こんばんは。野崎弁当です。


先日、最近よく聴く歌の話をしたのですが、その中で『アスノヨゾラ哨戒班』を取り上げたところ少しばかり反響があったので、僕の好きなボカロ曲の話をしようと思います。ボカロP名は敬称略といたします。また、曲名・作曲者・発表年の後に、お気に入りの歌詞を載せておきます。







●『さよならアストロノーツ』(小林オニキス)<2008年>

「ありがちな未来に辿り着いた 昨日までを 誇らしいと言えるようにならなきゃ」


いきなりですが、今のところ僕が知っているボカロ曲の中で断トツでぶっちぎりに好きな曲です。

僕は基本的にポジティブな曲が好きなのですが、この曲は歌詞だけを追うとすごくネガティブな印象を受けます。ただ、一見ネガティブな印象を受ける歌詞の中に、大人になって生きていくということに決して負けないポジティブさを僕は感じます。


わかりやすく前向きな歌というものは、時に無責任な歌になります。現実から乖離した絵空事の歌にもなります。でもこの曲は、ただただ無責任な言葉で鼓舞するのではなく、静かに、そっと背中を押してくれます。その微かな力強さが、大人として生きるための力になり、前に進んでいくための力になります。決して派手ではないけれど、でも、心にすっと入ってくる、決して雑音にならないそんな微かな力強さが、この世界に生きる僕たちにとってとても大事なものであるのだと思います。


この曲は、「大人になった未来の自分」の曲なのだと思います。僕は、「子供と大人」というテーマを扱う作品を好きになることが多いですね。僕が大好きなゲームである『ペルソナ2 罪・罰』も、それが物語の大きなテーマの一つになっていますね。
僕が子供だった頃、大人になんかなりたくないと思う反面、その実、早く大人になって何でもできるようになりたいという全く相反する感情を心の中に宿していました。そんな感情を心の中に抱えたまま大人になり、そして大人になった今、僕は僕が思い描いていた大人なのだろうかと考えることがあります。
大人になって得た物、大人になって失った物。たくさんあります。こんな大人になりたくない、こんな大人になりたい。今となってはそのどちらもを備えた自分であるような気がします。
子供だった自分、大人に特別な感情を抱いていた自分。あの頃の自分は、大人になった今の僕を見たらどう思うのだろう。もうあの頃の僕ではないからその問いに答えることは出来ないけれど、ただ、僕がもしあの頃の自分に何か言葉をかけるとしたら、この動画の投稿説明文にある言葉をかけるのだと思います。「大人になるのも意外と悪くないですよ」と。









●『サイハテ』(小林オニキス)<2008年>

「ありふれた人生を 紅く色付ける様な たおやかな恋でした たおやかな恋でした さよなら」


『さよならアストロノーツ』と同じく、小林オニキスさんの作品です。こちらのほうがよく知られた曲かもしれません。タグに「ポップ・レクイエム」とついていますが、その通り、死を弔う曲でありながらとてもポップな曲調の楽曲となっています。

この楽曲を初めて聴いた時は、「弔い」というものをこんなふうに表現できるのかと大変衝撃を受けました。歌詞の日本語もとても美しく、以来、僕の大好きな曲となっています。







●『チョコレート・トレイン』(PENGUINS PROJECT)<2008年>

「ねえ トレイン 何をのせて走るの 宿題? 仕事? 家族の写真? 夕陽に照らされて 走るよ今日も チョコレート・トレイン」


何気ない日常を切り取った歌なのだと思います。何気ない日常も、切り取り方によってはこんなにも色づいて見えるのだと教えてくれた曲です。

今、世界はありふれていたはずの日常が失われてしまいましたが、そんなときにこの曲を聴くと、改めて思い知らされます。何気ない日常がいかに色づいていたのかということを。







●『ダブルラリアット』(アゴアニキP)<2009年>

「23.4度傾いて眺めた街並みは いつの間にか見た事のない色に染まっていた」


自分の歴史や軌跡、歩んできた道を振り返ったとき、果たしてこれでよかったのかと思うことがあります。人生にはたくさんの分岐点がありますが、考える間もなく選ばざるを得ないこともあります。ただただがむしゃらに進むしかない場面もあります。
自分で選んだ選択肢は必ずしも正しいとは言い切れないけど、でも、その道を歩んできた今の自分に少しだけ寄り添ってくれる。そんな心強い曲です。







●『化物宇宙』(ピノキオP)<2011年>

「深夜のラブホテルの光は やがて 宇宙という大きなバケモノも 俗っぽく染めるのかな」


宇宙という限りなく巨大で果ての無い存在をテーマにした曲なのですが、その限りなく巨大な宇宙をテーマにしながら、限りなくちっぽけで身近な僕たちの日常世界を歌っているという、凄まじい曲です。

歌詞の内容もさることながら、決して「宇宙」という軸からはみ出すことなく、常に宇宙を歌いながら僕たちの日常や心象を描写し続けるというその技術にも感動しました。

好きな歌詞が多すぎて1フレーズ選ぶのにとても苦労したので、その他お気に入りの歌詞を載せておきます。
「未来はとても明るいですが 問題はすでに山積みでした 生命の神秘は喧嘩ばかりしてる」
「深夜のコンビ二の煌きは やがて 宇宙という大きなバケモノも 安っぽく照らすのかな」
「現世は地球と仲良しですが 冥府は宇宙と仲良しでした 生命の神秘は星を綺麗に見せる」
「理想と現実の揺らめきは やがて 宇宙という大きなバケモノと 仲良く暮らせるのかな」

どうしてこんな歌詞が書けるのか。感服です。







●『テトロドトキサイザ2号』(ギガP)<2011年>


「ほら!まっ逆さま 飛んでゆく いらないモノ 沢山落として 真っ正面 キミだけに ファースト・キス・ミサイルを 撃ち込め」


とても好きな曲に出会うと、もはや歌詞すら気にならないことがあります。狂ったように聴きまくって聴きまくって、しばらく経って落ち着いた頃ようやく歌詞が脳に入り込んでいく。この曲はそんなタイプの曲でした。改めて歌詞を見るととてもポップでかわいらしい歌詞なのですがね。
とにかく曲に中毒性があって、永遠とループして一日中聴いていたりもしました。そんな風に楽しんだ思い出の曲です。今でもふとした時に、無意識に「ほら!まっ逆さま~♪」と口ずさんだりしちゃいますね。






●『Ur-Style』(DATEKEN)<2009年>


「理屈抜きに直接心を揺らす オトとコトバ」


テトロドトキサイザ2号と同じでもはや歌詞すら気にならなかった曲ですが、ただ上に書いた歌詞の通り、「理屈抜きに直接心を揺らす」というのはこういうことなんだなあと思いました。この曲は深夜の長距離運転をしてた時によく聴いていた曲で、星降る夜の閑散とした深夜の道路にとても調和していました。
何も考えず、ただただその音に酔える。そんな曲も素晴らしいものだと思っています。







●『Dreamin' Tomorrow 』(TRI-ReQ)<2010年>


「ねぇ、あの日に誓った「感動」を届けよう!」


お願いShootin' Star』の姉妹作品です。歌詞の内容は、シンプルな直球の応援ソングですね。前向きな歌詞も良いですが、とにかく音に惹かれた曲です。爽やかな心地よさがあって、ずっとずっと気持ちよく聴いていられる曲です。晴れた日に聴くのがお気に入りでした。天気だけじゃなく心も晴れやかになりましたね。






●『Genesis』(OneRoom(ジミーサムP))<2010年>


「いま始まる世界創造 二つめの未来へ」


バラードを好きになることは少ないのですが、イントロのメロディーでやられてそのまま好きになった曲です。
音楽だったり物語だったり、その他さまざまな物を「創り出す」ということの尊さが凝縮された曲です。何かを創り出すことで、少しでも誰かを幸せにできる。そんなことを改めて思い出させてくれる素敵な曲です。






●『Calc.』(OneRoom(ジミーサムP))<2010年>


「感情一つ消せるのなら 「好き」を消せば楽になれるかな」


僕は「切ない歌詞だが、曲はとても疾走感がある」というタイプの曲がすごく好きなので、この曲はばっちりハマりました。
いわゆる失恋ソングであり歌詞の内容はとにかく未練未練未練!という感じで、本来は僕の好きなタイプの歌詞ではないのですが、その未練がましさを感じさせず、逆に爽やかささえ覚えてしまうという不思議な曲です。

ただ、この曲は散々引きずった未練を断ち切る最後の一歩の曲なのかなという気もします。あと一歩踏み出せばこの未練は消える。その一歩を踏み出す背中を押してくれる曲だと捉えれば、やはりこの曲も前向きな、ポジティブな曲であるのかもしれません。





好きな曲が多すぎたので、載せきれなかった曲はまたいつか。