<下記内容は、サイト(韓国プロ野球応援サイト ストライク・ゾーン)に2012.5.15から
掲載している特別項目を、ブログページにも再掲載しているものです>

Special contents
「韓国の野球場ってガラガラなんでしょ?」 
→いえいえ、韓国では今、プロ野球が大盛り上がりなんです! 
 ~日本では伝えられていない、韓国プロ野球の現状について~  2012.5.15


“韓国と言えばサッカーですよね?”

確かにワールドカップの時など、街中が真っ赤に染まる光景をテレビの映像などで目にした方は多いでしょう。スポーツとしても、サッカーの方が野球よりも気軽に行えることでは浸透しています。しかし、近年のプロ野球の盛り上がりはサッカーを圧倒しています。それはサッカーと比較してということだけではなく、韓国国内が野球人気に沸いているのです!

内野席を中心に応援風船を手に叫ぶのが韓国流
内野席を中心に応援風船を手に叫ぶのが韓国流

“ちょっと観客が増えただけでしょ??”

それでは、下記の観客動員数のグラフをご覧ください。
韓国球界全体の年間観客動員数の推移
・韓国球界全体の年間観客動員数の推移。韓国野球委員会(KBO)発表の数値をグラフ化

この10年間で最も動員数が低迷した04年と比べると、約3倍に増えています。しかも一過性の上昇ではなく、07年から右肩上がりです。その理由として、同年に人気チームである、ロッテジャイアンツが長年の低迷から脱出の兆しを見せ、翌08年から昨年まで連続してポストシーズンに進出。潜在的な野球ファンが球場に戻ってきました。
そして08年8月の北京オリンピックでは韓国代表チームが9戦全勝で金メダルを獲得。若きスター選手たちの活躍は新たな野球ファンを生みました。その熱気が冷めやらぬ09年3月にはワールドベースボールクラシックで準優勝。それにより、野球人気が定着していきました。11年の総動員数は初めて600万人を超え、1試合平均の観客数は12,801人となっています。

“1試合12,000人じゃ、盛り上がっていると言えないのでは?”

下記が2011年の球団別動員数です。
韓国球界全体の年間観客動員数の推移
・韓国野球委員会(KBO)発表の数値を元に表を作成

表の右から2番目の列に、「本拠地の収容人員」を表示しました。これを見ると、下位4球団の球場は収容人員が1万人程度しかないことがお分かりいただけるでしょう。全8球場の平均収容人員は19,450人で、2万人に満たない数字です。
一方、球場の収容人員、器に対してどのくらい来場者がいるかという、「球場占有率」を見ると、リーグ全体で65.8%という数字になっています。これがどのくらいの値なのかというと、下記の日本プロ野球の動員数と比べてみてください。
日本野球機構(NPB)発表の数値を元に表を作成(2011年)
・日本野球機構(NPB)発表の数値を元に表を作成(2011年)

日本の球場占有率69.3%には及びませんが、その差は3.5%です。決して「韓国の球場がガラガラ」ではないことがお分かりいただけると思います。

“でも、知り合いのキムさん(仮名)は「野球は人気ない」って言ってたよ”

その方は最近の韓国の現状に疎い、日本での生活が長い方ではないですか?もしくは、元々、スポーツに興味がない、現地の旅行ガイドの方ではないですか?人気のバロメーターのひとつとして、以下の韓国のテレビ番組編成表をご覧ください。
野球シーズン中の一般的な番組編成(2012年5月15日)
・野球シーズン中の一般的な番組編成(2012年5月15日)

韓国は日本とは異なり、ケーブルテレビ普及率(韓国:80%超、日本:51.5% 総務省調べ)が高く、各家庭の多チャンネル化(60チャンネル以上)が進んでいます。そのため野球中継の大半は地上波系列のスポーツ専門局にて行われ、多くの人が視聴しています。日々全4試合を各局が試合開始から終了まで中継。上記はそれらの放送局の番組編成です。
注目していただきたいのは、22時から(試合終了後)の各局のプログラムです。いずれも1時間枠のプロ野球ハイライト番組が編成されています。しかも生放送。試合が終わるやいなや、各局横並びでプロ野球ニュースを放送しているのです。
MCの女性アナウンサーとコメンテーター(野球解説者)で番組を進行。内容はゲームハイライトに今日のホームラン、珍プレー好プレー、インタビュー企画、明日の見どころなど、各局趣向を凝らししのぎを削っています。

新聞紙を手にした独特の応援をするロッテファン
新聞紙を手にした独特の応援をするロッテファン

“ということは視聴率も高いんでしょうね?”

野球中継の4月の平均視聴率はSBS ESPNが1.368%でトップ。以下、KBS N スポーツ(1.318%)、MBCスポーツプラス(1.130%)、XTM(0.955%)でした(いずれもTNmSメディア社調べ)。
「数字、低っ!」って思った方、まぁ、冷静に。韓国は上記で記した通り、チャンネル数が多いため、ケーブルチャンネルの場合、1%を越えれば成功、2%なら大成功と評価されます。各局の中継の平均視聴率を足すと4.771%。野球中継全体で5%近い数字を持っていることになります。4月、最も視聴率が高かった試合は、13日のLG対キア戦の2.174%でした。
また、プロ野球ハイライト番組で4月に最も平均視聴率が高かったのは、「Baseball Tonight "ヤ"」(MBCスポーツプラス)の0.591%。同水準で各局争っているので、ハイライト番組全体でも2%近くの視聴率があります。

“韓国は「野球好きのおじさんたちが元気」ってことだね!”

そういうことでもないんです。KBOがスポーツマーケティングの専門調査機関・SMS社に調査を依頼したところ、昨年10月に国内の5球場に訪れた、高校生以上の観客1,054人のうち、39.2%が女性だったそうです。また世代別では20代が42.5%で最も多く、30代が26.8%で続くなど、プロ野球が若者に支持されていることがうかがえます。実際、韓国の球場では女性ファンが前列に陣取り、ユニフォームを着て選手名の書かれたプラカードを手にする姿が多く見られます。また、学生の割合は32.1%でカップルがデートで野球観戦に訪れている姿もあります。
この調査結果は、週末や連休を中心に行われたようで、調査期間、対象者を増やすと、もう少し男性の比率と年齢層が上がるように思いますが、球場にたくさんの女性や若者が足を運んでいるのは事実です。

韓国プロ野球観客の4割近くが女性客韓国プロ野球観客の4割近くが女性客韓国プロ野球観客の4割近くが女性客韓国プロ野球観客の4割近くが女性客韓国プロ野球観客の4割近くが女性客韓国プロ野球観客の4割近くが女性客

“でも、そろそろブームが去るんじゃないのかい?”

いえいえ、今シーズンも昨年以上に盛り上がっているんです。
韓国野球委員会(KBO)発表の数値を元に表を作成(5月13日現在)
・韓国野球委員会(KBO)発表の数値を元に表を作成(5月13日現在)
 *1 ハンファは4月の試合を7,500人収容のチョンジュ球場で実施。
 また今季より本拠地・テジョン球場は改修により増席した。

今季はここまで、平均2万人を超えるチームが4つもあります。加えてハンファを除く7球団の球場占有率は70%を超えています。そのハンファも工事中の2階席が解放されると、収容力がアップし、占有率も上がると予想されます。

“そんなに盛り上がっているのなら、なぜ日本で紹介されないの?”

その理由として以下が挙げられます。
・各メディアで、スポーツ(国際大会を除く)を紹介する機会自体が減っている。
・経費削減により、海外取材がしづらい。
・「大物日本人選手がいる」というような目玉がない。
・音楽や映画、ドラマと違い、紹介したところで関連ビジネスに結びつかない。
 →2013年はWBCがあるので、来春に向けては一時的に変化が生じます
・元々、スポーツ取材は手間と時間がかかるうえに、結果や天候に左右されるという難しさがある。

内野2階席まで熱気を帯びる、インチョンムナク球場
内野2階席まで熱気を帯びる、インチョンムナク球場

ここまでご覧になって、
「盛り上がっていることを伝えようと必死だなぁ」と思った方..

正解!

そうなんです。必死で伝えてみました。たまたまこの項目をご覧になっちゃった方だけでも、現在の韓国プロ野球の現状を知っていただければと、記事やコラムの形ではなく、特別項目としてサイト内に設けてみました。

じゃぁ、韓国プロ野球のレベルがどうなのか?とか、試合は面白いのか?とか、イケメン選手はいるのか?とか、チアリーダーはセクシーなのか?とか、さらに興味を持っちゃった方は、さらに情報を探してみるなり、現地で観戦するなりしてみてください。このページはあくまできっかけ作り。そこからのご判断はご自身で行ってくださーい!

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2017-5


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室井 昌也

論創社
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