月別アーカイブ / 2017年01月


昨日、

「有名作品を無料公開すると、無名な作品のクリエイターや、方々にシワ寄せがくる!」

といったような批判が、
情報自体をお客さんに無料公開して、別の場所(CMやグッズ等)でマネタイズするビジネスモデルのTVアニメを主戦場とする声優の「明坂聡美さん」とそのファンの方から、無名の有料アプリを駆逐した超有名無料アプリの『Twitter』を使って届いてきたのだけれど、
そのあたりの謎は、今後、彼女がCD(有料)を出して、その曲をTV(無料)でフル尺で歌った時に、また詳しく話を聞くとして、

明坂聡美さんをはじめ、多くの人が誤解をしているのかなぁと思った点について少し。



ここを絶対に押さえておかないといけないのだけれど、『えんとつ町のプペル』は″情報は無料だけれど、物質は有料"という点。

今回、僕がやったのは、「お金を払って読みたい人は有料の本を買って、無料で読みたい人は無料のインターネットで読めるモノにする」というアプローチ。

ここが綺麗サッパリ抜けてしまっている方が少なくない。
本屋さんでは今日も2000円で売られているのだ。
Amazonでももちろん2000円で。
【Amazon】
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ここを押さえていただくと、「無料公開するんだったら、図書館に寄贈しろ!」という言い分の筋の悪さが見えてくると思う。

僕が無料にしたのは情報としての絵本であって、物質としての絵本ではないので。

有料のモノを寄贈するかどうかは、そんなことはコッチが、コッチのタイミングで決めるし、そして、そんなことは僕一人の判断で易々と決められることではありません。

それこそ、有料の絵本を売って生活を立てている人(本屋さんやネットショップの人達)がいるから。

僕は友達に本屋さんを経営している男がいるので、本に関して動く時は、まず、その男の顔が浮かんでくる。
なるべく本屋さんに足を運んでもらいたいな、と思ってしまう。
一生懸命お小遣いを貯めて本を買う経験を子供にさせてあげたいと思う。

明坂さんは
「少ないお金を一生懸命貯めて買うから、お金の大切さや物の価値を理解するのに『じゃあタダであげよう』なんて言っていたらその感覚がなくなってしまうよ。」
とも指摘されていたけれど、本屋さんで売っている『えんとつ町のプペル』は相変わらず2000円なんです。
僕がやったのは、「キミ、絵本を買えないの? じゃあ、僕が(物質としての)本を無料でプレゼントしてあげるよ」ということじゃないの。
「情報としての絵本のお金はもう要らないよ」ということ。
子供の教育のことを考えてもね、
その方が、本屋さんに足を運ぶ子供が増えるのよ。
その方が、キチンと値段が付いている本に触れ、物の価値を理解する機会が増えるのよ。


情報としての絵本を無料公開してみた。
『恩送り』を根づかせる意味でも、『マーケティング』の面でも、その方が得策だと思ったので。
無料公開することによって、より多くの人に届くし、買わない人も増えるだろうけれど、買ってくれる人も増えると思ったので。
そして、計上されるのは、買ってくれる人の数だ。クリエイターの生活を支えるのは、買ってくれる人の数だ。
知られないと買われない。


今回、絵本の情報を無料公開したことによって、Amazonや楽天の書籍総合ランキングが1位になり、本屋さんでもたくさん買っていただいたそうだ。
「無料で読んでみたら、手元に置いておきたくなった」と言って買ってくれた人もいたし、
「無料で見せてくれて、ありがとう」というお礼で買ってくれた人もいた。
これが全てだよ。


当初から掲げている『えんとつ町のプペルを100万部売る!』という目標は、今も捨てていない。
ただ、無料で見たい人は、もう、お金なんて要らないからインターネットで無料で見ればいい、と思っている。
全てにお金を絡めるのではなくて、お金を絡めるか否かは、消費者が決める。
お金の奴隷解放宣言ね。


ここをゴチャ混ぜにして語る人が、あまりにも多い。
いや、僕の説明が下手だったのかな?

それにしても、「クリエイターの不当労働」まで絡めてくる輩まで現れた。
いやいや、インターネット上で無料公開した方が本が売れる(結果的に売れた)んだったら、むしろ逆じゃん。
クリエイターさんに入る収入は増えるじゃん。

 
本をインターネット上で無料公開するケースがこれまでにあまり無かったから(いや、『ブラックジャックによろしく』なんかは、とっくの昔から無料公開なんだけど…)、すんなりと頭に入ってきにくいのかもしれないけれど、冒頭でお伝えしたとおり、音楽ビジネスなんかは、今回のモデルそのまんま。

そうだね。
音楽を例にすると分かりやすいかも。

新曲CDが出たら、テレビで歌う。
番組の放送尺・視聴率もろもろの関係で、曲の1番しか歌えないケースがほとんどだけれど、アーティストサイドは、なるべくフル尺で歌いたいと願っている。
視聴者はそのタイミングではお金を払っていない。
その曲を″手元に置いておきたい″と思ったタイミングで、レコード屋に行き、CDを買う。または、ネットで購入する。
またはライブに行く。

ネットで無料で聴けるにも関わらず、応援しているアーティストの活動を支援する意味でCDを買うファンもいる。
「ありがとう」という気持ちでCDを買うファンもいる。

音楽はすでに、「お金を払って買って聴きたい人はお金を払ってCDを買って、無料で聴きたい人はネットで無料で聴く」というモデルが完成している。
YouTubeの公式チャンネルで、曲のフル尺を公開しているアーティストも少なくない。

遅かれ早かれ、すべての情報は無料化されていく。
人は体験にお金を払い、そしてグッズ(物質)にお金を払うようになる。

その辺りのことは、Facebookに投稿した記事をまとめた、こちらの本に全部書いてます。
【Amazon】
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無料で読みたい人は僕のFacebookの記事を遡って読んでいただいて、
有料で読みたい人は本屋さんに足を運んでみてください。

そして、本屋さんには、素晴らしい作家さんの本がたくさん並んでいます。
おもわぬ出会いをしてみてください。

 
話をまとめます。

クリエイターさんは、「情報を無料にするな!」と叫ぶことに時間を割くのではなく、その時間を使って、情報が無料化される時代を読んで、高品質の作品を作り出すべきだと僕は思う。
自分の作品作りに時間を使うことが、自分や家族やスタッフを守ってくれる最善の策だと思う。
情報が無料化されればされるほど、作品の強度はこれまで以上に求められる。




最後に。

声優の明坂聡美さんへ。

吊し上げるような形になってしまってごめんなさい。
あなたが、あなたの周りのクリエイターさんのことをとても大切に想っていることは、痛いほど分かります。
優しい人だということも分かります。

ただ、この情報の無料化の波は、あなたには止められない。
もちろん僕にも、地球上の全クリエイターにも止めることはできない。

あなたの身の回りにあるモノは、そのほとんどが情報の無料化による贈り物だ。
テレビで見て、買った化粧品もあるだろう。
YouTubeで聴いて、買ったCDもあるだろう。

当たり前じゃなかったんだよ。
テレビもインターネットも何もかも。
その都度都度で、今回のあなたのような人から「テレビで無料で見せちゃうと、映画館に人が来なくなる!演芸場に人が来なくなる!」という声は上がったんだよ。
そして、その時代の流れを受け入れて、自分の価値を別に見いだした人達が前に進み、
反対の声を上げることに精を出した人が遅れをとった。

ここに抗っていると、ここに噛みついていると、あなたの首が絞まることになる。
果ては、あなたが守りたい人が守れなくなってしまう。
あなたを無視することもできたんだけれど、
あなたがクラウドファンディングで支援してくださったことを知っているので、今回、長々と書かせていただきました。
オヤジの戯言だと思って、頭の片隅にでも置いておいてください。
あなたの活動が上手くいくことを願っています。

頑張ってね。
僕も頑張ります。
そして、ごめんなさい。


※今回、『えんとつ町のプペル』の無料公開で入ってきた広告収入はSpotlightさんの許可をいただき、被災地の子供の学びを支援するNPO団体に全額支援することになりました。
 



『えんとつ町のプペル』を無料で読みたい方はコチラ↓


『えんとつ町のプペル』を買って読みたい方は
コチラ↓
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毎度お騒がせしております。
キングコング西野です。

昨日、私の絵本最新作『えんとつ町のプペル』をインターネット上で無料公開しましたところ、
「安売りするな!」
「クリエイターにお金が回らなくなる!」
「そんなことより西野嫌い!」
と様々な御意見をいただきましたが、この記事のタイトルそのまま、誰でも無料で読めるようにした途端、Amazonの売り上げがグイグイ伸びて、ついに書籍総合ランキングで1位になりました。

【Amazon】
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ちなみに、楽天でも1位になりました。

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無料なのにです。
わざわざ買わなくても、ネットで最後まで見れるのにです。

面白い事件だなぁと思いました。
そして、一旦立ち止まって、冷静に考えるべき案件だと思いました。

こんな声が上がった一方で、
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こんな声が上がりました。
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この一件を、ビジネス的な観点から切り取ると、
「人は確認作業で動く」
「人は知っているモノを買う」
と言えるでしょう。


旅行が良い例だと思います。
グランドキャニオンしかり、
万里の長城しかり…
僕らが旅行をする時は、テレビやネットやパンフレットで、すでに(ほぼ)知っている場所に《お金を払って》行きます。

逆に、旅行会社の人に「10万円払ってくれたら、最高の場所に連れてってあげるよ」と言われても、なかなか動きません。

人が行動する動機は往々にして『確認作業』で、つまり《入り口を無料化する=価値を下げる》ではないということ。
入り口でお金を徴収することで失ってしまう仕事があるということ。

どうしてもネットニュースになると、その部分か切り取られてしまうのですが、昨日のブログでもキチンとお伝えしましたが、僕は「すべてのモノを無料化しろ!」とは1ミリも思っていません。
僕自身、入り口でお金をいただかないと回らなくなる仕事をたくさん抱えているからです。

ただ、もしかしたら、『本』は…もっと言うと『絵本』は、「お金を払って買いたい人は本を買って、無料で読みたい人はネットで無料で読めるモノ」になれるかも、と思いました。

無料で提供したところで価値は下がらないし、たくさんの人に知られてさえいれば、マネタイズは後からいくらでもできると思いました。
特に『えんとつ町のプペル』はスタッフと何度も衝突して死ぬ気で作り上げた自信作なので、無料で読み終わった後に「買って、手元に置いておこう」と考える人が出てきてくれるかもしれない思いました。

ちなみに、僕は今、自分のライブを有料で運営しているのですが、どこかの誰かがハイパフォーマンスのライブを無料で提供しはじめても、文句は言いません。
実力の世界ですから、淘汰されるのは当然なので、その時はその時で、対抗できる新しい表現を、作品を作ります。僕はクリエイターなので。



ちなみにちなみに、誤解されている方が多いので補足しておきますと、今回の『えんとつ町のプペル』の制作スタッフには、一番最初の段階でお給料を全額お支払いしております。

もし万が一、今回の無料化で売り上げが止まったとしたら、ダメージがあるのは本の印税が給料になっている僕と出版社です。
そして、出版社には今回の件の許可はとっております。

なにより、「『えんとつ町のプペル』を無料公開しまーす」の記事を担当編集者が率先してシェアしておりました。
僕たちは「それでいい」と判断したし、「その方がいい」と判断しました。

ちなみに、コンセプトデザインなど、スタッフの中心となって動いてくださった六七質さんのツイートがコチラ。
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僕らは無料公開が損失だとは考えていません。
お金を取ることを辞めたからといって、売り上げが下がるとは思っていません。

絵本『えんとつ町のプペル』は出版社側にかなり無理を言って、最後に2ページを増やして、スタッフクレジットを入れています。
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制作に携わった全スタッフの名前を入れています。
皆で作った本だし、この作品が一冊でも多く届くことで、一緒に汗を流したスタッフの皆様に次の仕事がいくといいなぁという判断から。

これに対して、
「だったら表紙にスタッフの名前を載せろ!」だとか、
「ネットに無料公開した時にも載せろ!」
といった声も届くのですが、僕は売れることを考えています。このスタッフの皆さんの名前が、一人でも多くの人に見つかることを考えています。
その時、スタッフの名前だらけの表紙の絵本は売れませんし、スタッフの名前だらけのネット記事はバズりません。
お客さんからすると、まずそこは知ったこっちゃない部分なので。
大切なのは、このページを一人でも多くの人に見られることだと僕は考えます。
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僕たちは『お金』の正体について、今一度考えなければならない。

お金とは「信用を数値化したもの」で、つまり、「信用の面積を広げないことには、お金化できない」ということ。


そして、今、クラウドファンディングだったり、オンラインサロンだったり、信用をお金化する為の装置が揃ってきているので、昔、爺ちゃんや婆ちゃんに言われた「困った人がいたら、助けてあげなさいよ。いつか、アンタも救われるから」という《情けは人の為ならず》に真実味が増し、理屈で説明できる時代になりました。

それは人の好みですから、《お金稼ぎ》をしたい人は《お金稼ぎ》をすればいい。
ただ僕は、信用稼ぎ》をしようと思います。
たとえ返ってこなくてもいいから、まずは自分から与えようと思います。

作品の無料化と、近年、問題になっているクリエイターに適切な対価が払われない(倫理的・法的)問題、まったく別次元の話。


明坂聡美さんというプロの声優さんから、

「有名作品が無料で提供されたら、作品の価値も、クリエイターに支払う対価も下がってしまう
「有名作品が無料なのに、それよりも無名な作品にお金を払う価値があるの?」

というような感じの御指摘を受けましたが、そこを同列に語り出したら、有名アーティストがYouTubeにPVをアップした時点でアウト。
見たことあるでしょYouTubeを。無料で。
ちなみに、この方が使われているTwitterも無料です。
ちなみにちなみに、声優さんの雇用を生んでいるTVアニメも無料です。

「まずは知ってもらって、ライブに足を運んでもらう」という、収益モデルがCDからライブに移行した音楽の世界では、すでに当たり前のように行われていることです。

「これだけ働いたんだから、いくらよこせ!」というギブ&テイクが当たり前になってしまって、『労働の対価=お金』が正義になり、お金が人間を支配してしてしまっている部分に疑問を持ち、

「これは入り口でお金』をいただいた方が良いけど、ただ、これは『お金』を貰わない方が、長いスパンで見た時に利得だから、ここは貰わないでおこうよ」という、『お金はそもそも信用交換のツール』だと再認識し、本来そうであったハズの《人間がお金を使う未来》が来てもいいんじゃないかなぁと今回強く思いました。


…と、ここまではビジネス的な観点から切り取った話。下世話な言い方をすると「最終的にコッチの方が得するんじゃね?」という話。
「10人に立ち読みされることを許して(得と考えて)いるんだったら、国民全員に立ち読みしてもらった方がいいんじゃね?」という話。


そして、ここからは、人としての話。



2017年。
僕らはもっと人を信用していい。
自分から与えていっていい。
見返りがない場合もあるかもしれないけれど、それも問題ない。
なぜならインターネットによって分母が増えたから。
無視する人がどれだけいても『ゼロ』で、計上されるのは「ありがとう。お礼に、コレを…」と言ってくれる人の数だ。
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今回、『えんとつ町のプペル』を無料公開したのに売り上げが伸びて、Amazonランキングが1位になったことがそれを証明している。

去年の11月。
『えんとつ町のプペル展』の会場に、『クソおみくじ』というハズレしか入っていない《ボッタクリおみくじ》を設置していたんです。
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皆、100円でハズレおみくじを引いて、「畜生!っざけんな!(笑)」と言っている最中、一人のチビッコが「本を買いたいけれど、今、お金が無くて…」と呟いたんだよね。

その直後、その場にいた大人が次々にクソおみくじの賽銭箱に100円を入れて、そして、全員が口を揃えて「賽銭を盗んじゃえ」と言ったんです。
(※クソおみくじの所有者は僕ね(*^^*))
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「欲しいモノが貰えるのは当たり前じゃねえからな。皆に『ありがとう』って言いな」と言ったら、チビッコは、その場にいた大人に何度も何度も頭を下げた。

それで終わりかと思っていたら、2週間後に、あの時のチビッコが再び個展会場にやってきて、「こないだはありがとうございました!」と言って、必死にお小遣いを貯めて買った『駄菓子の詰め合わせ』をプレゼントしてくれた。

泣きそうになったよ。

毎日のように流れてくる決して許されるべきではない不当労働のニュースで、僕らは見失いつつある。
人が人を信用するときに、必ずしもお金が必要だろうか?
必要な場合もある。
ただ、そうでない場合だってある。
人は自動販売機じゃないんだから。
いつから僕らはこうなったんだ?

人はこんなにも優しい。
時に裏切られることがあるかもしれないけれど、まずはコッチから信用しないことには始まらない。

今回は、それがインターネット上で行われたのだと思いました。
とてもいい勉強になりました。

いつもありがとうございます。





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大ヒット中の絵本『えんとつ町のプペル』を全ページ無料公開します(キンコン西野)|新R25 - 20代ビジネスパーソンのバイブル
作品は届かないと、生まれたことにはならない
r25.jp
今朝、『えんとつ町のプペル』を完全無料化して、誰でも見れるようにしたところ、Amazonの売り上げが急激に伸びましたことをご報告いたします。

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