ソフトバンクは26日、今季、サムソンでプレーしたリック・バンデンハーク(29歳。ハングル表記だとベンデンホルク)投手の獲得を発表しました。バンデンハーク投手については、他所でもお伝えする機会がありますが、簡単に記そうかと思います。
以下が韓国在籍2年間の成績です。 2013年 24試合7勝9敗0S 防御率3.95 137奪三振 QS 15 2014年 25試合13勝4敗0S 防御率3.18 180奪三振 QS 16 韓国通算 49試合20勝13敗0S 防御率3.55 317奪三振 QS 31
今季は防御率1位と最多奪三振のタイトルを獲得しました。防御率3点台での1位というのは打高投低の影響ですね。 →2014年韓国プロ野球個人成績 観客動員数
昨季の成績があまり良くないように思えるかと思いますが、オールスター戦以降の後半戦に安定した活躍を見せ、韓国シリーズでも信頼を得て、今季の活躍につながっていきました。
バンデンハーク投手が昨夏以降に好成績を残した要因のひとつに、門倉健コーチのアドバイスがあります。リュ・ジュンイル監督からの指示で、門倉コーチ(当時、インストラクター)はバンデンハーク投手の調整に着手。バンデンハーク投手もそれを前向きにとらえ、自らアメリカでプレーしていた時の映像と、プライベートで撮影したシャドーピッチングの動画を門倉コーチに見せ、「このように投げたい」という話をしたそうです。門倉コーチがその映像を見た時の印象は「全く別人。上から投げていた」とのこと。昨夏のバンデンハーク投手はスリークオーター気味でした。
その時に2人が行った修正点を簡単に記すと、スムーズなクイックモーションの実施とクロスステップの修正だそうで、それを行ったことで自然と腕が上がり、球の威力が増し、制球力もアップしました。また今年の開幕直後、肘、肩を痛め不振だった時も、門倉コーチと5日間、腕の角度を中心としたフォームの微調整を行っています。
投球スタイルですがバンデンハーク投手が先発した、11月4日の韓国シリーズ第1戦、6回1/3を投げ被安打5、失点2、三振7だった時の投球内容を見てみると、107球中、直球の最速は155キロ。球種の内訳はストレート50球、スライダー44球、カーブ11球、カットボール2球でした(サムソン球団調べ)。身長198センチの長身から低めに決まる角度ある投球が魅力だと思います。
上記の門倉コーチとのやり取りを見てもお分かりの通り、いいものは受け入れようとする、聞く耳を持ったプレーヤーです。ちなみに韓国では、彼の登板を熱心に応援する奥さんのエナさんが可愛らしく、再三、各メディアで取り上げられていました。
日本の打者は韓国よりも当てる技術に長けているため、韓国のように三振は取れないかもしれませんが、広いヤフオクドームを本拠地にし、強力な打線を味方に、先発投手として活躍するのではと期待も込めて見守りたいと思います。
室井 昌也