月別アーカイブ / 2017年01月

現在、いろんな仕事をやらせてもらっておりますが、出身は大阪ミナミの地下にあった小さな劇場。
そこで、台本の書き方を学び、音響や照明の基礎を学び、集客の厳しさを学びました。
その環境で生まれ、テレビで育ち、今の姿形になったわけですから、何よりもまず、その文脈が最優先。
間のニーズや既存のルールは、一応、誰よりも頭に入れておいて、しかし後まわしでございます。

たとえば『絵本』において、それは、
「どんな絵本を作ろうか?」ではなく、
「自分が作る絵本は、どんなだろう?」を考えます。

ちなみに、最新作『えんとつ町のプペル』は、こんなん。
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(キンコン西野のInstagramより)

クオリティーでブッちぎるのは当たり前の話なので、これ以上は語りません。

まずは考えるのは売り上げ。
テレビの場合だと『視聴率』、ライブの場合だと『集客』ですね。
ここが伴わないと、たとえば一緒に汗を流してくれたスタッフと、「食っていけない」という物理的な理由で解散せざるをえません。

「お金じゃない」と言うと聞こえはいいですが、テメエはそれで良くても、その裏でスタッフやスタッフが養っている家族の首を絞めているわけですから、そんな残酷な台詞は口が割けても言えませんが、作り手の99%の人達がこの台詞を美徳とし、口にします。

踏まえておかなければならないのが、「メディチ家みたいなパトロンが制作費も生活費も支えてくれていた時代の芸術家と、今の時代を生きるテメエらを同じ文脈で語るな」ということです。

そういう奴に限って、作品を届けるメカニズムを話した時に、こういった返事をします。
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彼らの末路は決まっています。
居酒屋の隅の方で、「アイツらは商業をしている。俺たちがやっているのは芸術だ」という名目のもとに、なんとかして自我を保ちたい連中同士で集まって傷を舐め会う、底無し沼のごとき有り様。

その間、敵は自分に時間を使っているわけですから、実力の差はひらく一方。
商業ウンヌンの前に、単純に、クオリティーで負けてしまいます。

こういう方々を、これまで数万人見てきました。今は一人として残っていません。

一緒懸命作って、そこで終わりではなく、
一緒懸命届ける。
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自分の見られ方ばかり気にして、せっかく産んだ子を、空腹で殺すようなことはしてはいけません。
作ったら届ける。産んだら育てる。
親の義務です。

んでもって、「自分が作る絵本は、どんなだろう?」の話の続きです。

やはり、ライブ畑で生まれた者としては、そこで身に付けたスキルを使わない手はないでしょう。

つまり、「絵本を作って、届けて、終わり」ではなくて、その先。
ライブ(体験)に落とし込みます。
地球上、どこを探しても、僕以上にライブを手掛けた絵本作家はいないでしょう。

だったら、それをやるまで。
集客のノウハウや、美術や照明や音響のアレやコレまで、この脳ミソにはバッチリと入っております。

てなわけで、ガッツリと作り込んだ『絵本の読み聞かせイベント』なんかもやっちゃいます。
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こういったイベントで、未完成の次回作を披露して、次回作の告知に繋ぎます。
そして、こういった特殊なイベントを永続的に続ける為には、集客のシステムをキチンと整えねばなりません。
となってくると、一にも二にもコミュニティー作り。

具体的にいうと、『似たような趣味を持っている人同士を繋ぐ場』を提供します。
「キミもコレが好きなんだ。だったら、今度は一緒に行こう」という会話を増やすために。

そんなこんなで、出演者とお客さんの垣根をブッ壊し、純粋な『待ち合わせ場所』として機能するフェス(天才万博)なんかも仕掛けます。
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もちろん、このフェスの中には、キチンと絵本のエッセンスを入れておきます。
ただ、このフェスに限っては『絵本を売る場』ではないので、物販ブースには絵本を一冊も置きません。
自分の絵本が売れることよりも、たとえば、ここに集まってきてくれたアーティストさんのCDが一枚でも売れた方が、来年も『待ち合わせ場所』として機能し、長い目で見た時にプラスです。

 

おさらいです。

①圧倒的な作品を生む
②圧倒的に売る
③体験に落とし込む

僕の絵本作りは、③までを「作る」としています。
あくまで、これは、ライブ畑で生まれた僕のやり方で、100人いれば100通りの方法があると思います。

ちなみに、ほとんどの芸大では①しか教えてくれません。
おおくの場合、②以降ができなかった人が先生になっているからです。

1月6日発売の『Discover Japan』の超ロングインタビューでは、そんな話をさせていただきました。
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「日本の魅力を再発見」がコンセプトの同誌では、日本各地の伝統工芸品などを紹介しているのですが、「問題はそこじゃねえよ!」とインタビューでは吠えました。
皆、とっくに素晴らしいモノを産み出しているのですが、99%の作り手が冒されている病は、「素晴らしいモノさえ作っていれば…」という芸術幻想からくる育児放棄に他なりません。

もう、そろそろ辞めませんか?
学校の先生も、ちょっとだけ勉強しようよ。
今は、そういう時代じゃないってば。
届けないと、届かない時代です。

以上、『Discover Japan』のやんわりステマでした。


























絵本『えんとつ町のプペル』の話。

当初、出版社からは「初版は1万部」と言われていて、その数字は大変な判断ミスだと思ったけれど、「もっと売れますよ。これは機会損失です」と叫んだところで説得力がないので、自分で1万冊を購入して、発売日までに1万冊を手売りで予約販売することを約束したら、初版が3万部になり、よいスタートが切れた。
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(※写真は領収証の一部)
僕は一旦、2000万円以上を支払うことになるが、1万冊程度なら確実に売り切れる自信があったので(実際に1万冊は発売日までに売れた)、僕にとってみれば、博打でも何でもなかった。

 
そのことをブログで書いたら、アンチ西野を名乗る方々から「西野は本屋の仕事を奪っている!」という批判コメントがたくさん届いて、毎日何を食べていたら、ここまでバカに仕上がるのかを考えた。

初版1万部だったところが、僕個人で1万冊を買い取ることで3万部になったのだから、本屋さんが販売する冊数は、その時点で1万冊増えている。
『1-0』を、『1-1』にしたわけではなくて、『3-1』にしたのだ。

僕は友人が本屋さんを経営しているので、本を出す時は、当然、本屋さんのことを考える。
本屋さんを助ける為に、僕ら作り手ができることは、ただ一つ、ヒット作を生むことだ。
イ(部数)を拡大させることだ。

エンタメは可処分時間(自分の意思で自由に使える時間)の陣取り合戦。
ファミレスや、カラオケ、ライブや、美術館…星の数ほどあるこれらの選択肢の中から、まずは『本』に目を向けさせることが大切だ。

そして、ここを押さえておかなければいけないのが、本に限らず、『売れているモノが売れる』ということ。

まずは、力業であろうが何であろうが、《売れているモノ》にしなければならない。
たった1万冊手売りするだけで、《売れているモノ》になるのであれば、いくらでもやる。
その方が、友達の本屋さんが潤うから。

絵本『えんとつ町のプペル』は現在23万部。
この作品は何としてでも100万部を売る。
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その数字に見合うだけの作品だし、個人的には電子書籍よりも紙の本が好きだし、
なにより、友達が本屋さんをやっているので。
友達が上手くいった方がいい。

絶対に100万部を売り切るので、見届けてくださいな。

あと、アンチ西野の皆様は、今年もその調子で宜しくお願い致します。
明けましておめでとうございます。

 



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