仕事のオファーをいただくというのは本当にありがたいことなんだけど、一方で、僕に舞い込んでくる仕事のオファーというのは、基本的には「西野なら、やれるだろう」というサイズの仕事になってくるので、そこに延々と応え続けていても、仕事のサイズが劇的に大きくなることはあまりない。
したがって(打倒、ウォルト・ディズニーを誓っている)僕は、言ってしまえば「誰からも求められていない仕事」に手を出し、結果を出し、自分の仕事のサイズをグイ~ッと強引に引き延ばし、「西野はこんなこともできますよ」と言うしかない。
僕の場合は、それが『絵本』だったり、『広告』だったり。
あと、これも誰からも求められていないが、『芸人』というのは「肩書き・職業」ではなく、「生き方・姿勢」の名前だということも、自分を実験台にして実験し、その結果をお伝えし、
『芸人』を「肩書き」としな捉えない先輩方や、世間の皆様が言う、
「芸人なら、ひな壇に出ろや!」や、
「なんで、芸人のくせに絵を描いとんねん!」に一石を投じ、芸人の見方を変えてみたい。
芸人という言葉の意味をアップデートしてみたい。
「こういう見方もあるよ」と。
「何をやりたいのかがよく分からない」と、本当によく言われるんだけれど、僕がやっていることは結構シンプルで、常識を後回しにして、「面白いことをしたい」と、ただそれだけ。
それを実現する為に、
海外に打って出なきゃいけないのであれば、海外に打って出るし、
お金の勉強をしなければいけないのであれば、お金の勉強をする。
そこでいう「面白い」は、
『渋谷ハロウィンのゴミ拾い』であったり、
『五輪の負けエンブレム展』であったり、
『絵本の無料公開』であったり、
『しるし書店』であったり、
「笑い」が含まれていないものもあるが、
「芸人だったら、笑わせろよ」
というのであれば、コメンテーター芸人も、グルメ芸人も、役者芸人も、クイズ芸人も全滅だ。
誰よりも芸人でありたいなぁ、小学二年生の頃から、今日の今日まで、ずっと思っています。