この本は世間一般で当たり前だと言われる経営の常識にあえて向き合い様々な事例を元に常識が現実と異なる場合があるということを説明してくれています。例えば新聞というのは一般的なサイズよりも小さくしたほうがコストが下がり効率的だそうですが、現在のサイズが業界の常識でこれを変更すると売上が下がるいう考えがありました。しかしイギリスのインディペンデント紙がサイズを小さく変更したところコストも下がり且つ売上が上がったのだそうです。このように今までの常識と呼ばれたものが実は根拠がないという場合が多々あるように思います。

意思決定において数字で見えるものについてはそれを参考に判断すべき時もあると思いますが、人は必ずしもロジックで動くわけではないというところを理解した上で判断することが大事だと書かれています。まさにその通りでもちろんロジックも大事ですが、新しい課題と向き合った時はそのロジックをベースとした上で最後は勘で意思決定が行わることが多いのではないでしょうか。例えば新製品を出す時にアンケート調査をした場合かえって新しいものが拒絶されてしまう場合もあり、一方大当たりした新製品が担当者の感覚から生まれることが多いことなどからもこのことを説明出来ると思います。

戦略についても進むべき方向は分かっていてもその途中は霧の中を走っているようなもので一瞬見えた景色やその時の競合の動きなどで変化せざるを得ない場合も多く、結果的に偶然の産物から成功するという場合も多いと書かれています。イノベーションを起こした会社と起こしていない会社を比べた時にイノベーションを起こした会社の寿命の方が短いという残念なデータもあるようで成功というのは必ずしも戦略が優れているから出来るということではないとのこと。しかしまったく運の要素だけで成功出来るわけではなく、成功のための準備が出来ている会社が結果的に成功する場合が多いのだとか。

この本に書いてあることが全て正しいと言い切ることは出来ませんが常識を疑う事で新しい経営に対する見方考え方が生まれると思います。経営者や起業家の方にお薦めの本です。 
ヤバい経済学 [増補改訂版]

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