20代の頃、引っ越ししたての家の洗面所で、洗いたての髪を乾かしていた。
時は22時過ぎであった。

その時、急に「火事です」とアナウンスが鳴った。私は驚いて、財布と携帯電話を持ち、一目散に1階に降りた。

他の住人たちも同じように慌てふためきながら、階段を駆け下りで来るだろうと思っていたのに、5分くらい誰も降りてこなかった。
サイレンは鳴り続けているので、やっぱり一大事は一大事。東京の人は、こんな時でも落ち着いているなぁと思った。

しばらくして、やっと1人また2人と部屋着姿の住人たちが降りてきた。
「なんでしょう怖いですねぇ」と話していると、そのうちの1人が「管理人室に行けば、サイレンの元になっている部屋がわかるはず!」と言い、男性住民数名が管理人室入っていった。(当時、施錠されていたはずだけど、どうにか開けたらしい)

「403だ!!」「急げ!!!」
皆が403に向かって走っていった。
私も彼らの後を必死で追いかけた。
403は私の部屋だった…


どうやら、その頃買ったばかりのハイパードライヤーの温風が、天井の火災報知器に当たって、それで鳴ってしまったらしい。


もう引っ越していますが、その節はご迷惑をお掛けし、申し訳ありませんでした。

↑20代の頃の写真!