FA権を取得し、米大リーグ行きを目指していたトゥサンのキム・ヒョンス外野手のボルチモア・オリオールズへの入団が23日(現地時間)発表されました。背番号は25とのことです。韓国プロ野球から直接メジャー入りするのは、リュ・ヒョンジン投手(ドジャース)、カン・ジョンホ内野手(パイレーツ)、そして今オフ、ツインズ入りしたパク・ピョンホ内野手に次いで4人目です。
→Orioles sign Korean outfielder Kim(ボルチモア・オリオールズ公式サイト)
キム・ヒョンス選手については日刊スポーツさんのコラムにも記しましたが、下記に簡単に記しておきます。
キム・ヒョンス選手は1988年1月12日生まれの27歳。2006年に信一高校からプロ入りした時は、現在の育成選手にあたる、申告選手として入団。プロ2年目に頭角を現すと、3年目の2008年に行われた北京五輪で代表入りし、その年には打率.357で首位打者になりました。翌2009年には2年連続となる最多安打のタイトルを獲得。実働10年で打率3割到達は7回で、通算打率.318は韓国歴代4位(3000打席以上)を誇ります。
身長188cm、体重100kgの恵まれた体格で、通算本塁打数は142本。今年も28本塁打をマークしていますが、本人は「自分は長距離打者じゃない。アベレージヒッターです」と話します。彼に聞くと、「今年はメジャー行きを見据えて、強い打球を打とうと意識した」そうで、例年よりは三振が多め(63個)でしたが、この5年間で見ると、三振の頻度は9.3打席に1個。KBOリーグで最も三振が少ない打者です。
先月の世界野球プレミア12では韓国代表の3番に座り、33打数11安打13打点で大会MVPを獲得。日本戦では2度先発登板した大谷翔平投手(北海道日本ハム)が、キム・ヒョンス選手に対しては、最速161キロを含む、4度の160キロ超えの速球を投げ込みました。両者の対戦は6打数1安打5三振。ミートがうまいキム・ヒョンス選手が空振り三振を4つ喫した対戦は、いずれも見応えがありました。
キム・ヒョンス選手は朗らかな性格で、その印象は今もプロ入り当時もあまり変わりません。年齢を重ね、チームの中心的な役割を担うようになっても、かわいらしい笑顔も含めて、どこか末っ子のような雰囲気を感じます。アメリカでもチームメイトやファンに愛されるといいですね。
打者としての能力はもちろん、強い体と強い責任感で、アメリカでも活躍して欲しいと思います。
室井 昌也