少し真面目な話をしますね。『肩書き』のこと。
人は、やたら肩書きを欲しがるし、他人に対しても肩書きを付けたがる。
その動機は「恐怖」だと思う。
すでに世の中から存在が認められた名称に自分の身体を当てはめることで、「自分も存在していいのだ」とする。
「お前、何屋さんなの?」という攻撃に対する返しだよね。
同時に自分も他人に対して、「お前、何屋さんなの?」と攻撃をする。
『ハイパーメディアクリエイター』なんて認めない。
咀嚼できない自分の能力不足を認めたくないから、「悪いのはオマエだ。分かりやすく何屋さんか言え!」と、とにかく相手を攻撃する。
数種類の職業を掛け持っている人に対しては、「中途半端なことをするな!結局、何屋さんになりたいんだ?」と答えを一つに絞らせる。
「オマエは何屋さんなんだ?」
みんな、この問いかけに怯えている。
そしてまた、バツの悪いことに、イチローや本田圭佑など、「子供の頃から一つのことを続けてきて、ついに夢を叶えた」という物語がキャッチーで、美談として語られてしまうから、
職をたくさん掛け持っていたり、コロコロと職を変える人間に対して『中途半端だ!』という烙印を押す。
このサイクルは、とても危険だ。本当に。
たとえば、タクシードライバーであり、ミュージシャンとしても活動している人がいたとする。
その時、周りは言うだろう。
「なんで、タクシードライバーなのに、音楽活動してるの? どっちが本業なの? 中途半端なことをするなよ。どっちかに決めろよ!」
その言い分は、まるで正論で、だから余計に声が大きくなる。
なんなら、同業者も一緒になって言う。
「なんでタクシードライバーが音楽活動をやっとんねん」
しかし、その後、『ロボットタクシー』が普及したら、どうなるだろう?
ほとんどのタクシードライバーさんは職を奪われ、生き残るのは、タクシードライバー以外の活動を掛け持っていた人。
「なんでタクシードライバーが音楽活動をやっとんねん」と攻撃してしまっていた人は、
「なんでタクシードライバーが音楽活動をやっとんねん」と攻撃してしまった手前、
ロボットタクシーの驚異が目前まで迫っても、他の職に手を伸ばすことができない。
「え?あんなこと言ってたオマエが、他のことをやっちゃうの?」と攻撃されるから。
「オマエ、何屋さんなの?」という攻撃で、首が絞まるのは、つまるところ自分自身だ。
僕らが、まず踏まえておかなければならないことは、
『すべての職業には寿命がある』
ということ。
そして、ここからは、僕たちが想像している以上のスピードで、たくさんの職業が無くなっていく。
効率化を求めた結果、ロボットに辿り着いて、そのロボットによって、たくさんの職が奪われる。
この流れはもう誰にも止められない。
だから、ここからの時代、とても大切なのは、
転職することや、仕事を掛け持つことを『肯定する』ということ。
「イチローのような生き方をする人がいていいし、そうじゃない生き方をする人がいていい」と多様性を認めるということ。
肩書きに頼るのではなく、自分の中だけのルールを作っちゃって、そのルールに頼って生きていけばいいと思う。
僕の場合は『芸人=職業名ではなく、生き様』と定義し、芸人として生きていくと決めた。
だから、肩書きなんて、どうだっていい。
バラエティー番組の企画で、「なんで芸人なのに、絵本なんて描いているの?」と言われたので、「じゃあ、肩書きを絵本作家にします」と答えた。
活動内容は、これまでと何も変わらない。
「いとも簡単に肩書きを捨てて…お前にはポリシーが無いの?」なんて言われた。
あるよ。
芸人が好きで、生涯『芸人』として生きていきたいから、肩書きなんて、バラエティー番組のオチついでに、いとも簡単に捨てれるんだよ。
『芸人』を職業名としている人からするとワケがわからないよね。
芸人から絵本作家になった翌日に、普通に、劇場で漫才してるんだもん。
「は? 芸人を辞めたんじゃねーの? 何がしたいの? 」となる。
そうなってしまう人の気持ちも分かる。
『芸人=職業名ではなく、生き様』という考えが、少しずつ、少しずつ、浸透していけばいいと思う。
たくさんの誤解を生むけれど、理解してくれる人はいる。まずは、その人に向けて。
そして、それによって、「仕事って、掛け持ってもいいんだ」「職を変えてもいいんだ」と、『肩書き』の呪縛を解き、これまでより、もう少しだけフラットに考えられる世の中になったらいいし、ならなきゃマズイことになる。
真面目な話をしてゴメンなさい。
まもなく、
これからの生き方や、仕事の作り方や広げ方、そしてお金の話について書いた『魔法のコンパス ~道なき道の歩き方~』というビジネス書が出版されます。
予約してくださった方にはクリアファイル(※画像添付)が特典で付くそうです。
是非、予約してください。
以上、強烈なステマでした。
『魔法のコンパス ~道なき道の歩き方~』
著・西野亮廣
御予約はコチラ→『魔法のコンパス』
人は、やたら肩書きを欲しがるし、他人に対しても肩書きを付けたがる。
その動機は「恐怖」だと思う。
すでに世の中から存在が認められた名称に自分の身体を当てはめることで、「自分も存在していいのだ」とする。
「お前、何屋さんなの?」という攻撃に対する返しだよね。
同時に自分も他人に対して、「お前、何屋さんなの?」と攻撃をする。
『ハイパーメディアクリエイター』なんて認めない。
咀嚼できない自分の能力不足を認めたくないから、「悪いのはオマエだ。分かりやすく何屋さんか言え!」と、とにかく相手を攻撃する。
数種類の職業を掛け持っている人に対しては、「中途半端なことをするな!結局、何屋さんになりたいんだ?」と答えを一つに絞らせる。
「オマエは何屋さんなんだ?」
みんな、この問いかけに怯えている。
そしてまた、バツの悪いことに、イチローや本田圭佑など、「子供の頃から一つのことを続けてきて、ついに夢を叶えた」という物語がキャッチーで、美談として語られてしまうから、
職をたくさん掛け持っていたり、コロコロと職を変える人間に対して『中途半端だ!』という烙印を押す。
このサイクルは、とても危険だ。本当に。
たとえば、タクシードライバーであり、ミュージシャンとしても活動している人がいたとする。
その時、周りは言うだろう。
「なんで、タクシードライバーなのに、音楽活動してるの? どっちが本業なの? 中途半端なことをするなよ。どっちかに決めろよ!」
その言い分は、まるで正論で、だから余計に声が大きくなる。
なんなら、同業者も一緒になって言う。
「なんでタクシードライバーが音楽活動をやっとんねん」
しかし、その後、『ロボットタクシー』が普及したら、どうなるだろう?
ほとんどのタクシードライバーさんは職を奪われ、生き残るのは、タクシードライバー以外の活動を掛け持っていた人。
「なんでタクシードライバーが音楽活動をやっとんねん」と攻撃してしまっていた人は、
「なんでタクシードライバーが音楽活動をやっとんねん」と攻撃してしまった手前、
ロボットタクシーの驚異が目前まで迫っても、他の職に手を伸ばすことができない。
「え?あんなこと言ってたオマエが、他のことをやっちゃうの?」と攻撃されるから。
「オマエ、何屋さんなの?」という攻撃で、首が絞まるのは、つまるところ自分自身だ。
僕らが、まず踏まえておかなければならないことは、
『すべての職業には寿命がある』
ということ。
そして、ここからは、僕たちが想像している以上のスピードで、たくさんの職業が無くなっていく。
効率化を求めた結果、ロボットに辿り着いて、そのロボットによって、たくさんの職が奪われる。
この流れはもう誰にも止められない。
だから、ここからの時代、とても大切なのは、
転職することや、仕事を掛け持つことを『肯定する』ということ。
「イチローのような生き方をする人がいていいし、そうじゃない生き方をする人がいていい」と多様性を認めるということ。
肩書きに頼るのではなく、自分の中だけのルールを作っちゃって、そのルールに頼って生きていけばいいと思う。
僕の場合は『芸人=職業名ではなく、生き様』と定義し、芸人として生きていくと決めた。
だから、肩書きなんて、どうだっていい。
バラエティー番組の企画で、「なんで芸人なのに、絵本なんて描いているの?」と言われたので、「じゃあ、肩書きを絵本作家にします」と答えた。
活動内容は、これまでと何も変わらない。
「いとも簡単に肩書きを捨てて…お前にはポリシーが無いの?」なんて言われた。
あるよ。
芸人が好きで、生涯『芸人』として生きていきたいから、肩書きなんて、バラエティー番組のオチついでに、いとも簡単に捨てれるんだよ。
『芸人』を職業名としている人からするとワケがわからないよね。
芸人から絵本作家になった翌日に、普通に、劇場で漫才してるんだもん。
「は? 芸人を辞めたんじゃねーの? 何がしたいの? 」となる。
そうなってしまう人の気持ちも分かる。
『芸人=職業名ではなく、生き様』という考えが、少しずつ、少しずつ、浸透していけばいいと思う。
たくさんの誤解を生むけれど、理解してくれる人はいる。まずは、その人に向けて。
そして、それによって、「仕事って、掛け持ってもいいんだ」「職を変えてもいいんだ」と、『肩書き』の呪縛を解き、これまでより、もう少しだけフラットに考えられる世の中になったらいいし、ならなきゃマズイことになる。
真面目な話をしてゴメンなさい。
まもなく、
これからの生き方や、仕事の作り方や広げ方、そしてお金の話について書いた『魔法のコンパス ~道なき道の歩き方~』というビジネス書が出版されます。
予約してくださった方にはクリアファイル(※画像添付)が特典で付くそうです。
是非、予約してください。
以上、強烈なステマでした。
『魔法のコンパス ~道なき道の歩き方~』
著・西野亮廣
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