月別アーカイブ / 2017年01月


絵本『えんとつ町のプペル』の制作は分業制。
「西野はゴーストライターを雇っている!」などと揶揄されることも多々あるのですが、いやいや企画立ち上げから、「今度は分業制で作ります」と発表しており、その為にお金(クリエイターさん達に支払うギャランティー)が必要なので、クラウドファンディングを利用しました。
20170123_194126.jpg
絵本の最後には、いわゆる『奥付け』ではなく、スタッフクレジットページを設けており、この作品を一冊でも多く届けることが、制作に参加してくださったスタッフさんへの最大の恩返しだと僕は考えます。

テレビ番組等で取り上げていただく時は、なるべく分業制で作ったということを紹介していただくようにお願いしているのですが、時間の関係や、視聴率の関係でカットされることもしばしば。
僕が良かれと思って、全スタッフさんの名前を読み上げたところで、ほとんどの視聴者さんは、そこには興味がないので、その時、僕は、本が一冊でも多く届くための最善策を取ります。
テレビであれば、
よりチャンネルを変えられないように、
ネットであれば、
よりバズるように働きます。
先程も申し上げましたが、それこそがスタッフさんへの最大の恩返しだと僕は考えているので。

たとえば、これが『映画』であれば、予告編に数百人全員のスタッフの名前を出すことは作品にとって、その作品に携わるスタッフにとってマイナスでしかないことは、100人が100人理解できると思うのですが、本の分業制は前例がないので、この辺のルール作り、道徳作りも一つずつやらねばなりません。
いまだに、一般の方から「なんでスタッフの名前を出さないんだ!」というお叱りを受けるのですが、出した方がいい場面では出しますし、出さない方がいい場面では出しません。
この辺はご理解いただけると嬉しいです。


そして、『お金』の整備もキチンとせねばなりません。

今回、『えんとつ町のプペル』の参加クリエイターさんには、一番最初の段階でギャランティーをお支払いたしました。
生活を賭けてしまうような、一か八かのリスクを背負うのは僕と出版社だけでいいと思ったので、たとえ1冊も売れなくても、クリエイターさん達には『お給料』が入るようにしました。

クリエイターさん達の生活を守る為には『印税』よりも『給食』の方がいいだろう、という判断だったのですが、ただ、「絵本が売れなくても一定のお給料が入るけど、絵本が売れてもお給料が一定というのも、どうなんだ?」ということを、『えんとつ町のプペル』がヒットしてから思うようになり、(事務所経由で僕に入ってくる印税を切り崩すことになるので)事務所と掛け合って、今回、本当に僅かではありますが、『臨時ボーナス』という形で、全クリエイターさんのお給料に上乗せさせていただくこととなりました。

ただ、ここでややこしいのが、今回の作品の制作クリエイターさんは、皆、個人で参加されていたわけではなく、中には制作会社さんのスタッフさん達が数人混じっているのです。

個人のクリエイターさんには、それこそ個人間のやりとりで「本が売れたので、このお金は『臨時ボーナス』として受け取ってください」とできるのですが、制作会社とのやりとりとなると、最初の契約ウンヌンのこともあり、僕個人から制作会社に追加で制作費(臨時ボーナス)をお支払することが難しいらしいのです。

そこで、今回の『臨時ボーナス分』を、まだ契約を済ませていない次回作の制作費に足すという処置をとり、なんとか制作会社にお金を入れることができそうなのですが、それもこれも、今作と次回作が同じ制作会社だったから、できたこと。

超分業制で作る絵本は、
全クリエイターが個人で活動しているとは限りませんし、
今作と次回作が同じ制作会社とは限りません。

今後、
クリエイターさんに負担をかけないように最初にお給料はお支払いするとして、
その作品がヒットした場合のルール作りもキチンとしていかないといけないなぁと思いました。


『えんとつ町のプペル』を無料で読みたい方はコチラ↓

『えんとつ町のプペル』を買って読みたい方はコチラ↓
























絵本『えんとつ町のプペル』をWeb上で全ページ無料公開したところ、たくさんのご意見をいただいております。

反対の声で多かったのが、
「市場が壊れる」
「出版社や本屋さんに迷惑がかかる」
といったもの。

これに対して、
「いやいや、歌番組で無料で聴いてCDを買うようなものですよ」
と説明し、そして、
料公開直後に売り上げも大幅に伸び、増刷がかかったのもあり、
「市場ウンヌン」や「出版社や本屋さんどうのこうの」といった声はここ2~3日でほとんど無くなりました。

次に上がったのは、「『お金の奴隷』とか言って、お金を貰って働いている人を侮辱している」という声。
元の文章をキチンと読んでいただければご理解いただけると思うが、その言葉は自分自身に向けた言葉なのだが、誰かが書いていた「たとえ、自分自身を蔑んだ表現だったとしても、西野さんの同じように働いている人は不快に感じる」という意見に、なるほどなぁと思いました。

ただ一方で、ここで「なるほど、おっしゃる通りです!」と言ってしまうと、
たとえば
「僕は嫌われ者のクソ人間ですから」
という発言に、
「なんだ!同じように嫌われている俺たちは、クソ人間なのかっ!」
という反論を容認してしまうようなもので、そうすると、もう『自虐』ができなくなるじゃない、という気持ちもありまして、そこは白黒をハッキリつけたくないなぁと僕は思っております。
ここは難しいなぁ。

それとは別件で、プロの声優さんからの批判に対して、反論したところ、「名指しで反論するなんてサイテーだ!」「吊し上げするなんてゲスだ!」と、声優さんのファンの方から連日お叱りをいただくのですが、批判に対して反論して「吊し上げだー!」と怒られたのは生まれて初めての経験でして、対応に困った結果、無視しております。

Web上の無料公開に対して、いろんな意見があって、中には僕の考えと正反対の意見の方もいらっしゃるんだけど、「市場が壊れる!」というクリエイターさんしかり、「作品にお金を払う意識が無くなる!」と批判された声優さんしかり、「お金の奴隷扱いされたー!」と怒る人しかり、理解できない言い分は一つもありませんでした。
あったとするなら、「名指しで反論するな!」という声優さんのファンの方の言い分ぐらい。
それに対しては、「それは仕方ないよね」と思っています。

たとえば、声優さんの「『作品は無料のモノ』と思ってしまった子供が、作品にお金を払うということをしなくなる!』という言い分(心配)はよくよく理解できたのですが、僕は、こと絵本に関してはWeb上で全ページ無料化した方が、「絵本を買おう」という子供が増えると思っています。

先日、Facebookにこんなコメントと写真が届きました。

先日、絵本を購入しました。

無料公開して下さった
おかげもありますが、
子供達が
自分達が本を読みたいと感じ、
購入したいと言う気持ち。
これが一番大事。


これをきっかけに、
たくさんの本と出逢ってほしいと感じます。

お恥ずかしいのですが、
今までは与えるばかりで
今回は
私自身が勝手に買ってくるのはやめて、
子供達と一緒に書店へ行きました。
売り切れているかもしれないと
思いつつも、

残っていてほしいと感じながら。

奇跡的に最後1冊で、
自分達でレジまで持って行き、
子供達は喜んでました。
お年玉を出し合って、
支払いも自分達で。
選んだ本を
とても大事にしてます。
ありがとうございます。
私も、いい経験が出来ました。

これからも応援してます。』(原文ママ)
IMG_20170125_112426_973.jpg

まずは『知っている・知らない』の壁を越えなければ『買う・買わない』の判断に辿り着かないわけで、僕は、とにもかくにも、絵本・イラストに目を向けてもらわないと何も始まらないと考えています。

そんなこんなをひっくるめて、今回のWeb上の無料公開に対しての僕の個人的な言い分としましては

「市場の未来を考えても、子供の教育のことを考えても、コッチの方が良くね?」

というところ。
これに対して「そうじゃない!」という方もいらっしゃると思うので、結論が出ず、平行線になることもあると思います。
もっというと、僕は一貫して、「あなたはあなた、私は私」(例=雛壇に出る芸人がいてもいいし、出ない芸人がいてもいいじゃない)という人間ですので、平行線なら、それで構わないと思っております。

ただ、今回、強く感じたのは、
今回の一件は『炎上』ではなく、『議論』であったと。

『議論』と『炎上』を一緒クタにしてしまって、『炎上=目立ちたがり屋=トランプ大頭領みたいで下品=サイテー!=おでんツンツン男』みたいにしてしまうと、話が前に進まないので、時間がもったいない。

全員右にならえで、凸凹の凸部分を調整して、平均値を下げて日本国内の平和を作っても、「そんなの知らねーよ!」
という、キッチリと作品も作って、キッチリと自分の作品を自分で売り込んでくる外国勢がインターネットによって、すぐ隣にいるわけですから、あまりにも危険だと、
ここ数年の海外のイラストレーターさんのレベル(クオリティー&売り込み)を見て、思いました。





『えんとつ町のプペル』を買って読みたい方はコチラ↓



絵本『えんとつ町のプペル』をWeb上で無料公開してからというもの、トランプ大統領と比べられる機会が増え、このブログにも注目が集まっている、このタイミングで、
どうしても話しておきたい話があります。


それは、僕がデビュー1年目の頃のこと。

当時は、今みたいに、ふんぞり返って仕事をしておらず、頭の天辺から足の爪先まで謙虚でしたので、吉本興業の命令は全て聞いていました。
仕事で地方に泊まる時のホテルは相方の梶原君と相部屋。
もちろん、文句は言いますまい。
コンビでベッドを並べたものです。

ウチのコンビは比較的、仲が良い方だとは思うのですが(今でも年に1度は二人で呑みに行ってます)、しかし、だからといって、寝る前に二人で延々とお喋りをするほど仲良しでもありません。


同じ部屋に泊まったその夜。
時計の針は23時頃だったでしょうか。
べつだん喋ることもありませんし、明日も早いので、まったく眠くありませんでしたが、「まぁ、目を閉じたら寝れるだろう」と思い、一足さきに僕はベッドに入りました。

目を閉じて、5~6分ほど経った頃、やはりまったく眠くならなくて、「まいったなぁ」と思っていた時でした。

隣のベッドで寝転んでいた梶原君がスクッと立ち上がり、その気配がコチラに向かってくるではありませんか。
梶原君は、そのまま、眠っている(目を閉じているだけの)僕の顔面を舐めまわすように見てきます。

《何? なんなの?》

梶原君とは知り合って間もなかった頃で、まだ性欲の守備範囲も明確に確認できていなかったので、いろいろな可能性と恐怖が頭をよぎりました。
《もしかして、そっちの人なのか…》
そんなことすら考え、恐怖で目を開くことができまんでした。

30秒(体感では5~6分)ほど、舐め回すように顔面を凝視された後、しかし梶原君は静かに踵を返し、テレビの方に向かいます。

《今のは何だったんだろう…?》

気になって、うっすらと目を開け、横目で梶原君の行動を確認してみると、テレビの下にPAYカード(有料アダルトチャンネルが見れるカード)をブチ込んでいるではありませんか。

そして、
慌ててボリュームを絞り、
ティッシュー箱を小脇に抱え、
ズボン、そしてパンツをズリ下ろしているのです。



そう。

あろうことか、相方が眠っている隣で、自身の煙突町をプペりだしたのです。

『西野が寝てるから、今ならいける!』
たとえ一人になっても、そんなことは信じぬいてはいけません。


梶原君には普段から「アホ、バカ!」と言っておりますが、コンビを組んだ以上、相方のことは最後まで守ることを決めていたので、このことは見なかったことにして、墓場まで持っていこうと決めました。

しかし、しかしです。

そんな僕の身体をモーレツな尿意が襲ったのです。
オシッコがしたくてたまりせん。

ただ、ここで起き上がってしまうと、煙突町ムキ出しの梶原君と目が合うことになります。

《梶原君よ! 1秒でも早くプペり終えて、煙突町を静めてくれ!》

そう願ったのですが、梶原君ときたらアダルトビデオをストーリーからキチンと見るタイプの男でして、物語は、まだまだ序盤も序盤。
美人潜入捜査官が、ようやく敵のアジトに潜入した段階です。

僕は梶原くんの尊厳を守る為、それから数分間、尿意と戦い、
テレビからは、ようやく
「やめろ!やめろ…やめて……ください……あんっ!
という声が聞こえはじめ、梶原くんの煙突町から煙が上がりはじめた、その時、

さすがに膀胱の限界がきまして、
《梶原くん、ごめん!》
と観念し、僕はベッドから起き上がってしまいました。

当然、梶原君とは目がバッチリと合います。

パンツを最後まで下ろし、
ティッシュ箱を小脇に抱え、
ギンギンの煙突町をムキだしにして、
テレビから聞こえてくる
「いや~ん!やめて!いや、やめないで~!」という叫び声が部屋に響く中、
キングコング二人に沈黙が走ります。


その直後、梶原君が言った言葉に僕は耳を疑いました。



「明日、どのネタでいく?」


信じられませんでした。
今、僕の前にいる煙突男は、全てを無かったことにして話を進めているのです。

無理です。
そんなダイナミックなトーク展開ができる技量など持ち合わせておりません。

「どのネタでいこうかなぁ…」と美人潜入捜査官ネタでイキかけている男は、まだ話を進めています。
この異次元殺法に僕の尿意なんぞは吹き飛び、直後、「この語を書こう」と決めました。


絵本『えんとつ町のプペル』の誕生秘話でした。





『えんとつ町のプペル』を無料で読みたい方はコチラ↓
 
『えんとつ町のプペル』を買って読みたい方はコチラ↓




















↑このページのトップへ