全国3人の熱烈な若野ファンの皆様、ご無沙汰しています。2ヶ月ぶりの投稿です。「死んだんじゃないか?」と心配なさった方、死んでいません。仕事のお知らせなどを正直に全部ブログで書こうとすると肝心の仕事が滞ってしまうという状況と戦っておりました。
そういうわけで、今回はもろもろ割愛させて頂き、先日に東京での展示が完了した岐阜→東京での個展のレポートです。

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今回の個展は僕のWEB SHOPである「Click And Drag」を岐阜駅のギャラリー・スペースと渋谷のレストラン・バーでの展示で展開しようという、大須の縁日(名古屋)とミュージアム・ストアの良い所取りのアイデアではじまりました。
去年からやるやると言ってはあれこれ材料を仕入れて試行錯誤して考えるうちにあっというまに今年の8月も後半になり、カヌーで遊んでリラックスしながら制作の手法をあれこれ迷っている時間がなくなって来ました。写真は川面のカヌーから見上げた景色です。

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というわけでまずは早くから注文を頂いて染め付けと焼成を予定していた猫さんカップからバンバン描いて行きたいところですが、とても繊細なモチーフである上、猫好きの猫オーナーさんが可愛がっている猫さんを描き分ける(漢字が似ていて混乱してきました)というのはかなりハードルの高いミッションなので、一日で一頭か2頭を描いて、翌日に見直して半日かけて修正入れるというのが人力の限界でした。
そんな苦労も、染め付けた素焼きに透明釉をかけて焼き上げコバルトが鮮やかなブルーに発色すると忘れてしまい、また描いてしまうのです。ほかの作業もあるのでここは簡単に描くという選択肢もあるんですが、ふだんテキトーなのに猫問題となると手抜き出来ないのが猫好き人間です。写真は東京にお嫁に行った猫さんカップです。カップと美猫さんのバランスが良くてスッキリしています。

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そして、こちらはP-FUNKの名ギタリストで知られるエディ・ヘイゼルのポートレートを観ながらスケッチした本焼き前の染め付けです。こちらも岐阜会場の初日に速攻でPマニアな方の元にお嫁(婿?)に行きました。このシリーズはサン・ラ、グレース・ジョーンズほか数点を描きましたが、全て岐阜会場でお嫁に行きました。

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染め付けのカップは磁器なので業者さんに素焼きを製造してもらいましたが、皿や珈琲ドリッパーは陶土を板に広げてこねる所からパーツを作っています。夏のあいだは土がひんやりしてお相撲さんをマッサージしてるような感触(想像)がなかなか気持ちいいです。

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これは作品の型の型です。てきとうに作ってから細部を仕上げます。

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整形した古陶(荒めの種類の陶土)の皿に蛙くんがあそびに来ました。古陶の感触は人間にもきもちいいです。

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そんなわけで整形作業はぐっと進み、整形して乾燥した作品は素焼きの行程を爆発せずに無事に完了しました。土練が悪いと圧縮された空気が生地に閉じ込められて素焼きの途中で手榴弾みたいに破裂し、運が悪いと周囲の作品も被弾して壊れてしまうというわけです。今回は練りの回数が少なめだったわりにうまく気泡を押し出せたようです。
写真は大量に作った陶器と磁器の素焼きに釉薬をかけているところです。陶磁器をかじり出してから長いので、けっこう慣れているつもりで思いつきで施釉したボウルが全部失敗したりで、変わった事が出来そうで出来ない行程です。それでもやらせてくれる釜のボス・宮部くんに感謝です。

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焼成(本焼き)です。ここは毎回念仏を唱える勢いで閉まる扉を見守ります。素焼きの段階で土練不良が原因で爆発してないのでバラバラになる事はないんですが、釉薬がわけのわからん事になってしまったり皿がよじれて皿でなくなったりすると廃棄になります。

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一通り本焼きの釜に入れたところで、追加で素焼きにするショートマグを整形しています。表情が欲しいので型を使わず目分量で手で曲げてます。土は信楽というメジャーな土で作ってあります。

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200個ほど送り出して空になった棚です。進学で空になった子供部屋をみる親御さんの気持ちってこんなふうかなとか思ったりします。つかの間の安堵感です。

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本焼きの火を入れてから2日後の写真です。ゴテゴテの自分用V-60タイプ・ドリッパーが出来上がって来ました。ムチャクチャな形状になりましたが、機能はバッチリなので展示する事にします。ほかの作品もなかなかの表情。展示の初日まであと7日ほどありますが、後発で釜から出る作品は展示の後半に回します。ここから続々といろいろ出て来ます。

そういう事で一回では書ききれないので話は続きます。(後編に続く)