おはようございます。野崎弁当です。

さて、僕は以前図書館に勤めていたことがありまして、お仕事の一環で読み聞かせを行なったこともあります。

ということで、今日はその経験を生かして、文字という媒体ではありますが、皆様に昔話をお届けしようと思います。





もーもたろさんもーもたーろさん





昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんとナルキッソスが住んでいました。

※ナルキッソス:水面に映った自分の姿に恋をしたことでその場を離れられなくなった青年。後に、動くことができないまま息絶え、水辺に咲くスイセンに生まれ変わる。



おじいさんは町へ地上げに行き、

おばあさんはシェイプアップのためにカーヴィーダンスを踊っていました。

ナルキッソスは近くの泉で、水面に映る自分の姿に愛の言葉を囁いていました。




おばあさんが家でカーヴィーダンスを踊っていると、だんだんと体が熱くなって来ました。

おばあさん「ああ! 止まらない! 体が止まらないわ!!」

おばあさんの動きはとどまるところを知らず、2倍速、3倍速、いや、10倍速ほどになっていました。




おばあさん「ああああああああああああああああああああああああ!!!」

気づけば、おばあさんは自分の体の動きを制御できなくなりました。

おばあさんは、白目を剥き、泡を吹きながら物凄い速度で踊るだけのバケモノになりました。




ブゥーン




ハエが飛んで来て、おばあさんに近づきました。




ペチッ




おばあさんに当たってハエは死にました。



その頃おじいさんは、罪もない町の住民を脅していました。

おじいさん「あんたがここから立ち退かなかったら、あんたの可愛い子どもがどうなるかねぇ……」



子ども「呼んだ?」


振り向くと、背丈が12メートルくらいあるムキムキの子どもが立っていました。


おじいさん「え、きみ」

子ども「あそぼ。鬼ごっこね。タッチ!」





ペチッ




おじいさんは子どもの手のひらに潰されました


子ども「まただ……、またやっちゃった……。俺がこんな力を持っているからだ……! もう、もう、こんな力なんていらない!!! うわあああああ!!!」

子どもは泣き叫び、家を破壊しながら走って行きました。




子どもは走った。


「ああ、子ども様。」うめくような声が、風と共に聞えた。

「誰だ。」子どもは走りながら尋ねた。

「フィロストラトスでございます。貴方のお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」その若い石工も、子どもの後について走りながら叫んだ。「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方をお助けになることは出来ません。」

「いや、まだ陽は沈まぬ。」

「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」

「いや、まだ陽は沈まぬ。」子どもは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。

「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、子どもは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」

「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス。」

「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」

言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、子どもは走った。

そして子どもは、うっかりフィロストラトスを踏み潰した。さよならフィロストラトス。




そして、子どもはすごい勢いのまま走り抜け、途中で猿とキジを踏み潰しました。犬は好きだったからよけた。

更に子どもは勢いを10倍に上げて走り、そのまま鬼ヶ島に突っ込みました。鬼は全滅しました。

勢いを止められない子どもは、そのまま走り抜けて溶鉱炉に落ちました。親指を立てながら沈んで行きました。




その頃、





おばあさん「ああああああああああああああああああああああああ!!! 太宰府天満宮!! 太宰府天満宮!!!」

おばあさんは相変わらず白目を剥きながら踊り狂っていました。ハエが更に5匹死んでいました。


ナルキッソスは近くの泉で、水面に映る自分の姿に愛の言葉を囁いていました。



桃は川を下り終わり、そのまま海に出て、漁師の定置網に引っかかりました。

桃を見た漁師は「珍しいこともあるもんだなあ」と言いながら記念写真を撮って、役所に持って行きました。

すると、次の月、役所の出している広報に写真が載りましたとさ。
おしまい。