介物であるので、「面白い競争」というよりかは、「便利競争」が何百年も何千年も繰り返されてきたけれど、僕は芸人なので、できれば面白くしたい。

そんなこんなで、一昨日、新しい通貨を思いついてみた。
お金の成り立ちから勉強して、お金の定義がある程度分かったので、頭の中で組み立ててみた結果、完成した。

今のところ、自分の会社の人間と、マネージャーの鮎川女史と、昨日の収録で一緒だったSHOWROOMの前田さんと、そしてオンラインサロンメンバーにフンワリとしか教えていない。

新しい通貨の制作は、今朝から具体的に進めていて、来年には発行できると思う。
これまで、通貨が面白くなかった(ただ便利なだけだった)理由は、通貨に体温がないことだと結論した。
漫才にしても、コントにしても、映画にしても、「面白い」にはいつも体温があるので、通貨にどうやって体温を乗せるかが課題であったけれど、その課題は一晩で解けた。
もしかしたら、ものすごい天才なのかもしれない。

新しい通貨のヒントは『L』です。

お楽しみに。

(※写真は関係ありません)
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