月別アーカイブ / 2012年10月

【コラム】
サムソン・落合英二投手コーチに関するコラムを、
スポーツナビさんで書きましたので、ご興味ありましたらどうぞ。
異文化で確かな功績を残した落合英二 自費参加から「韓国一の投手コーチ」に(スポーツナビ)

31日、場所をチャムシル球場に移して行われた韓国シリーズ第5戦は、
少ないチャンスに相手のミスで得点を挙げたサムソンが、
投手陣の踏ん張りでSK打線を封じ、2対1で勝利。
対戦成績を3勝2敗として韓国シリーズ制覇に王手をかけました。

 S  0 0 0 1 0 0 0 0 0  1
 サ  1 0 1 0 0 0 0 0 X  2
 SK投手:●ユン フィサン、パク フィス
 サムソン投手:○ユン ソンファン、クォン ヒョク、アン ジマン、Sオ スンファン
 本塁打:

2012年韓国プロ野球ポストシーズン日程表

打席ごとの経過はこちら
2012年 韓国プロ野球ポストシーズン試合経過

以下、映像で確認した試合経過です。

サムソンは4番・パク ソクミンを6番に下げ、5番にパク ハンイを入れるなど打順を入れ替え。

先発投手は第1戦同様、サムソン・ユン ソンファン、SK・ユン フィサンで、
試合展開も1戦と同じく、投手戦で進行する。

<1回裏>
サムソンは1死から、2番・チョン ヒョンシク、3番・イ スンヨプが連続ヒットで出塁するも、
4番・チェ ヒョンウが初球をキャッチャーへのファールフライで倒れる。
2死となり5番・パク ハンイのところで、SKの先発ユン フィサンがワイルドピッチ。
三塁からチョン ヒョンシクが生還し、サムソンが1点を先制する。

<3回裏>
この回のサムソンも1死から、3番・イ スンヨプが初球のカーブをヒッティング。
この日2本目となるヒットをライトへ運ぶ。
イ スンヨプは外角球を軽くライト方向へと打ち返すバッティングが目立つ。
続く4番・チェ ヒョンウもライト前へヒットを放つと、ライトがボールの処理をもたつき、
その間にイ スンヨプは三塁へ。

1死一、三塁で5番・パク ハンイ。パク ハンイの打球はショートへのゴロ、
ショート・パク チンマンはホームへ送球しようとするも、握り直す間に、
ホーム、二塁ともに間に合わないタイミングとなり、一塁へ送球。
三塁ランナーがホームインし、サムソンは2対0とリードを2点とする。

SK・ユン フィサンはその後、7回を終わるまでノーヒットピッチング。
第1戦同様、打線の援護を待つ。

<4回表>
2点を追うSKは2本の内野安打で無死一、二塁のチャンスを作る。
ここで4番・イ ホジュンが追い込まれたところで一、二塁間へのヒット。
二塁ランナーが生還し、SKは2対1の1点差に迫る。

なおも無死一、二塁で5番・パク チョングォンは三塁前への送りバント。
これをサード・パク ソクミンが迷わず三塁へ投げフォースアウト。
1死一、二塁となる。

6番・キム ガンミンはショートへのゴロ。二塁のみアウトとなり、
2死一、三塁となる。

7番・パク チンマンのところで一塁ランナーがスタート、
サムソンの捕手・イ ジヨンが二塁へ投げる構えを見せたところ、
三塁走者が飛び出しタッチアウト。SKはチャンスに1点で攻撃を終える。

<7回表>
SKはこの回先頭の4番・イ ホジュンがライトオーバーの二塁打で出塁。
ここでサムソンは好投の先発・ユン ソンファンから左のクォンヒョクに代える。

続く5番・パク チョングォンのサードゴロがフィルダースチョイスとなり1死一、二塁。
サムソンは3番手のマウンドにアン ジマンを送る。
アンジマンはピンチでキム ガンミン、パク チンマンを二者連続の空振り三振。
チョ インソンの代打・イ ジェウォンも初球をショートゴロに倒れ、
SKは得点ならず。

<9回表>
2対1、SK最後の攻撃。
サムソンは8回2死から抑えのオ スンファンを投入し、必勝態勢に入る。
そのオ スンファンから3番・チェ ジョンがあわやホームランの
センターオーバーの三塁打を放ち、無死三塁の絶好のチャンスを作る。

ここで4番・イ ホジュン。イ ホジュンはカウント3-2からの7球目を
二遊間へ飛ぶゴロ。ショートが三塁に背を向ける姿勢の打球も、
三塁走者のチェ ジョンは動きを見せず、ショート・キム サンスは一塁に送球しアウト。
1死三塁となる。

5番・パク チョングォンに対し、オ スンファンはこれまでの直球一辺倒から、
低めのスライダーを挟むも、パク チョングォンのバットは出ず四球。
1死一、三塁となる。

この場面で6番・キム ガンミンは空振り三振。
2死となり7番・パク チンマンはカウント1-2からの外角球が微妙な判定ながら
ストライクとなり見逃し三振でゲームセット。

最終回の危機を乗り切ったサムソンが2対1で勝利。
対戦成績を3勝2敗として、韓国シリーズ制覇に王手をかけました。


いやいや、9回表はものすごい戦いでした。
無死三塁、三塁走者が還ると同点となる場面で、
得点を与えなかったオ スンファン投手。緊迫感がありました。

両先発投手が好投する中、ミスによる失点やアウトがゲームを左右した第5戦。

ゲーム中、一つ驚いたのが、7回表SKの攻撃、2死一、二塁で、
チョ インソン選手のところで、代打・イ ジェウォン選手が起用されたことでした。
サムソンのピッチャーはアン ジマン投手。
左殺しのイ ジェウォン選手をこの場面で?という印象でした。

確かにシーズン中、チョ インソン選手はアン ジマン投手に5打数無安打。
この3年間でも18打数1安打10三振なので、代えるのもわかるところではあります。

この場面でイ ジェウォン選手が打てばもちろん大成功ですが、
守備面以外の理由で、最適とは言えない選手に代えることに、
チョ インソン、イ ジェウォン両選手はじめ、
周囲は納得いくものだったのかと、ちょっと心配に思ってしまいました。

第6戦もチャムシル球場で18時から行われます。
場所は同じですがホーム第6戦はSKがホームとなります。
予告先発はSK・マリオ投手、サムソン・チャン ウォンサム投手と発表になっています。

あ、公私に渡りバタバタし、なかなか時間的に余裕がなく、
余談的なものを記していませんでしたが、とりあえずひとつ。
先日、ゆっくり話を聞いたサムソン・カン ミョング選手、
以前から何かと話すことがある選手ですが、話したその日が誕生日だったことを
後から気がつきました。
う~ん、スマートイケメンにおめでとうと言ってあげられなかった、って女子か。

伺った話はスポーツ朝鮮のコラムに記しましたが、
その中でもあるように、キム ジェゴル走塁コーチが西武・片岡易之選手の
走塁技術に関するビデオを選手に見せたそうで、しばし走塁談義になりました。

当方、それを頭と体で理解はしたものの、未熟な韓国語で、
どう文字にするかちょっと考えましたが、なんとかデスクに理解してもらえたようであります。

第6戦も打席経過を掲載予定です。




2017-5


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室井 昌也

論創社
2016-12





交通情報の女たち
室井 昌也
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2014-11-18




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サムソン・落合英二投手コーチに関するコラムを、
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韓国シリーズのさ中ですが、29、30日と韓国球界では大きな話題がありました。

29日、ハンファ球団から発表されたのは、
今季で7シーズンを終え、球団の同意により海外移籍が可能となる権利を得た、
リュ ヒョンジン投手のメジャーリーグ進出を条件付きで認めるとのことでした。
リュヒョンジン2012
リュ ヒョンジン投手(今年6月撮影)

球団、選手が合意した事項を満たす入札があった場合、
リュ ヒョンジン投手はメジャーリーグへ渡ることとなります。
球団が条件としている金額は非公開です。

この件については日刊スポーツさんの携帯サイト、
ワールドベースボール内のコラム「韓話☆球題」に記しましたが、
もしリュ ヒョンジン投手がメジャーリーグ入りとなると、
韓国プロ野球から直接メジャー入りする初の選手となります。

これまでの韓国人メジャーリーガー12人の中で、
10人がアマチュアから、2人は韓国のプロから日本を経由しての
メジャー入りです。イ サンフン投手(サムソン・リー=元中日)、
ク デソン投手(元オリックス)がその2選手ですね。

歴代12人の韓国人メジャーリーガーがいるわけですが、
現在、メジャーでプレーする韓国人選手は、
チュ シンス外野手(インディアンス)の1人だけ。
2005年にメッツと契約したク デソン投手以降、
アメリカの球団と契約してメジャーリーガーになった選手はいません。

リュ ヒョンジン投手は久々の韓国人メジャーリーガーとなるのでしょうか?

そして30日にはロッテ球団から、ヤン スンホ監督の辞任が伝えられました。
ヤン スンホ監督は就任1年目の昨季を2位。
今季は公式戦を4位で終えるも、準プレーオフでトゥサンを破り、
プレーオフに進出しました。

イ デホ選手がオリックスへ移籍し、戦力ダウンしたにも関わらず、
ポストシーズンに進出した訳ですが、
韓国シリーズに進出できなかったということで、
監督が辞任(を表明する結果となる)とは厳しいですね。

ロッテは1992年以来、優勝から遠ざかっています。
低迷期を経て、近年は5年連続ポストシーズンに進出しているので、
「そろそろ優勝してもらわにゃ」という期待、圧迫が現場に対してあるのでしょうね。

また、ロッテの新監督は発表になっていません。
11月8日から行われるアジアシリーズ2012にロッテは開催地特例で出場しますが、
アジアシリーズ2012概要
ベンチ入りはシーズン中のエントリーが基準となるので、
指揮はクォン ドゥジョ ヘッドコーチが監督代行を務める予定です。

ちなみに今回のアジアシリーズにオーストラリア代表として出場するパースヒートに、
シドニーブルーソックスに所属のク デソン投手が、
これまた特例で、大会期間中に限り移籍することになっています。

アジアの頂点を争う真剣勝負ではありますが、
興行面も無視できないバランス感覚がなかなか、らしいところではあります。

31日にアジアシリーズの入場券の概要が発表になり、
韓国シリーズ終了後に発売となりますが、
こちらもなかなからしいところで、
チケットの料金体系が以下の3つに分かれています。

1.台湾-中国、オーストラリア-日本間の試合
2.韓国(ロッテ)-オーストラリア、韓国-台湾、韓国-中国間の試合
3.韓国(ロッテ)-日本、決勝戦

1が最も安く、順に値段が上がっていきます。
といっても日本に比べたら、お安いのですが。
3.の内野指定S、A、B席で大人15,000ウォン(約1,050円)、
プレミアム席でも45,000ウォン(約2,800円)です。

もう11月ですね。

韓国シリーズ第5戦は31日18時からチャムシル球場で行われます。
予告先発はサムソン・ユン ソンファン投手、SK・ユン フィサン投手と発表になっています。

第5戦も打席経過を掲載予定です。




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室井 昌也

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【コラム】
サムソン・落合英二投手コーチに関するコラムを、
スポーツナビさんで書きましたので、ご興味ありましたらどうぞ。
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29日、インチョンムナク球場で行われた韓国シリーズ第4戦は、
両先発の投手戦で進むも、4回表にサムソンがイ スンヨプの走塁ミスで
チャンスを逸してからゲームが動き、
その裏パク チェサン、チェ ジョンの連続アーチを含む3点を挙げたSKが、
そのままリードを守り4対1で勝利。
対戦成績を2勝2敗のタイとしました。

 サ  0 0 0 0 0 1 0 0 0  1
 S  0 0 0 3 0 0 1 0 X  4
 サムソン投手:●タルボトゥ、ゴドゥン、チャ ウチャン、チョン ヒョンウク
 SK投手:○キム グァンヒョン、ソン ウンボム、パク フィス、Sチョン ウラム
 本塁打:パク チェサン1号(SK/ソロ)、チェ ジョン1号(SK/ソロ)

2012年韓国プロ野球ポストシーズン日程表

打席ごとの経過はこちら
2012年 韓国プロ野球ポストシーズン試合経過

以下、映像で確認した試合経過です。

SK・キム グァンヒョン、サムソン・タルボトゥの両先発で始まったこの試合。
両投手ともピンチを招くことなくゲームは4回まで進む。

<4回表>
サムソンはこの回先頭の3番・イ スンヨプがセカンドの深い位置への内野安打で出塁すると、
4番・パク ソクミンが死球で無死一、二塁のチャンスを作る。

ここで5番・チェ ヒョンウはカウント1-2から、ライトの左へのフワッと上がったフライを放つ。
二塁走者がタッチアップで三塁に進塁するには、微妙な距離の飛球。
この時、二塁走者のイ スンヨプはリタッチやハーフウェイの姿勢ではなく、
ヒットと錯覚したのか三塁へ疾走。
ストップを指示する三塁ベースコーチに気がつくも、時すでに遅く、
ライトからセカンドベースへ送られた送球で、ダブルプレーとなった。

その後、一塁走者が残塁でこの回無得点。サムソンチャンスを生かせなかった。

<4回裏>
3回まで打者9人、空振り三振5つを奪う好投を見せていたサムソン・タルボトゥに対し、
SKは1死から2番・パク チェサンがライトへソロホームラン。
続く3番・チェ ジョンもレフトへ連続ソロアーチを放ち、SKが2点を先制する。

なおも4番・イ ホジュンがライト線への二塁打で続くと、
2死後、6番・キム ガンミンがレフト前ヒットを放ち、イ ホジュンが生還。
打線が二巡目に入ったこの回の集中打で、SKが3点を挙げる。

<6回表>
追いかけるサムソンはこの回先頭の2番・パク ハンイがレフト前ヒットで出塁。
続く3番・イ スンヨプはキム グァンヒョンの外角主体の攻めを見極め、
カウント2-1からの外のボールを一、二塁間へ運ぶヒットでこの日2本目のヒットを放つ。
ここでSKのマウンドはキム グァンヒョンからソン ウンボムにスイッチ。

ソン ウンボムは4番・パク ソクミンに対して投げたスライダーが
ワイルドピッチとなり、走者はそれぞれ二、三塁に進塁する。

1死後、5番・チェ ヒョンウはレフトフライ。
三塁からパク ハンイが還り、サムソンは1点を挙げる。
しかしその後ランナーをホームへ迎えられず、ゲームは3対1、SKリードで終盤を迎える。

SKは7回裏に代打・チョ インソンのあわやホームランという、
大きなレフトフライが犠牲フライとなり1点を追加。
4対1として、8、9回をパク フィス、チョン ウラムの継投でリードをキープ。
SKがビジターでの2連敗の後、ホームでの2連勝で対戦成績を2勝2敗とし、
シリーズを振り出しに戻しました。


4回の攻防が全てというゲームでした。
イ スンヨプ選手らしくない走塁でチャンスを逸したサムソン。
一方、3回までタルボトゥ投手に完璧に抑えられていたのに、
打者二巡目、失投を逃さず一撃で仕留めたSK打線の集中力。
これが勝敗を分けました。

イ スンヨプ選手ですが、普段、内野ゴロでもこちらが驚くほど全力疾走するなど、
「後輩、チームに対しての姿勢」を意識したプレー、行動が目立ちます。
味方の攻撃でいいバッティングが出れば、大きなアクションでベンチを飛び出し、
鼓舞する姿が目を引きます。
それだけにこの試合での走塁ミスは、チャンスを逃したという結果だけではなく、
うわっ、と思ってしまうものでした。

しかし、イ スンヨプ選手はその後の打席でヒットを放ち、
ミスを引きずっていないことを示しました。
その後の打席で沈黙してしまうと、嫌なムードが長引いてしまいます。

イ スンヨプ選手は今季、キム グァンヒョン投手に8打数無安打3三振だったのですが、
この日も外角低めを振らされながらも、2安打をマーク。
この点は、次の対戦や来季にプラスになるでしょう。

そして何より、SKがらしさを見せてきたことが、SK2連勝の要因です。
27日の雨天中止での休養が相当効いたのか、
チームの特徴である、ワンチャンスを逃さない集中力が発揮されてきました。

5戦目以降ですが、サムソンとしては先制点を取らないと、
厳しい戦いとなるでしょう。2勝2敗のタイですが、流れはSKに傾いています。

一方のSKは個々が持っている能力、経験を発揮すれば、
チーム状態がいいだけに、勝機はあります。
ベンチがおかしな選手起用さえしなければ、そのまま勢いに乗ることも可能です。

第5戦は移動日をはさんで、
場所をソウルのチャムシル球場に移して、31日(水)に行われます。

第5戦も打席経過を掲載予定です。




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室井 昌也

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まずお知らせです。
サムソン・落合英二投手コーチに関するコラムを、
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異文化で確かな功績を残した落合英二 自費参加から「韓国一の投手コーチ」に(スポーツナビ)

26日の移動日、27日の雨天中止を挟んで、
28日、インチョンムナク球場で行われた韓国シリーズ第3戦は、
3回表を終わって、サムソンが6対1と優位にゲームを進めるも、
サムソンの守備の乱れに乗じたSKが、
1、2戦の沈黙ぶりが嘘のように打ちまくり大勝。
SKは対戦成績を1勝2敗としました。

 サ  0 0 6 0 1 0 0 0 1  8
 S   1 0 2 2 0 6 0 1 X  12
 サムソン投手:ペ ヨンス、チャ ウチャン、シム チャンミン、クォン ヒョク、●アン ジマン、ゴドゥン、
        キム フィゴル
 SK投手:ブシ、チェ ビョンヨン、パク チョンベ、○ソン ウンボム、パク フィス、チョン ウラム
 本塁打:チェ ヒョンウ2号(サムソン/3ラン)、パク チンマン1号(SK/ソロ)、
     キム ガンミン1号(SK/3ラン)、イ ホジュン1号(SK/ソロ)

2012年韓国プロ野球ポストシーズン日程表

打席ごとの経過はこちら
2012年 韓国プロ野球ポストシーズン試合経過

以下、映像で確認した試合経過です。

<1回裏>
1、2戦と先手を取られ連敗したSKは初回、好スタートを切る。
1番・チョン グンウが初球を左中間に運ぶ二塁打で出塁すると、
外野フライで三塁に進み、3番・チェ ジョンのタイムリーで1点を先制する。

チェ ジョンは盗塁に成功し、牽制悪送球で三塁まで進むも、
4、5番が連続三振に倒れ、追加点はならず。

<3回表>
1点を追うサムソンは、四死球2つとエラーで無死満塁のチャンスを得る。
ここでSKは先発のブシを諦め、チェ ビョンヨンにスイッチ。
しかしチェ ビョンヨンは2番・チョン ヒョンシクに押し出し四球を与え、
サムソンはノーヒットで1対1の同点とする。

なおも無死満塁で3番・イ スンヨプがセンター前へ2点タイムリーを放ち、
3対1とリードを広げる。

1死後、ランナー一、三塁の場面で、第2戦で満塁弾を放った、
5番・チェ ヒョンウがライトへ3ランホームラン。
この回打者一巡、6点を挙げたサムソンが序盤で6対1と5点のリードを挙げた。

<3回裏>
追うSKはサムソンの先発・ペ ヨンスに対し、
3番・チェ ジョン、5番・パク チョングォンの2本の二塁打で1点を挙げ、
2死二塁で6番・キム ガンミンがセンター前ヒットを放ち、この回2点目。
6対3とその差を3点とする。

<4回裏>
SKはこの回からマウンドに上がった、サムソン・チャ ウチャンから、
この試合がポストシーズ出場101試合目(歴代最多更新中)の8番・パク チンマンが、
レフトスタンドへソロホームラン。じりじりと点差を詰める。

1死後、1番・チョン グンウがショートへの内野安打で出塁すると、
盗塁とキャッチャーの悪送球で三塁に進み、
3番目のマウンドに上がった、シム チャンミンの暴投で生還。
SKは6対5とし、1点差まで詰め寄る。

サムソンは初回から守備のミスが続く。

<5回表>
サムソンは2死から死球のランナーを置いて、
7番・チョ ドンチャンがセンターオーバーの二塁打。
1点を挙げ、7対5とリードを2点差にする。

<6回裏>
SKはここまでホームランを含む2安打を放つ、
8番・パク チンマンからの攻撃。

サムソンのマウンドは5回裏、左のパク チョングォンに対しマウンドに上り、
5回を三者凡退に抑えた左腕のクォン ヒョクがこの回も続投。

パク チンマンはクォン ヒョクからレフト線への二塁打で出塁。
9番・イム フンの送りバントはピッチャー左への内野安打となり、
SKは無死一、三塁、一打逆転のチャンスをつかむ。

サムソンはクォン ヒョクに代え、5番手にアン ジマンを送る。
ここで1番・チョン グンウはカウント3-2からの6球目を軽く合わせてセンター前ヒット。
SKは7対6とし、再度1点差に迫る。

なおも無死一、二塁で2番・パク チェサン。
パク チェサンはバントの構えからヒッティングに切り替えるも、
打球はピッチャー正面の強いゴロ。しかし二塁封殺のみで、
ダブルプレーにはならず、1死一、三塁でチャンスが続く。

ここで3番・チェ ジョンは二遊間を抜けようかというゴロを放つ。
この打球をショート・キム サンスが横っ飛びし打球を抑えるも、
本人は打球がセンターに抜けたと錯覚し、グラブを確認する間、
二塁ベースを踏むのが遅れ二塁はセーフ。
打者走者を刺すべく、一塁へ送球するも、
ワンバウンド送球がカメラマン席に飛び込む悪送球となり、
走者はそれぞれ進塁。このプレーで二者が生還し、SKは8対7と逆転に成功する。

SKは2死後、一、二塁として、6番・キム ガンミンがレフトへの3ランホームラン。
この回6点を挙げたSKは11対7として、試合のペースを完全に握った。

その後、両チームとも1点ずつを挙げ、試合は12対8でSKが勝利。
SKは対戦成績を1勝2敗としました。


両チームとも6得点の回があるという、荒れた展開になった第3戦。
第2戦に満塁弾を放った、サムソン・チェ ヒョンウ選手がこの日も3ランを放ち、
序盤に5点のリードを奪ったことで、完全にサムソンペースの試合になるかと思いました。
しかしサムソンのらしくない継投が、SK打線に付け入る隙を与えてしまいました。

5回裏、SKの5番・左のパク チョングォン選手に対し、
マウンドに上がった、クォン ヒョク投手はカウント3-2から空振り三振を奪います。
その後、2者を抑え三者凡退。クォン ヒョク投手というと四球で自滅という
イメージがあったのですが、この日は第1戦同様、ストレートが走り、
SKの勢いを止めるような好投でした。

6回裏は前の打席にホームランを打った、8番・パク チンマン選手から。
クォン ヒョク投手は前の回限りで気分よく降板し、
この回は違う投手が投げると思ったのですが、クォン ヒョク投手は続投でした。

結果論にはなりますが、短期決戦での早めの継投が功を奏してきた
サムソンらしくない形が、6回の6失点につながったように思います。

もちろんそれだけではなく、SKはこの日17安打。
1、3、6、8番が3安打です。
沈黙していた4番・イ ホジュン選手にも8回に一発が出て、
SKとしてはいいムード、サムソンにとっては嫌な雰囲気になってきました。

サムソンとしては9回表2死から、SKの抑え・チョン ウラム投手に対し、
イ スンヨプ選手が意地の二塁打。
途中からセカンドの守備に入ったシン ミョンチョル選手がタイムリーを放ち、
1点を挙げて終わったことが、第4戦につながる好材料でしょうか。

第4戦は29日(月)の18時からインチョンムナク球場で行われ、
予告先発はSK・キム グァンヒョン投手、サムソン・タルボトゥ投手と発表になっています。

勢いを得たSKが対戦成績をタイに持ち込むのか、
サムソンが実力そのままに勝利し、シリーズ制覇に王手をかけるのか、
第4戦は非常に興味深い戦いとなりそうです。

第4戦も打席経過を掲載予定です。




2017-5


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25日、テグ球場で行われた韓国シリーズ第2戦は、
3回にチェ ヒョンウの満塁ホームランなどで6点を挙げたサムソンが、
試合を優位に進め、8対3で圧勝。ホームで連勝しました。

 S  0 0 0 0 0 1 0 2 0  3
 サ  0 0 6 0 0 0 2 0 X  8
 SK投手:●マリオ、チェ ヨンピル、イ ジェヨン、パク チョンベ
 サムソン投手:○チャン ウォンサム、ゴドゥン、チョン ヒョンウク、チャ ウチャン
 本塁打:チェ ヒョンウ1号(サムソン/満塁)、チョン グンウ1号(SK/ソロ)

2012年韓国プロ野球ポストシーズン日程表

2012年韓国プロ野球ポストシーズン打席経過

第1戦に比べると寒さが和らいだテグ。

2012韓国シリーズ第2戦
ポストシーズンのサムソン恒例、ライオンのハリボテがスタンドに

<1回表>
SKは2死から二塁打と2つの死球で2死満塁のチャンスを得るも、
6番・パク チョングォンがセンターフライに倒れ、先制ならず。

<3回裏>
サムソンはこの回の先頭打者、7番・チョ ドンチャンがヒットで出塁すると、
8番・チン ガプヨンは初球、バントがファールとなって失敗。
するとカウント1-1からの3球目、バスターエンドランに切り替え、
チン ガプヨンはバントシフトの三遊間をきれいに抜くヒットで無死一、二塁とする。

9番・キム サンスの送りバントで一死二、三塁とすると、
1番・ペ ヨンソプがセンターオーバーのツーベース。二者が生還し、サムソンが2対0とする。
2死後、3番・イ スンヨプが敬遠気味の四球、4番・パク ソクミンも四球で歩き、2死満塁。
ここで5番・チェ ヒョンウが4球目の高めのチェンジアップを右中間に運ぶ、満塁ホームランを放つ。

サムソンはこの回6点を挙げ、大きくリードする。
SKの先発・マリオは1、2回と安定した投球を見せるも、
チン ガプヨンのバスターが決まった辺りから制球が乱れ出した。

<6回表>
SKは先頭の1番・チョン グンウがレフトへ高く上がる滞空時間の長いソロアーチで、
1点を返し、6対1とする。

サムソンの先発・チャン ウォンサムは初回こそピンチを招くも、
2~5回をいずれも三者凡退ピッチング。
試合後、「初回にチェンジアップが良くなくて、
途中から直球主体に切り替えてから良くなった」と好投を振り返った。

サムソンは7回裏にも2点を追加し8対1として試合は完全にサムソンペースとなる。

<8回表>
SKは第1戦に続き打撃好調のチョン グンウがこの日2安打目を放ちチャンスを広げ、
この回、パスボールとセカンドゴロで二者が還り、SKは8対3とする。

サムソンは今後の試合に備え、ゴドゥン、チャ ウチャンをマウンドに送る余裕の継投で、
8対3で勝利。サムソンは初戦に続く連勝で、ホームでの2連戦を終えました。


昨年の同対戦と同じくサムソンが2連勝。
サムソン・リュ ジュンイル監督は勝因に、チン ガプヨン選手がバスターを成功させた、
作戦遂行能力の高さを挙げました。
リュ ジュンイル監督は、「第3戦はペ ヨンス投手、第4戦はタルボトゥ投手」と
今後の先発起用を明言。昨年同様、早期決着を目指します。

一方の敗れたSK・イ マンス監督は「完敗だった」とし、
「(2007年の)トゥサンとの韓国シリーズで2連敗のあと優勝しているので、
明日のミーティングで選手たちにその時のことを思い出すように話したい」
とのことでした。

第3戦は移動日を挟んで27日(土)14時からSKの本拠地・インチョンで行われます。

韓国シリーズも打席経過を掲載予定です。



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室井 昌也

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24日、テグ球場で行われた韓国シリーズ第1戦は、
初回にイ スンヨプの2ランで先制したサムソンがそのままリードを守り、
3対1で勝利。初戦を制しました。

 S  0 0 0 1 0 0 0 0 0  1
 サ  2 0 0 0 0 0 1 0 X  3
 SK投手:●ユン フィサン
 サムソン投手:○ユン ソンファン、シム チャンミン、アン ジマン、クォン ヒョク、Sオ スンファン
 本塁打:イ スンヨプ1号(サムソン/2ラン)

2012年韓国プロ野球ポストシーズン日程表

2012年韓国プロ野球ポストシーズン打席経過

気温12度ながら風はなく、凍える程ではなかったテグ。
韓国シリーズ第1戦

<1回裏>
サムソンは1死後、四球のランナーを置いて、3番・イ スンヨプがSKの先発・ユン フィサンの、
カウント1-1からの外角高めのフォークを流し打ち。打球はレフトポール際に飛び込み、
2対0として先制に成功する。

<4回表>
追うSKは先頭のチョン グンウが四球で出塁。盗塁と捕手の悪送球で三塁へ進む。
2死後、4番・イ ホジュンがサムソンの先発・ユン ソンファンから、
右中間へタイムリーヒット。カウント3ボールからのヒットでSKが2対1の1点差に迫る。

サムソン・ユン ソンファンは持ち球のカーブよりもスライダーを活用し、
SK打線を5回1/3、1失点に抑える。

<6回裏>
サムソンは2番からの好打順で2つの四死球とヒットで2死満塁のチャンスを作るも、
得点ならず。

<7回裏>
サムソンは8番・イ ジヨンがヒットで出塁すると、代走にカン ミョングを送る。
送りバントで二塁に進み、1番・ペ ヨンソプの打球は二遊間への深いゴロ。
カン ミョングが三塁ベースを回ったところで、セカンド・チョン グンウがサードへ送球するも、
走者はホームへと向かう。サード・チェ ジョンの捕球姿勢が走者に背を向ける形となる間に、
ランナーが生還。サムソンが3対1と2点リードする。

サムソンはユン ソンファンの後をブルペン陣が好リリーフし、SK打線を抑える。

SKの先発・ユン フィサンも安定感ある投球で完投。8回108球、被安打5、3失点。
好投するも味方の援護なく、試合は3対1でサムソンが勝利。先手を取りました。


シリーズ初戦は、初回のイ スンヨプ選手の一打で決まったようなゲームでした。

試合後、先制弾を放ったイ スンヨプ選手は、
「指の故障で、公式戦最後の5試合を欠場し、シリーズ前の紅白戦でも、
バッティングの感覚はつかめていなかった。でもゲームに入れば大丈夫だろうと
迎えた1打席目でカウント1-1から直球のタイミングでフォークが来ることも考えていたら、
高めにフォークが来た。シーズン中の状態ならファールになったかもしれないが、
打った瞬間、フェンスオーバーすると思えるバッティングができた」とのことでした。

イ スンヨプ選手の韓国シリーズでのホームランは、日本へ渡る前の2002年、
サムソンとLGの韓国シリーズ第6戦での劇的な同点3ランホームラン以来で、
10年越しのシリーズ2打席連続ホームランとなりました。
10年前はライトへ、今回はレフトへ。場所は同じテグ球場。
当方、10年前もその場にいたので、感慨深いですね。

イ スンヨプ選手は「10年前よりパワーは衰えたと思うけど、
経験を重ねてきたので、試合の流れを読むことや相手が投げるボールが
分かるようになった」とのことでした。

サムソンはリュ ジュンイル監督がこのシリーズでキープレーヤーに挙げた、
シム チャンミン投手が、6回表1死一、二塁の場面で登板。
3、4番を2球で打ち取り、期待に応えました。

そのシム チャンミン投手は7回表、先頭打者にストレートのフォアボールを与え、
続く打者へも2ボールとなったところで、サムソンベンチはアン ジマン投手にスイッチ。
短期決戦ならではの早めの継投が成功しました。

SKはチャンスらしいチャンスなく得点は1点のみ。
敗れましたが、ピッチャーを使わなかったことが、
今後プラスになるかもしれません。

第2戦は25日(木)18時から初戦同様テグで行われます。
予告先発はサムソン・チャン ウォンサム投手、
SK・マリオ投手と発表になっています。


韓国シリーズも打席経過を掲載予定です。


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今年の韓国シリーズは公式戦1位のサムソンと、
プレーオフでロッテを倒した公式戦2位・SKの対戦。
両者の対戦は2010、11年に続き、3年連続となります。

2012年韓国プロ野球ポストシーズン日程表

この3年間の流れについては、
日刊スポーツさんの携帯サイト・ワールドベースボール内の
「韓話☆球題」に記しましたので、ご興味ある方はどうぞ。

シリーズ前日の23日14時から、
テグで韓国シリーズメディアデーが行われました。
2012韓国シリーズメディアデー
優勝トロフィーを前に

数年前からテレビで生中継され、会場も年々広くなります。
これも野球人気の高さが反映されていますね。

サムソン・リュ ジュンイル監督、チン ガプヨン選手、パク ソクミン選手、
SK・イ マンス監督、チョン グンウ選手、ソン ウンボム投手が出席したメディアデー。

現役時代からの先輩・後輩の間柄である両監督の顔合わせということで、
ピリピリしたムードではなかったですが、
昨年に比べると、多少の緊張感がありました。
前回は4勝1敗でサムスンがシリーズ制覇しましたが、
今年は昨年よりはもつれるのでは?という気配でしょうか。

両チームとも初戦だけではなく、2戦の先発投手を予告する雰囲気となり、
サムソンが第1戦・ユン ソンファン投手、第2戦・チャン ウォンサム投手、
SKがユン フィサン投手、マリオ投手と両監督から告げられました。

テグ球場ではサムソンが前日練習を行いましたが、
ブルペンで投げる第2戦先発予定のチャン ウォンサム投手に対し、
イ スンヨプ選手が打席に入って言葉をかけるシーンもありました。

さて今年の韓国シリーズ、戦力的にはサムソンが有利なのですが、
SKは昨年、準プレーオフ、プレーオフと戦って来たのに対し、
今回はプレーオフのみ。しかもピッチャーを使い切ったということもなく、
韓国シリーズからブシ投手をエントリーに入れているので、
顔ぶれとしていい勝負になるような気がします。

SK・イ マンス監督は「新聞で評論家の予想を見たら10人中、9人がサムソン有利だった」
とのこと。しかしシーズンでの対戦成績はSKが10勝9敗で1つ勝ち越しているので、
圧倒的有利ともいません。

ちなみに「その1人の評論家は誰でしたか?」という司会の女性アナの質問に
イ マンス監督は「キム ジョンジュンさんです」と。
この瞬間、記者陣がドッと沸いてしまいました。

キム ジョンジュンさんは昨年までSKで戦力分析やコーチを務めていました。
そしてキム ソングン前監督の息子さんです。

今年の韓国シリーズはどのチームが出てきても、
サムソンの優位は変わらないと思っていたのですが、
SKがプレーオフの中で、最近の韓国でよく表現される
「短期決戦のDNA」を発揮し始めてきたので、わからなくなってきました。

予想としては当方、例年と異なり、
今年は続けて外しているのでかなり消極的ですが(笑)、
4勝3敗でサムソンとします。SKファンの方は「その逆だ!」と喜んでください。

ゲーム内容としては、10年前を思い出させるような、
イ スンヨプ選手の劇的な一打でフィナーレなんていう、
なんともまぁ、安易なことを想像しています。

正直、今季のシーズンには勝負の妙、みたいなものが少なかったように思うので、
だったら最後は派手な終わり方で締めくくってもらえたら、
なんていうことが、頭に浮かんでいます。

もしかすると、韓国シリーズでは
歴史に残るような名勝負がくり広げられたりして?
とか、まぁ思いを巡らせられるのも、楽しみの一つですね。

韓国シリーズ第1戦は24日(水)18時からテグで行われます。

韓国シリーズも打席経過を掲載予定です。




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